二乃「はぁ〜やだやだ 辛気臭いわ」
風太郎「人のこと言えた義理かよ 五人から解放されて自由の身だったんじゃなかったのか?」
二乃「そうよ テレビは見放題 エアコンの温度は自由自在 誰も部屋を散らかさない 一人ってちょー最高よ」
二乃「べ 別に寂しいからあんたを入れたとかじゃないから って聞いてない…」
二乃「…っていうか辛気臭いだけじゃなくてマジで臭いわ」
風太郎「ああ これは諸々あって池に落ちた」
二乃「どんな諸々よ いいからシャワー浴びてきなさい」
風太郎「 え 俺は気にしないけど」
二乃「私が気にすんの!我慢できない!こっち来なさい」
風太郎「な なんでだよ」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
風太郎「何しに来たんだ俺…」
二乃「いい?シャンプーだけじゃなくてトリートメントもするのよ!」
風太郎「はーい…全く面倒だ お前はよくそんな長い髪でいられるな つーか髪型なんてなんでもいいしな」
二乃「じゃあその変な髪型やめなさいよ」
風太郎「らいははこの髪型にしかカットできない」
風太郎(こいつともサシでならスムーズに話せるんだな 俺はまだ二乃を理解しきれてないのかもしれない)
二乃「そ そうね 毎日洗ってるわ あんたにこの量の髪のケアができるかしら?」
風太郎「まずそんなに伸ばさねーよ」
二乃「っていうかロン毛のあんたを想像したら気持ち悪くなってきたわ」
風太郎「あ?似合うかもしれねーだろ?俺のポテンシャル甘くみんなよ」
二乃「おえー」
風太郎(……あれ?あんなに険悪だったのに いつの間にか二乃と普通に話せてる)
二乃「なんで家族に切ってもらってるのよ」
風太郎「お前も切ってもらえよ 四葉あたりに」
二乃「絶 対 嫌!」
二乃「ねぇ 何があったのよ ここに来る前何があったの?」
風太郎「…… 何もねーよ」
二乃「嘘!あんたが落ち込んでるの初めて見たわ」
風太郎「お 落ち込んでねーよ!」
二乃「いいから聞かせなさいよ 一人は楽だけど話し相手がいなくて暇なのよ「
風太郎「………五年前…一人の女の子に会ったんだ」
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風太郎「で そいつは俺の前から消えた 終わりだ」
二乃「……」
風太郎「寝てる…? 悪いなつまらない話しちまって」
風太郎の目の前には雨のように大粒の涙を流している二乃がいた
風太郎「え…っ えぇ〜〜…なんで泣いてんの?」
二乃「だ だって その子のこと好きだったんでしょ?切なすぎるわ」
風太郎「す…好きとかじゃ…感謝と憧れがあっただけだ」
二乃「それ 好きなんだって!」
風太郎「だから違うってだが俺のためにそこまで…」
二乃「あーちょうどいい泣ける話! めっちゃちょうどいい!」
風太郎「最低」
二乃「でもさ 元気出して あんたみたいなノーデリカシー男でも好きになってくれる人が地球上に一人くらいいるはずだから…」
二乃の目の前にはは素っ裸の風太郎が立ち尽くしていた…
二乃「って何出てきてんのよ 露出魔!」
風太郎「俺とお前は裸の付き合いだろ」
二乃「忘れろーッ!」
バサッ
風太郎「ん?これは…」
二乃「あ!」
倒れた紙袋の中には二乃が破いた風太郎の問題集がテープで直されて解いている物があった
風太郎「やってたのか」
二乃「これ…個別で問題を分けてたんでしょ あの時だって…本当は…い 一応悪いと思ってるわよ ごめん」
風太郎「ああ いいぞ この調子で六海にも謝ろう」
二乃「それは嫌!」
風太郎「なぜ⁉︎煽られたことまだ根に持ってるのかよ」
二乃「昔はあんなことする子じゃなかった なんだか…六海が知らない子になったみたい」
六海「二乃ねぇが謝罪したって…風太郎も嘘が上手くなったな コソ練でもした?」
風太郎「本当だ!お前もいつまでも意地張ってんじゃねーよ」
らいは「お兄ちゃん いつもより髪サラサラ〜」
六海「それに!昔と違って二人とも好みが変わったし」
風太郎「そこをなんとかさ…」
らいは「あ!今日まだゴミ出してないかも!」
六海「大丈夫!もう出してきたよ!」
らいは「六海さんありがとー」
勇也「あれ 俺の腕時計…」
六海「それならこちらに」
勇也「いやー六海くんがいると助かるなー‼︎」
風太郎「六海の家事が早くてよ お前たちが六海に家事を任せる理由がわかるぜ」
二乃「ふーん ルームサービス呼ぶけどあんた何かいる?」
風太郎「じゃあ飲み物頼む」
二乃「はーい こっちで勝手に選んじゃうわね…ってなんであんたが当たり前のようにいんのよ‼︎」
ルームサービスの人「す すみません!」
風太郎「なんだ 頼まねーのか?」
二乃「ずうずうしいわね! 昨日のしおらしさはどこにいったのよ!」
風太郎「誰かさんがうるせーからそんな気分じゃなくなった まずは目の前の問題から解決しないとな」
二乃「目の前って…ああ期末試験ね」
風太郎「ん…そっか期末試験のためだったな」
二乃「?」
風太郎「昨日のことは正直ショックだった」
風太郎「このタイミングで零奈がなぜ俺の目の前に現れたのかわからないが一つあいつに教えられたことがある」
風太郎「人が変わっていくのは避けられない 過去を忘れて受け入れていかないとな だからお前も仲直りして帰ろう」
二乃「忘れたらいいってそんな簡単に割り切れないわよここは私の部屋だから独り言」
二乃「私たちが同じ外見同じ性格だった頃 まるで全員の思考が共有されているような気でいて居心地がよかったわ」
二乃「でも五年前から変わった 一花が女優していたなんて知らなかったし六海が声優してたことも知らなかった」
二乃「まるで五つ子から巣立っていくように 私だけを残して 私だけがあの頃を忘れないまま 髪の長ささえ変えられない」
二乃「だから無理にでも巣立たなくちゃいけない 一人取り残される前に」
風太郎(これが俺の掬い取れなかった姉妹を大切にするが故の二乃の心理…)
風太郎「それでいいのか?」
二乃「いいのよ 過去は忘れて前を向いていかなきゃ あとは…そうね心残りがあるとしたら…」
二乃「林間学校 キンタロー君 ふふしっかりお別れできなかったからかしら もう一度会えばケリをつけられると思ったんだけど」
二乃「忘れさせてくれないわ」
風太郎「会えると言ったら…お前はどうする?」
二乃「え…?」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
コンコン
二乃「はーい」
金髪の風太郎「ど どうも」