【打ち切り】ダーリン・イン・ザ・フランキス:死の少年 作:らて丸
Side:イクサ
「ハァ…!!」
休暇の数日後
叫竜が出現したとの情報を受け、俺達はモホロビチッチ級の叫竜と戦闘していた
その見た目は頭を複数持つが、大して強くないな…
アルジェンティアが斬撃を入れる
よし、このあたりか…
「ココロ、砲撃ッ!!」
『うんッ!!』
ジェニスタは開かれた叫竜の口に砲撃を叩き込みよろけさせる
『よし!!このまま一気に畳み掛けるよ!!』
近づいて、攻撃を仕掛けようとする
しかし、その複数の頭から蒼い液体が散布される
『なにこれ、キモッ!!』
『まとわりついてくる…』
『あれ…でも…』
「痛くない…」
『うん、たしかに大丈夫そうね』
なるほど、殺傷能力はないのか…
『ただの見掛け倒しじゃん。よくもこんなばっちいのブッかけてくれたわね!!』
『みんな、もう一度作戦通りに!!』
しかし、突然ハニカム形状のモニターの隙間から、先程の液体が流れ込んでくる
それはゼロツーの身体に掛かる
それは徐々にパラサイトスーツを溶かす
みんなのところでも同じことが起きているようだ
とりあえず俺は席の後ろに隠してあったブランケットを掛ける
寒がりの俺からすれば、夜戦の時必須アイテムなのだ
スーツが溶けていることはまだ言わないほうがいいな。
今、女子を混乱させたら
みんなも、そのつもりのようで口を開かない
「ダーリン!!トドメ刺すよ!!」
「うん…!!」
スラスターを吹かし加速する
再び溶解液を飛ばしてくるが、クイーンパイクで拡散させる
「そんなものッ!!」
「「うおぉおおぉおぉぉぉおおおぉぉ!!」」
更に加速し、そのまま胴体を突き破った
槍の先端でコアを貫きながら
シューッと音をたて、溶解を続けるパラサイトスーツ
「あのさ、女子のみんな、落ち着いて聞いてほしいんだけど…」
『どうしたのよ、イクサ』
「パラサイトスーツが、さっきの攻撃で、溶けてるんだが…」
『『バカッ!!バラすなッ!!』』
へ?みんな、戦闘の邪魔になるから黙ってたんじゃないのか…?
『あぁ!?ミクのパラサイトスーツが!!』
『『『『『キャアアアアアアアア!!』』』』』
◇
戦闘終了後、俺達はセラススに戻ってきていたのだが
女子と男子には軋轢が生まれていた
「誤解だッ!!言わなかったのは戦闘中に余計な心配させて、集中力を切らせたくなかったからで…」
俺もそう思っているが、ゾロメとフトシは違うっぽい…?
「俺は、ココロちゃんがとってもキレイだって思ったんだッ!!本当の気持ちだからッ!!」
その言葉にココロは顔を真っ赤にする
「くだらない…」
そう言うとミツルは帰っていってしまった
逃げたな…
「ていうか別によ、見られて減るようなもんじゃねぇだろうが」
「ハァ!?今なんつった!?」
ゾロメ、今のはマズいって…
「み、みんな待って」
ヒロは止めようとするがミクとゾロメの論争は終わらない
「その分、イクサは優しいよね。ゼロツーに真っ先にブランケットかけてあげたらしいじゃない」
「普通そうするだろ」
「それに比べて…アンタたちは…」
でも、ブランケット持って行ってたの俺くらいだし…
しょうがないって言ったらしょうがない気もするけどな〜
しかし、まだ何やら言い合っているよう
「お前は可愛くもねぇだろうが!!」
「なっ!!」
ミクにそう言い放つゾロメ
俺はこの瞬間、このあとなにが起こるかが予想できた
ミクは涙目で顔を真っ赤にすると、その右手を振り上げた
あ…ゾロメ死んだな…
バシィ!!と鈍い音だけが、広いデッキに響いた
Side:イクサ out
◇
Side:イチゴ
シャワールームで、私達は体についた汗や溶解液を流していた
「あんな目で、ミク達を見てたなんて…あ、まさかこの前の海で遊んだときも!!」
「男子なんてそんなもんだよ」
「最悪ッ!!キモすぎ!!」
「やっと連携が取れてきたのに…コレは部隊の指揮にも関わる問題だよ」
「確かにね…」
「みんな、ちょっと落ち着いて…」
「もう嫌だッ!!」
いきなりミクが大声を出す
な、なに…?
「これ以上男子なんかといたくない!!決めたわ、辞めるのよ」
ミクは仕切りから身を乗り出し、私達を見つめてくる
「?」
「男子との共同生活を…!!」
Side:イチゴ out
◇
Side:イクサ
場所は戻ってミストルティン
寄宿舎のちょうど半分を分けるかのように、白いテープが貼られていた
な、なにごとだ…
「いーい?男子がこっちに入ってくるの禁止ね」
なるほど、規制のテープね
「か、勝手に決めてんじゃねぇ!!おかしいだろ!?」
そういい、ゾロメは早速白いテープを越えようとした
しかし、その瞬間、全員の女子から冷たく鋭い視線が向けられる
「ゾロメぇ…そこ跨いだら、ただじゃおかないから?」
怖ぁ…
その視線にビビってしまったのか、ゾロメは足をゆっくりと戻す
どうすんだよ。お風呂も入れないじゃん…
Side:イクサ out
◇
Side:ナナ
『それは思春期じゃな』
モニターの向こうに映るフランクス博士はいう
「ですが、一つの部隊でこれだけの人数が思春期になる前例は過去にありません」
「これまでの統計でも、思春期になるのは、精々1人か2人です」
類稀な今回の例
イクサといい13部隊は例外が多すぎる
「今回の場合、ほぼ全員。明らかに異常です」
『実に、興味深いじゃないか』
「APEのマニュアルによれば、早期介入して自体を収束させるのが望ましいですが…」
フランクス博士は顕微鏡を覗くのをやめ、こちらを見る
『なにをいうか、それではテストチームの意味がなかろう。このまま様子見して、逐一状況知らせるように。くれぐれも手を出したり、ジジイ共に報告などせぬようにな』
そういうと、通信が切れモニターが消える
ま、また頭の痛くなる問題が増えた……
Side:ナナ out
◇
Side:ミク
「さっきの男子の顔見た〜?いい気味ぃ〜」
ミク達はベッドに腰掛けて談笑していた
そうすると、イチゴが外の方を気にする
なにかあるのかしら?
「どうしたの?」
イチゴの視線の先をみると、イクサがゼロツーと話していた
しかもぴったりくっついて…
もやッ………
なぜか胸のあたりがモヤッとする
不整脈かな…ゾロメにあんな事言われたし
もしかして、ゼロツーのこと…
いいや、イクサも男子!!許しちゃダメ!!
「あとは、あの子だけよねぇ…」
お風呂の掃除のために階段を下りながら考えているといきなり玄関のドアが開かれる
「「「「ヒィッ!!」」」」
そこには、パンツのみを身に着けたゾロメとフトシ、それにヒロとゴローまでいた
その体はなぜか濡れていてタオルを肩にかけている
「ちょ、ちょっと!!なにしてんのよ!!」
「風呂に入れないから水浴びしてきたんだよ。気持ちよかったぜぇ〜?」
だ、だからといって…
「ふ、服くらい着なさいよ!!聞いてんの!?」
「俺達の陣地でなにしようと、俺達の勝手だろ?」
なっ…なんなよのこいつっ…
「ウ〜キャキャキャキャキャキャッ!!」
そう猿のモノマネをしながらゆっくりと上へと登っていくゾロメ
「ぐぬぬ〜」
◇
「な〜に〜よ〜あ〜れ〜ッ!!」
「挑発してるんでしょ…」
「ヒロあたりは無理やりやらされてたんでしょうけど」
「ゴローの入れ知恵だろうね。ゾロメとフトシじゃ、あんなこと思いつくはずないから」
「アイツらが楽しく水浴びして、こっちはお風呂掃除だなんて不公平だわッ!!」
ミクはプクーと頬を膨らませる
もう、思い出したらイライラしてきた…
「しょうがないよ〜」
「ここを男子に使わせないって決めたのは私達の方なんだし…」
そうなんだけど…
「そうだけど〜…はぁあなんで掃除だけ自分たちでやらなくちゃいけないだろ〜?食事や洗濯みたいに、見えないお世話係さんがやってくれればいいのに〜」
そうさけんでいると…
「おーい、ミク〜、イチゴ〜。掃除手伝わなくて大丈夫か?」
唐突にイクサの声が聞こえた
「イクサ…?」
「アンタの手伝いなんていらないわッ!!どっか行ってて!!」
言ったあとに気がつく…
つ、つい強いこと言っちゃった
「そうか、じゃあなんか手伝えることがあったら言ってくれ、力仕事とかあるなら、男手があったほうがいいだろ?」
「う、うん。ありがと」
イチゴがそう返したけど…
ゴーン、ゴーン…
そろそろお昼の時間ね
お腹空いてきたなぁ…
Side:ミク out
◇
Side:イクサ
「悪いが、ここは俺達が占拠した。女子のテープは貼ってなかったからな」
お、オトナ気ねぇな…ゴロー
俺が見てない間にこんな事になってたなんてな…
まぁ、こうして美味い昼飯にたどり着けてるわけだけど…
「あぁ〜、うんめぇ〜!!今日の飯は格別だぜぇ〜!!」
「ズルいぃ!!人でなしぃ〜!!」
「ハハハ…」
ミクたちも空腹で悶えている
あとで、届けたほうがいいかな…
「確かにな、じゃあお互い勝手に作ったルールなしにして、一緒に飯にしよう。な?」
「罠だ」
「うん、だね。ミクッ!!行っちゃダメ!!」
ミクはイチゴとイクノに取り押さえられて、引きずられていく
さらば、ミク…
そんななか、ゼロツーは我関せずに食堂の中へと入り、俺の隣に座る
「やだぁぁああぁあぁぁぁ!!」
ミクの魂の叫びが寄宿舎のなかに響くがそれでも、二人は引きずっていく
「頑固だなぁ…」
◇
「早めになんとかしないとだよなぁ…」
「ダーリンはそう思う?」
「それは、そうだろ?叫竜がくれば、協力せざるをえない。そんなときにこんな感じだったら勝てる戦いも勝てなくなる」
「ボクは逆。むしろ生ぬるいくらいさ」
ゼロツーはそういうと、指の先でボールをくるくると回している
「どうしたもんかねぇ…」
空に向かって伸ばされた俺の手は、ただ虚しく空を切るだけだった
Side:イクサ out
◇
Side:イチゴ
「お腹すいた〜」
「誰のせいだか…」
「だからこうして食べられるもの探してるんじゃん!!」
ナオミとミクがにらみ合っているが、気にせずに階段を下る
「初めて来たけど、一階ってこうなってたんだ…」
そのまま、通り過ぎようとしたが2つの扉に目が行く
『KEEP OUT』と書かれた規制線が扉を封鎖するように貼られている
「封鎖されてる…」
「使われてないのかな?」
すこしばかり、気味が悪い
ケンカしてなければ、こんな思いもしなくて済むのに
「このケンカ、いつまで続くんだろう」
「私は…ずっとこのままでいいかな?」
「え?」
イクノはそういうとそのまま黙り込む
しかし、それも長くは続かなかった
「んへぇ!?」
「なにかを隠してる味だ…」
気づけばニヤリと笑うゼロツーがイクノの後ろに立っている
「な、なにッ!?」
ゼロツーはそのままくるりと来た道を戻ろうとする
「待って!!」
「?」
ミクが引き止めるまでは
Side:イチゴout
19話です。
~お知らせ~
『ダーリン・イン・ザ・フランキス:死の少年』をご愛読の皆様、お久しぶりです。
本作の作者のらて丸です。
長い間、本作は休載という形になっていましたが、本話をもって打ち切りとさせていただきます。
最後まで書くことができず、申し訳ございません。
現在、本作をベースとしたリメイク作品を1から執筆中です。
書き始めたばかりなので投稿がいつになるかはまだ決まっていませんがなるだけ早いうちに投降したいと考えております。
19話までとなっておりますが、本作は削除はせずに残しておきたいと考えておりますので、もしリメイク版が投稿された際には「あ!ここが変わってる!」など読み比べて頂けたらな~と思っています。
長い間、ご愛読のほどありがとうございました。またいつかお会いしましょう!
台本型式が良いか…?
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あり
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なし