六海「ちょっと曇ってきたな〜 今日は月が綺麗に見えてたのに…」
風太郎「ああ まぁ…そうか?」
六海「はぁ……風情がないな〜」
風太郎「急に泊まりに来てカレーを大量に食ってた奴に風情を説かれたくないね」
六海「仕方ないでしょ…一日ぶりの飯だったんだから…」
風太郎「まさか俺の家に泊まりにくるとはあいつら思わないもんな」
六海「まぁ行く当てが風太郎の家くらいだからね〜ファンの子の家に泊まりに行ったら何されるかわかんないし…」
風太郎「明日には帰れよ 三玖も五月も心配してる」
六海「それは…できない…」
六海「今回ばかりは二乃ねぇが先に折れるまで帰れない…風太郎やらいはちゃん、勇也さんにはこれ以上迷惑かけれないし…明日には…」
風太郎「出ていってどうするんだ?財布も行く当てもないくせに」
六海「うっ……なぁ風太郎?家事手伝うんで…もう少しだけ居させてくれませんかねぇ〜」
風太郎「嫌だね 帰れ つーかお金持ちお坊ちゃんにうちの生活が耐えられるとは思えん!」
六海「……言ってなかったっけ…僕らはお坊ちゃん、お嬢様じゃないよ 僕たちも数年前まで負けないほどの生活だったから…」
風太郎「? 話してたっけ…できたら話してくれ」
六海「……今の親父と再婚するまでの僕たちは極貧生活だった そりゃ六人の子供を同時に育てたんだから…」
六海「その頃の僕たちはまさに六つ子 見た目も性格も成績もほとんど同じだった…」
六海「…けれど女手一つで育ててくれた母は体調を崩して入院してしまって……」
六海「だから僕はねぇちゃん達の右腕になると決めたんだ……だけど…まぁ…ごらんの有様で…」
風太郎「右腕か…だったら俺も支えになろう…」
六海「は? どういうことだ…理解が出来ないんだが… どういう意味なんだ?」
風太郎「お前だけじゃあいつらを支えてやれてねーから俺も一緒に支えるってことだ これも家庭教師の仕事として割り切るさ」
風太郎「あの日 京都であの子と出会い いつか誰かに必要とされる人間になると決めた 俺はそのために勉強してきたんだ」
六海「なるほどね〜…風太郎が支えになってくれんのか〜ありがとう風太郎」
ガサガサ
二人「⁉︎」
六海「ヒャッ!」
風太郎「六海!大丈夫か?」
六海「ご ごめん 腰抜けちゃって…手貸してくれない」
風太郎「ほらよ」
六海「ありがとう…あ!見て雲が晴れてる! 月が綺麗だな風太郎」
風太郎「………あぁ そうだな 後お前意味わかってるよな?」
六海「わかってるよ けどそういう意味で使ってないつもり もしかして期待した?」
風太郎「してない! さぁ帰るぞ」
六海「あ!待ってよ風太郎!」
〜翌日〜
らいは「六海さん 卵入れて!」
六海「わかった ちょっと待って!」
らいは「あ お兄ちゃんおはよー」
六海「おはよう風太郎 早く準備しないと遅れるよ〜」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
六海「いや〜いつも通らない道から登校するのなんか新鮮だな〜」
風太郎「俺はいつもと変わらんがな あとお前教科書はどうするんだ?」
六海「昨日あった四葉ねぇに持ってきてもらったから大丈夫!」
風太郎「その時に財布とか持ってきてもらえよ!」
六海「あ……確かに…まぁ四葉ねぇも忙しそうだったし…」
風太郎「忙しそうってあいつ何してんだ?」
六海「え?…聞いてないの?陸上部の助っ人で大会前の練習があるらしいよ」
風太郎「は?」
風太郎「四葉!試験週間に入ったら辞めるんじゃなかったのか!」
四葉「すみません〜!」
風太郎「バスケ部の時みたいに断ることはできなかったのか?」はは
四葉「一度はお断りしました…でもこのままじゃ駅伝に出られないと…」
風太郎「得意なお人好しが出たな…今すぐ辞めろ これ以上問題を増やさないでくれ」
四葉「内緒にしててすみません でも家では上杉さんの問題集を進めてます」
風太郎「!」(あれさえ覚えてくれたら…いや 四葉にそんな器用なことができるとは思えねぇ」
⁇「中野さーん練習再開するよー」
四葉「私!頑張りすから!」
風太郎「あっ まだ話は終わってねぇぞ 逃がすかよ!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
〜数分後〜
風太郎(逃がした…)
風太郎「ゼーハーゼーハー しんど…」
風太郎「二乃!学校来てたのか この前のことは気にしてないから帰ろう!な? あいつらとも仲良くできるって また昔みたいさ」
二乃「わかった 帰るわよ」
風太郎「!そうか!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
風太郎「って昨日のホテルじゃねーか!」
警備員「お客様以外の立ち回りはご遠慮願います」
風太郎「俺はアイツの家庭教師だ 二乃!試験はどうするつもりだ 俺が合格させてやる!だから入れてくれ!」
二乃「………試験なんて合格したからなんなの?どうでもいいわ」
風太郎(諦めねぇ 諦めてたまるか 俺は諦めねぇ!)
風太郎「試験まで残り四日…どうしたらあいつらがまとまってくれるんだ ここで俺が溺れたら全員心配して集まってくれたりして……」
風太郎「あ ヤバイ考え方してるぞ俺」
風太郎(いやありえねー そんなわけないか俺のやり方が間違ってたんだ 信用されて頼られて 他人の家の姉妹の仲をとりもとうだなんて…)
風太郎(今の俺には過ぎたやくわりだった いやむしろ…そうだ最初から間違ってた ただ勉強してきた俺はなんの役にも立てない)
風太郎「あいつらに俺は不要だ」
⁇「また落ち込んでる やっぱり君は変わらないね 上杉風太郎君 久しぶり」