【打ち切り】ダーリン・イン・ザ・フランキス:死の少年   作:らて丸

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Episode.3

Side:イクサ

 

 

 

俺たちコドモが知らないその行為

 

 

彼女は、ゼロツーはそれをキスと呼んだ

 

 

 

叫竜の襲撃から一夜たった今、

 

入隊の儀の続きが小規模で行われた

 

あの胡散臭い七賢人(パパたち)やオトナは来てないけどな

 

俺とゼロツーが繋がった、あのストレリチアと呼ばれた紅い『FRANXX(フランクス)

 

俺はあの後からの記憶が無かった

 

しかし、体に感覚は残っている

 

 

だから俺は信じている

 

 

あれが俺の力だと…

 

彼女が言っていた眠っている力だと…

 

 

だからこそ…

 

なにがあっても戦い抜く

 

そう決めた…いや…

 

 

()()()()()()…彼女と出逢ったときから…

 

 

 

 

 

 

彼女と出逢った湖畔

 

 

そこで少し本を読んでいたときだった

 

CODE:703(ナオミ)から『朝食の時間だよ』と呼び出しを食らってしまった

 

 

すこしだけ戻るか悩んだあとなんかゼロツーに会える気がするという謎の第六感を信じ

 

みんなのもとに戻る

 

玄関前へと行くと、そこにはイチゴがいた

 

「にゃにゃん♪お前はこの辺の子なのかにゃん♪」

 

と黒猫に話しかけているイチゴが玄関に座り込んでいる

 

俺が近づいてたのを察してか猫はイチゴのもとを離れこっちへと来る

 

この猫を俺は抱き上げ、イチゴに近づく

 

「どうしたの?イチゴ」

 

「イ、イクサ…戻ってたんだ…」

 

「まぁ、もうすぐ朝食だし…それにイチゴがいつも出迎えてくれるから」

 

イチゴは恥ずかしそうにすくっと立ち上がると

 

「だって毎朝誰よりも早く起きてどっかフラって行っちゃうんだもん」

 

「そう?」

 

「そうだよ‼それにイクサは居づらいかもだけど残ることになったんだから堂々としてればいいんだよ?」

 

「別に…気にしてはいないかな?」

 

しばらくの沈黙

 

そしてその沈黙を破ったのは…

 

 

イチゴだった

 

 

「あのFRANXX(フランクス)は…イクサが動かしてたの?」

 

その問いに対する答え…

 

それは…

 

「どうなんだろうな… よく覚えてないんだ… だから…」

 

「だから?」

 

 

「もう一回乗って確かめる」

 

イチゴは驚いた顔でこちらを見つめる

 

それと同時に俺の制服の袖をギュッと握りしめる

 

 

ダメだよ…

 

ボソッと消え入るように何かを呟いたイチゴ

 

しかしその声は俺には届かなかった

 

「早くしないと、折角の朝ごはんが冷めちゃうよ。行こ」

 

俺の袖を掴むイチゴの手を無理やり掴み引っ張って玄関を通り過ぎる

 

「ちょ、ちょっとまってよぉ…」

 

困ったような、恥ずかしいようなモゴモゴとした声で反抗するイチゴ

 

ドアに手をかけようとした

 

それと同時に食堂の扉が開いた

 

「おい、イクサ急げ!!例の子食堂に来てるぞ…!!」

 

CODE:056(ゴロー)の言葉に俺とイチゴは目を丸くする

 

「マジで!?」

 

「ゲッ…」

 

俺の表情が明るくなるのに対してイチゴは不機嫌になっていた

 

それと同時にイチゴは俺の脇腹をギリギリと抓り始めた…

 

「イチゴサン?痛いんですけど…」

 

「ふん…」

 

プイッとそっぽをむいてしまった

 

 

 

 

 

 

ゼロツーは朝食を一足先に食べ始めていた

 

ベーコンに蜂蜜をたっぷりかけて…

 

その様子を見てミクは気持ち悪そうにそれを眺めていた

 

それを見てCODE:703(ナオミ)も苦笑い

 

 

美味しそうに食べてるけど…

 

甘くないのかな

 

そうそう、お肉って蜂蜜に漬けてから焼くと柔らかくなるらしいね

 

知ってた?

 

「なんか聞いてた話と違うね」

 

ねぇ、CODE:214(フトシ)。お前、今さり気なく俺のパン一個取った?

 

まぁ…あんま食べないからいいけどさ…

 

「せっかくの美人も台無しだな…」

 

あのゴローも苦笑い

 

「まぁ…楽しそうでいいんじゃないかな?」

 

CODE:016(ヒロ)はニッコリ明るく言う

 

 

俺はゼロツーに視線を戻す

 

それにしても…

 

あれだけ傷だらけだったのにもう治ってる…

 

“叫竜の血を引いた少女”…か……

 

まぁ異形と言われてるのは俺と一緒か…

 

食事を楽しんでるゼロツーを見ていると彼女に近づく影があった

 

「やぁやぁやぁ…キミの腕前は見せてもらったよ…よかったらこの俺様が一緒に乗ってやろうじゃんか…」

 

CODE:666(ゾロメ)… ボクは彼が苦手だ… 何かと俺をキチガイ野郎とかイカレ野郎などと言ってくる

 

ひどいよね いやほんとに

 

「あ〜んな、イカレ野郎よりもうまくやれる自信があるぜ〜?」

 

ほら言ったよコイツ

 

しかし今の俺は心中は、終始穏やかだった…

 

なぜなら、アイツが不用意にゼロツーに話しかけて無事なわけがない

 

そう、主に…

 

「あ"あ"あ"あ"‼なにすんだよ‼俺様の一張羅が‼」

 

衣類!!

 

蜂蜜まみれのあの手を見ればわかる

 

それにこれまで見た感じゼロツーは興味のある相手とじゃなければつるまない

 

そう、今のゾロメは丁度いいところにオシボリが近づいてきた程度にしか思われていないのだろう

 

哀れなりゾロメ!!

 

 

そんな二人を横目に俺は食事を続ける

 

今日もサラダが美味いな

 

ゼロツーは俺の視線に気がついたのかお皿を持ちながら席をたち、俺の方へ歩いてくる

 

「甘くて美味しいよ。一緒に食べよ♪」

 

そして俺の椅子に…正確には俺の膝の上に座った

 

「―――‼」

 

桜色の長い髪からするいい匂い

 

蜂蜜とはまた違った甘い匂い

 

それが鼻腔を刺激する

 

何故か心拍数が上昇するのを感じる

 

なんなのだろう…これは…

 

 

「なぁ、ゼロツー。俺はあのときしっかりストレリチアに…フランクスに乗れていたのか?」

 

指についた蜂蜜を舐め取るゼロツーに尋ねた

 

そしてフフ…とだけ優しく微笑むとゼロツーは俺の顎を指で撫でながら答える

 

「ちゃんと乗れてた。素敵だったよ?ダーリン♡」

 

耳元で囁かれ、ゾクゾクと体が強張る

 

び、びっくりした…

 

カツンッ…

 

食器とナイフが当たる音が静寂に響く

 

「「「「「「「「だ、だーりん?」」」」」」」」

 

「って、なに…?」

 

「私も知らない…」

 

「ってか!!俺様のことを無視するなよ!!」

 

自然と頬が緩む…

 

そうか…俺はやっぱ飛べてたんだ‼

 

少し微笑んでいるだけの俺…

 

だが内心めちゃくちゃ喜んでいた

 

すると突然、ゼロツーは食器を置くと体をこちらへ向けてきて、向かい合うような形になる

 

「ぜ、ゼロツー。近い…」

 

「ボクは、これくらいがイイんだけどなぁ?いいでしょ?ダーリン♡」

 

ガチャッっと、ドアが開かれる音をする方に全員、視線を向ける

 

新しい来訪者。それは俺達の世話係。ナナが入ってきた

 

「はーい、そこまでよ!!」

 

バンッっと持っているタブレットで俺の頭を叩くナナ

 

「痛ェッ!!」

 

知ってるか?タブレットって金属製なんだぜ?

 

そんなので殴ったらダメでしょ!!

 

あの胡散臭い七賢人(猿共)に教わらなかったの!?

 

俺達も彼奴等には教わってないか…

 

というか、今の悪いの絶対ゼロツーでしょ…

 

「あっ、ナナさん!!」

 

なんとガーデンのときから引き続きAPEのパラサイト管理官として来たらしい

 

 

ゼロツーは蜂蜜まみれのものを食べさせてくる…

 

しかしこれが嘘偽りなく案外行けるのだ

 

ちなみにフトシがチャレンジして見事にダウンしていた

 

 

「それとゼロツーは基本あなた達とは別行動よ」

 

「え〜」

 

驚いたな…

 

蜂蜜まみれの朝食よりもナナが管理官なことよりも

 

そっちのほうが驚いた

 

「ナナさんもう一度確かめたいんです…ストレリチアに乗せてください」

 

「それは貴方に決められることじゃないわ」

 

むぅ…やはりか…

 

「貴方にもおって賢人(パパ)たちから指示が出るから大人しくしていてちょうだいね?」

 

そう言うと、この場を去っていった

 

少し変な空気だけを残して…

 

 

 

Side:イクサ out

 

 

Side:ゼロツー

 

 

 

ナナとゼロツーの移動中

 

「勝手な行動を取られては困るわ…」

 

「ダーリンと食事してただけだよ」

 

不満気にボクは返す

 

もうすこし、ダーリンといたかったな…

 

「パラサイトたちとの接触は控えて…あの子達には貴女は刺激が強すぎる」

 

「この中は息が詰まるなぁ…」

 

見つめる先はオトナたちが生活する黄金色に輝く街だった

 

 

 

Side:ゼロツー out

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