【打ち切り】ダーリン・イン・ザ・フランキス:死の少年 作:らて丸
この場にいるすべての者が感じる
あの紅き獅子の再来なのだと
違うとすれば全身は蒼くそして一対の尾を持ち合わせている"龍"であること
「Ahaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」
劈く龍の咆哮
それは姿は彼の叫竜を連想させる姿
「お、おい!!なんなんだよこいつ!!どうなってるんだよ!!」
「わからない!!けど今は止めるしかないんじゃない⁉」
突然の変化にたじろぐゾロメとミク
しかし、彼らの身に容赦なく爪は振り下ろされる…!!
◇
「CODE:013のためにか…?」
「ですが…現在CODE:015に意識はありません‼」
「ならば…彼が…一人で…」
フランクス博士は興味深そうに…
ひとりでに嗤っていた
その状況をまるで楽しんでいるかのように…
◇
模擬戦専用の警棒型の鈍器…
それで応戦するアルジェンティア
しかし爪による斬撃…長い尾による刺突…
武器とはいえども所詮は模擬戦用
耐えられるわけもなく初撃は受けきれたが追撃の刺突で真っ二つにへし折られる
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」
アルジェンティアが殴打されるたびに喉が潰れるほどに叫ぶミク
一歩、後ろに退いた…瞬間、アルジェンティアの腕をデルフィニウムは食い千切った
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」
先程よりも遥かに大きな声で苦しみを露わにするミク
「ミク!!ゾロメ!!ソイツは無理だ!!一旦退け!!」
「そうしたいけどよ!!距離を離せない!!」
「イクサのバカ野郎…なにイチゴに負担かけてんだよ…」
普段、一番冷静な判断をしているゴローだが誰も知らないところで一番苛立ちを覚えていた
◇
Side:イチゴ
「う…うぅ」
頭の痛みと、右眼に違和感を覚えながら体を起こす
目の前のモニターにはグチャグチャにされていくアルジェンティアの姿
そしてコックピット内はむせ返るような鉄の匂いと、紅くなった壁、そして前と後ろからは耳を塞いでも絶え間無く聞こえてくる断末魔
私は思考を巡らす
後ろ…?
後ろには誰がいる?
恐る恐る振り返り様子を伺う
目に写ったのは…
「イ、イク…サ?」
眼帯が外された右眼からは血涙が流れ、本来白目である部分も紅く染まっている
それだけではない…
口からも、鼻からも鮮血を流しながら狂う少年の姿
「モットダ!!モット寄越セ!!オ花ガ咲クヨ?ボ、ボク…赤好キ!!ア、ア、蒼ハドコ?逃サナイ!!潰レ…ロ?キヒッ!!ボク?ワタシ?キミ?オレ?護ラナキャ?!コ…壊ス!!ボクガキミノ?ナンダッケ?マァイイカ?イマハ楽シク!!ナッ!!ナッ、ナナッ、嬲ラナキャ!!壊レチャエ?」
彼の瞳からはいずれ、一筋の涙が零れ落ちる
血涙と混ざって、桜色の涙が流れる
「たす…けて…」
その言葉でハッとする
彼が自分のことを話すことはあまりないことを思い出す
そうだ…
ずっとそうだ
目の前の少年
彼の瞳に映るのは狂気 苦しみ 怒り そして………大きい悲しみ……
「ハァ…全く、見た目はすっごく変わってるのに、内側は全然変わってないね…いっつも一人で抱え込んで、いっつも一人でどうにかしようとして…」
イクサがストレリチアに乗ったあの日
私の視界の端に写ったキスと呼ばれるその行為
それの意味も知らないけれど…
私は…
彼の血で真っ赤になったこの狭い空間で…
彼を抱きしめ…
彼と唇を重ねた…
Side:イチゴ
◇
Side:イクサ
「アレ…イチ、ゴ…?」
優しくほほえみ、俺の事を抱きしめるイチゴ
「おかえりなさい、イクサ…小さい頃にも言ったよね?一人で抱え込まないでって…少しは頼ってよ…」
その声は震えており、ギュッと抱きしめる力が強くなる
「ごめんね…とりあえずここから出ようか…」
ぐっと力を入れ立ち上がろうとする
しかし、立ち上がれずにそのまま倒れ込む
「あ……れ………?動けな…い?」
「イ……イクサ……?」
体は動かなくなり、だんだん体温が冷たくなる
あぁ…寒いな…
目の前には泣き崩れるイチゴ
本来であれば不可能である
さらにその状態での
反動に寄る出血多量
すべての情報を処理する脳のオーバーヒート
様々なダメージにより俺の体は限界を迎えていた…