五等分の花嫁と一人の弟   作:よもぎもなか

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第60話 アドバンテージ

風太郎「えー 我々も三年生になったということで……」

武田「すみませーん 上杉学級長 声が小さくて何を言っているのか聞き取れません もう少し大きくお願いします ね?」

風太郎(あの野郎……ずっとつっかかってきやがって……)

   「一学期のメインと言っていいあのイベントについて話し合いたいと思います!いよいよ始まります……」

   「全国学力模試が!」

四葉「修学旅行ですね!皆さん 全力で楽しみましょー」

風太郎「えーそっちか……」

三玖「ねぇ二乃 二乃は今日の放課後バイト?」

二乃「ええ 今日が初日だわ」

三玖「じゃあ頼みたいことがある」

二乃「 ! 何よ 今更入れ替わりたいなんて言っても……」

三玖「フータローと一緒だったらプレゼントのこと探っておいて」

二乃「え? 私が?いいの?」

三玖「うん 私も今日からバイト 誕生日に喜んでもらえるように頑張るんだ」

二乃「……………」

 

 

  〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

 

二乃(三玖も一花もまだ踏み出した様子はない それなのに私に譲るなんて随分余裕じゃない)

  (春休みの旅行ではいろいろあったけど私がリードしてる…はず……それなのに……何この焦燥感は…告白したのに意識されてないわけないわよね)

 

 

風太郎「お 今日からか」

二乃「そ そうよ 早速キッチンに入れてもらえるみたい ところでこの髪どうかしら……?」

風太郎「ま まぁ仕事はしやすそうだな…………足は引っ張んなよ」

二乃「ふん!私を誰だと思ってるのよ こんな仕事朝飯前だわ」

風太郎「くくく……いくら家事担当といえど所詮はお嬢様よ 仕事の…社会の厳しさを思い知るがいい!」

 

〜数分後〜

 

店長「完璧だ!初日からこれほどまでのものを作れるなんて 君は天才だ!」

二乃「えーそうですか?店長が教えるのがお上手なんですよー」

風太郎「……………」

二乃(むしろ前より距離がある気がする………告白なんてしなければよかったのかな……」

店長「いやぁ中野さんが来てくれてほんと助かったよ 今夜大切な予約が入ってるんでね」

モブ1「そういえば今日はバイトも総動員ですね 団体のお客さんでも来るんですか?」

店長「いいや…たった二人だ……【M・A・Y(メイ)】と【S・E・C・H・S(ゼクス)】素顔は誰も知らず正体不明……」

  「しかし(くち)コミサイトに星をつけた分だけ客が倍増すると言われているほど評価は的確」

  「この二人は度々この店にも訪れているらしくその度に危機から救ってくれた救世主だ 今夜初めて予約が入った 失敗は許されない」

  「この春の新作を御所望だ!目指せ☆5!」

二乃・モブ1「はいっ!」

二乃(頑張らなきゃ……! この店の一員に早くなってフータローにもちゃんと近づくんだ!)

モブ1「すみません この生地作ったの誰ですか?」

二乃「あ 私です」

モブ1「店長…味に違和感が…」

二乃「え……」

店長「やばっ!すぐに作り直そう!」

二乃「は はい!」

 

  〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

風太郎「休憩入ります」

店長「オッケー 中野さんも今のうちに休んどいて」

二乃「いえまだやれます やらせてください!」

店長「………もうすぐお二人が来る 休める時に休んでおいたほうがいい 新人の君には特に大変だっただろう?ごめんね」

二乃「…はい…わかりました…」

  「どうしよう…私のせいで皆 忙しそうだった……やっぱり戻って…」

風太郎「店長も言ってたがお前のせいじゃない つーか新人に任せた店長が100%悪い」

二乃(でも普段なら…今日に限ってなんで…フータローの前であんなかっこ悪い所……)

風太郎「これ見ろよ でもあんまはじっくり見るな」

二乃「 ? 」

風太郎「クリスマスの時に百個のところを俺が間違えて千個注文しちまったサンタの飾りだ向こう十年はこれでやっていける」

二乃「え?」

風太郎「あとこの机の傷 俺が一人で転んだ時のだな」

二乃「な……何言ってんの?」

風太郎「客のテーブルに別のケーキを運んだり割った皿の枚数は数えきれねぇ それに比べたら小さいミスだ」

二乃「………もしかして励ましてくれる?」

風太郎「ち 違ぇーよ仕事の過酷さを教えてやってんだ 一応…先輩だし…」

二乃「……なんで」

  (それならなんで私を避けるの…?)

  「あー……気を使わせちゃってごめんね 私とじゃやりにくかったでしょ」

風太郎「そんな感じで様々なバイトを経験してきた俺だが事あるごとに痛感するわけだ 俺は勉強しかできない男だ!」

   「ただ頭が良くて…学年一位で…六海のサポートがあるものの同級生五人の家庭教師くらいならこなせてしまう男だ……」

二乃「そこ一点に自信持ちすぎでしょ……」

風太郎「これまで勉強のことばかり考えてきた 家族以外の人間関係を全て断ち切って……だから初めてなんだ 誰かに告白されたのは」

   「どう話せばいいかわからなかった だがここで答えよう 俺はお前のことは…」

二乃「あんたが私のことを好きじゃないなんて知ってるわ ずっとキツく当たってたんだもの でもまだ決めないで!」

  「一緒のバイトになったのにまだ何も伝えてないだから私のことをもっと知ってほしい」

  「私がどれだけフータローを好きなのか ちゃんと知ってほしいの」

風太郎「あっそ」

二乃「 ‼︎ 」

店長「二人ともいいところに!お二人がいらっしゃったよ」

風太郎「わかりました すぐ行きます」

店長「どうしたの上杉くん 耳まで真っ赤だよ」

二乃「 ! 」

風太郎「いやっ…これは…」

二乃「覚悟してねフー君♡」

 

モブ2「あれがM・A・Y(メイ)さんとS・E・C・H・S(ゼクス)さん……」

モブ3「誰がオーダー取りに行く?」

モブ2「お前行けよ」

モブ3「嫌だよ 怖ぇーよ」

風太郎「どこだ…?」

モブ2「ほら 三番のテーブルの……」

風太郎・二乃( ! )

 

風太郎と二乃が見た所には見覚えのあるピアスとアホ毛の人物がいた

 

二乃「あの 私行ってきます」

モブ2「中野さんすげぇ……」

モブ3「新人なのに根性あんな……」

二乃「チュッ」

風太郎「………っ仕事中だぞ……」

   (まさかな……)

 

 

二乃「なにしてるの?五月、六海……」

六海「えっ⁉︎二乃ねぇ⁉︎なんでここに……」

二乃「今日からここでバイト!」

六海「え⁉︎初めて知ったけど⁉︎ 切り替えてオーダーを…」

五月「じゃあ私はこれがいいです!」

六海「じゃあ俺はこれで」

二乃「はいはい ちょっと待ってなさい今持ってくるから」

 

 






【S・E・C・H・S】の由来はドイツ語の6から取っている   
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