【打ち切り】ダーリン・イン・ザ・フランキス:死の少年 作:らて丸
Side:イクサ
第26
みんなはその様子を見に行っているようだけれど、俺は今それどころではなかった
「貴方は昔からそう、言うこと聞いたかと思わせといて逃げ出したり、『さっき謝ったから』と言って命令違反するし…」
そう…
ナナに正座させられて説教をされているのである
2時間で終わりと予想していた説教はもうすぐ3時間に突入しようとしていた
「足痺れた…」
「貴方のその自由奔放さを見習いたいくらいね…」
「いやぁ…それほどでもないかな〜」
ゴツンッ!!
「褒めてないわよ」
痛い…知ってますかナナさん…
金属製のタブレッドで殴られるとありえないくらい痛いんですよ?
つーか、すごいデジャブ感がある
「でも…貴方のおかげで、イチゴ達の今がある。ありがとね」
恥ずかしそうに、そっぽを向きながらいうナナ
そうか、俺はイチゴたちを守れたのか
そう思うと、少し心が軽くなった気がする
ゼロツーの噂が本当だったら、俺はあと一回
でもミツルのように、全身から血が吹き出すようなこともなかった
案外嘘だったりなんて思ったりもしたいところだけど
胸の
さて…どうしたものかな…
◇
セレモニーは、盛大かつ厳粛に行われた
第26プランテーションからも、
そんな彼らは、俺たち第13部隊よりもずっと落ち着いた様子を見せていた
これが経験の差と言うやつなのだろうか
ゾロメもアレくらい大人しくなってくれればいいのに
そうミクが呟いているところを聞いてしまい笑いを堪えるのが大変だった
ミクよ、俺もそう思う
『諸君!!悍ましい叫竜たちはマグマ燃料を狙い大挙して襲ってくるだろう!!両都市の運命はパラサイト諸君にかかっている。君たちは強い!!必ずや勝利をもたらしてくれると信じている!!』
これまで、忌み嫌われ、遠ざけられてきた俺が、これだけ歓迎されると嬉しい気持ちももちろんある。
でも少しだけむず痒い気がするな…
高揚しているようであるが、それと同時に、大きな戦乱が刻一刻と近づいてきていることを思い知らせれているような気がした
◇
翌朝
「おーい、朝だぞ、起きろ〜」
声が聞こえる
この声は…ゴローか…?
「朝だって、早く起きないと遅れるz…ッ!!」
俺は、ゴローに触られて、初めて身体を起こす
やば…この間よりも、悪化してる気がする…
身体は、内側から燃えるように熱く、汗の量も尋常じゃない
しかし、今はみんなが頑張ってる
俺の不調で崩すわけにはいかない
「とりあえず、着替えろよ」
「ん、そうする」
洗面所へと向かい顔を洗う
お湯にしたつもりだったのに冷たい…
そのせいで、一気に頭が冷え意識が覚醒していく
「お前、さっきすごい熱だったぞ?」
「あ~、なんか嫌な夢見てたからじゃないかな。驚いてたんだろ」
適当な嘘だがゴローは俺が悪夢をよく見ることを知っているから
まぁ、誤魔化せるだろう
少し心が痛むけどな…
「お前、意外と身体弱いからな」
「うるせーよ、最近は別に平気だし。なんなら今すぐ叫竜を殲滅しに生きたい気分かな」
「す、すげぇな…」
これは嘘ではない
ゼロツーはなにやら叫竜を殲滅するのになにか目的があるみたいだし
それの手伝いができるなら戦いたいけどな
「まぁ、あんま無理すんなよ?」
「わかってるって」
「ほんとにわかってるのか?お前は昔っから無理ばっかするからな。ちゃんと俺たちのこと頼れよ」
イチゴと同じこと言わないでよ…
「気が向いたらそうするよ」
「おまっ…気が向いたらって…」
ため息をつくゴローを横目に俺はみんなのいるホールへと向かっていった
◇
「昨日のセレモニーすごかったね。私興奮してしばらく寝付けなかったもの」
「向こうの部隊のリーダーの人、いい人そうだったよね〜」
そうか?絶対俺たちのこと下に見てるだろ
いや気の所為だったらいいんだけどさ
ミクの逆鱗に触れたくないから言わないけど
一回第26部隊にはお世話になってるからな
CODE:090からしてみれば俺は仲間の仇みたいなものだからな
「ミクはああいう人と乗ってみたい?」
ミクはその言葉に、俺の方を一回ちらっとみると慌てたように
「う、ウチの男子に比べたらマシよ。そう思わない?ナオミ」
「どっちでもいいかな」
「えー、じゃあイクノは?」
「別に、興味ないから」
「おっ硬いこと…」
イクノは興味ないことはとことん興味ないもんな
でも、興味のあることはずっとやり続けてるからすごい根気があると思う
ちなみにこれを本人の前で言ったら分厚い本で殴られた。
しかも角で…
あの時は頭かち割れるかと思った
「それにしても、オトナたちに期待されると気持ちが高ぶるよな〜」
「うん!!俺たち必要とされてるんだ」
「諸君!!君たちは強い!!必ずや勝利をもたらしてくれると信じている!!」
ゾロメは立ち上がり、演説をしていたオトナのモノマネをする
ちょっぴり似てるのが面白い
みんなもふふふっと思わず笑ってしまっている
「そして、その勝利をもたらすのはオレだッ!!」
自信満々に言い切るゾロメ
「それを言うならイクサでしょ?」
しかし、イチゴが俺のことをあげる
「えぇ…?俺ぇ…?」
「確かに、そうね。この間の戦い大活躍だったもの」
「でも、調子の方は大丈夫なの?」
「あ~、調子はいいかな。なんともないよ」
その言葉にミクは安堵したかのように
「この様子だと、3回殺しの噂は嘘みたいね」
「異常に相性がいいか…ね」
「ははは、ありがと」
でも、きっと勝てたのはみんなのおかげだ
この間の戦闘で感覚は掴んだ
まだ腕に感触も、身体の中にゼロツーが入り込んできた感覚も残ってる
まだまだ俺はみんなに経験で劣っている
だから、もっともっと頑張らないと…
そうすると時計が7時を指し、鐘が重く響く
「ごはん!!」
謎のご飯といい続ける歌を歌うフトシを先頭に俺たちは食堂へと向かう
「ねぇイクサ、ちょっとまって」
「どうしたの?」
パチン…
首元を触られて驚いてしまい思わずイチゴの手を払ってしまった
「あ、悪い…痛くなかったか…?」
「ううん、へーき。襟が崩れてたから直そうと思って。一言言えばよかったね」
「あ、ありがと」
「全く、昔っからダラしないんだから」
ゴローもイチゴも今日は痛いところばっか着いてくるな
「この間の戦いさ、私のやりたいことよくわかったね」
「まぁ、付き合い長いし」
「イクサなら、なんとかしてくれると思った」
「信頼してくれてるんだな」
「まぁ、ミスしたら後で説教するつもりだったけどね」
うわ、ナナの説教の前にイチゴの説教が追加されるところだったのか
「おっかな」
「なんかいった?」
「イエ、ナニモ?」
「それでさ、その時の…「あ、ダーリン、おはよ!!」
イチゴの話を遮ってゼロツーが話しかけてくる
「おはよう、ゼロツー」
「こっち」
ゼロツーはそれだけいい、俺の手を引っ張る
あれでも、こっちの席って
「女子の席じゃん…」
しかも、ココロの席だし
「ゴメンな、ココロ。すぐ移るから」
「気にしなくても大丈夫だよ。私があっちに移ればいいだけだからね」
「そっか…なんか悪いな」
なんて優しいんだ
「さぁ、早く席について、お祈りの時間よ」
「
「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」
いつも思ってたんだが、このお祈りって意味あるのか?
ゼロツーに関しては我関せずでいつもどおり蜂蜜たっぷりの食事だ
「はい、ダーリン。あ~ん♡」
「う、うん。あ~ん」
「どお?美味しい?」
「うん、甘くて美味しい」
「ボクの分全部食べていいからね」
それは流石に食べきれないかな…
「いいな〜俺もやってもらいたいな〜」
「パートナーに頼めよ…」
「え〜?それなら相手はココロちゃんみたいなカワイイ子が…ってあぁ!!」
ココロはフトシにあ~んしていたのだ
なんで目の前でやってて気づかなかったんだ…?
「えへへ、真似っ子」
フトシはなんとも幸せそうな顔をしている
「なーによ、すぐ影響されちゃって!!」
「ヒッ!!」
ミクの鋭い眼光がゾロメに突き刺さる
ゾロメってつくづく可哀想だよな
「イ、イクサ…あ~ん…」
そんな事を考えていたら、イチゴがこちらに向けて林檎のジャムが塗られたパンを差し出してきた
「なッ!!イクサ!!あーん!!」
イチゴに触発されてか、ミクはブルーベリーのジャムが塗られたパンを口に突き刺してくる
「「どう?美味しい?」」
「もがもが…」
お二人さん、せめて1つずつにしません?
窒息しそうなんですけど
あのイチゴサン…満足したならいいんですけど助けてくれませんかね
助けを求めようとイクノの視線を向けても何故か睨まれたし
ナオミに視線を向けても苦笑いされて目を背けられた
その様子を見てゼロツーはずっと腹抱えて笑ってたし
みんなひどい…
◇
「ここではね、起床する時間なら、入浴する時間も、睡眠する時間も全部規則で決められている。その日の服も食事もすべてが用意されてるんだよ」
「ふーん」
「この森のすべてが俺たちパラサイトの数値調整に造られてる」
「そらに蓋がしてあるのも?」
「さぁ?でも、雨は降るんだ。天井になっている部分から水が降ってくるんだよ」
ぱぁ…っと顔を明るくすると
「なにそれみたい!!やってみて!!」
「ハハハ、俺じゃできないんだ。そこらへんはオトナたちが決めてるからね」
「ヤダ、いますぐ見たい。やってよ」
「今度タイミングがあったら、一緒に見よっか」
「うん、そうだね」
「じゃあ次はこっち」
ゼロツーの手を引き、俺の部屋へと案内する
「それにしても、なんでいきなりここを案内してほしいだなんて言い出したの?」
「ん?なんでって…ボクもここに住むつもりだからさ!!」
バムッバムッっとゴローのベッドの上で飛び跳ねるゼロツー
「え?」
「え?」
「ええぇぇぇぇええぇぇぇえ⁉」
ゾロメのリアクションが耳にキーンと来る
「なんで女子がここにいんだよ!!男子棟に入ってくんなよ!!」
「あぁ、悪い。俺が入れたんだ。すぐ出るよ。行こゼロツー」
「うん、今行くね」
タッタッタッっと俺たちは駆け足でその場をあとにした
Side:イクサ out
◇
Side:イチゴ
「しばらく、ゼロツーがここにとどまることになったわ。
「じゃあイクサも正式なパラサイトに?」
「そっちはまだ調整中。まぁ多分そうなるでしょうね」
リーダーとして大事な話があると言っていたので来てみたら
ゼロツーの第13部隊付きとイクサの正式なパラサイト認定が仮決定したとのこと
やった。
これでイクサと一緒に戦える
それでも、ゼロツーとはうまくやれる気がしないけど
でも、イクサがゼロツーのこと抑えてくれるはずだから…
「イチゴ、ゼロツーとはうまくやってね」
ナナ姉は私の心情を察してかそう言葉を投げかけてくれた
頑張らないとな
部屋から出るとゴローが出迎えてくれていた。
「なぁ、今日のイクサ、どう思う…?」
「そうね、あんなに楽しそうなイクサは久しぶりに見るかな」
「あぁ、でもさ、もし無理に明るく振る舞ってるだけだったら…」
イクサはそんな事しない…
確かに、独りで抱え込もうとする癖はあるけどその時は決まって余所余所しくなる
あと普通に嘘が下手
だから平気だと思うけど
「イクサがそういったの?」
「いや、素直に話す正確じゃないだろアイツ」
確かに話しはしないけどさ
「お前からも…!!「ゴロー」…ッ!!」
「イクサの心配もいいけど、ゴローは、自分たちのことちゃんと考えないと」
「どういう意味だよ…」
「次の戦いはこれまで以上に厳しくなる。パートナーのゴローがそんなふわふわしてたんじゃ、ナオミも全力出せないと思うな」
「おう…」
◇
「この部屋は好きに使っていいから。」
「ダーリンと一緒がよかったな〜」
「しばらくここにいるつもりなんでしょ…?だったらルールは守って、特別扱いはしないからね。それと、イクサのことよろしくね。」
彼女…ゼロツーが使うであろう部屋のベッドを整える
イクサのことしっかり守ってもらわなきゃだから…
「そんなの言われるまでもないよ。ダーリンはボクのモノなんだから」
ズキッ…
「イクサは誰のものでもないよ。」
「キミって偉そう」
「それはどうも…」
ダメだ。イクサが、この女と仲良くしてると心が痛くなる。
最近じゃ、イクサはミクとも仲が良さそうに見える
もう、ほんとうに無理だ…
Side:イチゴ out
◇
Side:イクサ
胃が握りつぶされたかのように、口から胃酸が吹き出す
それをサッと流し、汚れた口元をキレイにするために顔を洗い、鏡で自分の顔を確認する
「ハハッ…ひっでぇ顔…」
外された眼帯
隠されていた右眼は、金色に鈍く光っていた
しかし、今はその色は薄れている
なんでだ…
ズキッ…ズキッ…
と、思考しようとした瞬間、鼓動するたびに痛みが全身に走る
その原因は間違いなく胸の
はぁ…
あと一回
せめて最後まで…
戦いきらないと…
いや、まさかね、アニメ5話の前半だけで5000字行くとは思いませんでしたよ