【打ち切り】ダーリン・イン・ザ・フランキス:死の少年   作:らて丸

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Episode.7

Side:イクサ

 

 

 

あぁ……これは夢だ………

 

 

冷たい水の中…

 

 

流れに抗おうと、上に向かって泳ぐ

 

 

しかし、前には進めない

 

 

唐突に、後ろからギュッと抱きしめられる感覚がある

 

 

振り返るとそこには、白い肌に桃色の髪の毛、そして2本の紅い角の少女

 

 

その表情は柔らかく俺に向かって微笑んでいた

 

 

ゼロツーは俺を追い抜かし、上へ上へと登っていく

 

 

『ゼロツー!!待って!!俺にはキミが必要なんだ!!』

 

 

手を伸ばせど届かない

 

 

光の指す水面へと登ろうとする

 

 

しかし、唐突に肩が掴まれる感覚

 

 

それと同時に、ゼロツーはモヤのように消え、光は消えてしまい周りは真っ暗闇になる

 

 

そして俺の肩に手を添えているであろうモノから声がする

 

 

『やめておけ…アレはお前を壊すだけだぞ?』

 

 

ギリッっと歯ぎしりを鳴らしながら俺は肩にかかった手を振り払い後ろを振り返る

 

 

『誰なんだよお前!!お前に何がわか…ッ!!』

 

 

『誰?とは、面白いことを聞くんだな』

 

 

そんなはずはない

 

 

俺は全身から吹き出るように汗が流れる

 

 

なんなんだよ…

 

 

なんなんだよコイツは…ッ!!

 

 

『見ればわかるだろう?お前は、私なんだから』

 

 

ニヤリと嘲笑う顔

 

 

髪は黒く、白い眼帯を左眼に着け、晒されている右眼は鈍く青色に光っている

 

 

その体つきは女性そのものである

 

 

その姿はまるで、全て反転させたような

 

 

俺自身であった…

 

 

 

 

 

 

「うわぁあぁぁあ!!」

 

驚きのあまり俺は声を挙げながら起き上がる

 

しかし、目の前にあったミクの頭にゴツンッ!!と音をたてながら激突してお互いに頭をおさえる

 

「痛ッいわねぇ!!なにすんのよ!!」

 

「わ…悪い…」

 

鼻腔にツンと突き刺さる消毒の匂いと、ピッ…ピッ…と一定のリズムで刻まれる電子音

 

そして自らの腕から伸びた2本の透明なチューブ

 

その元には薬品の入った袋と紅い液体が入った袋が一つずつ

 

その中身は絶えず俺の内側に入り込んでくる

 

点滴…

 

それに輸血か…

 

つまりここは…

 

「医務室の中…か…」

 

置いてあった果物のバスケットを漁り、目ぼしいものを見つけたのか取り出し口元に運ぶミク

 

俺はミクに催促し、みかんを向き食べ始める

 

「それにしてもお前が俺の看病してたのか?俺はてっきりお前には嫌われてると思ってたけど」

 

「別にアンタのことが心配でやってるんじゃなくて、ただ当番制だったからよ」

 

照れくさそうにそっぽを向いてしまう

 

「だとしてもありがとう 助かったよ」

 

「な、なによ!!いきなり!!全く…そ・れ・と、あんたもうちょい早く眼ぇ覚ましなさいよ…私の前イチゴだったんだから私より心配してたわよ」

 

「なるほど少しは心配してたのか…」

 

ミクは俺と話しながらお茶を飲んでいたが、俺の言葉とともに口に含んでいたお茶を吹き出した

 

「ゴホッ、ゴホッ…そこなの!?じゃなくて…後でイチゴにも顔だしなさい」

 

「ん、わかった。あとさ…悪かったなその腕…」

 

俺は包帯の巻かれたミクの右腕を気にする

 

「大丈夫。精密検査を受けたけど誰も骨は折れてなかったわよ。アンタ以外ね…」

 

「俺骨折れてる?」

 

とくに身体に違和感は無いが…

 

その言葉に俺のことを信じられないようなもので見つめると俺の腕を掴む

 

「アンタ、まさかなにも感じてないの?」

 

「あぁ…問題なく動くけど…」

 

そうするといきなりミクは俺の腕に巻かれた包帯を外し始めた

 

そしてペタペタと触って俺の腕が折れてないことを確認する

 

「ホントだ…ありえない方向に曲がってたのに…完全に治ってる」

 

「そろそろいいか?」

 

不思議そうに腕を触り続けていたミクだったが、俺の言葉にハッとしてか、慌てて腕を離す

 

「そういえばさ、俺…どんくらい寝てた?」

 

真剣な面持ちでミクに尋ねる

 

「4日間くらいかな?とりあえず賭けは私の勝ちね」

 

「おいこら 不謹慎なことで賭け事してんじゃねぇよ」

 

なんで人が何日で目覚めるかで賭けしてるんだよ

 

泣いちゃうよ?俺

 

「あはは‼アンタもそんなこというのね。ハーおもしろ」

 

「いまのに面白い要素なんてあったか?」

 

「とりあえずアンタが起きたってことみんなに伝えてくるから」

 

そういい、扉を開けて駆け出すミク

 

寝っ転がって天井を見る

 

そういえばもうすぐで8年くらいか 名前をもらってから…

 

 

 

 

 

 

〜8年前〜

 

「名前?」

 

「僕 自分で自分の名前つけてるんだ!!僕はヒロ!!」

 

「どうして私がイチゴなの?」

 

「CODE:015。15(イチゴ)だから!!」

 

「それが私の名前…」

 

向かい合う少年少女

 

そこの輪に入るもうひとりの少年

 

「なにしてるの?」

 

そこに現れたのは黒い髪に、右眼を眼帯で覆った少年

 

「今ね!!ヒロに名前を付けて貰ったの!!」

 

「そっか、よかったね」

 

ニッコリと優しく微笑む眼帯の少年

 

「ねぇねぇ、CODE:013もヒロに名前つけてもらったら?いいよね?ヒロ!!」

 

「うん!!もちろん!!CODE:013だから…イッサはなんか違うし…」

 

「イクサ…、イクサなんてどうかな?」

 

イチゴは眼帯の少年の腕を引く

 

「イクサ…か…。いいなまえだね」

 

他のコドモたちも集まり、『名前を付けて』と彼らにねだる

 

そこに遅れてもう一人…

 

一人の少年がやってきた

 

「僕にも…名前付けて…」

 

「ふふ、僕で大丈夫ならいいよ」

 

「うん…!!イクサに付けて欲しい!!」

 

 

 

あれ…?この子は…誰だっけ…?

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