はぁ、本当に暇…やることも無いし。
大学受験が終わった頃、湊 陽向みなと ひなたは暇と寂しさに打ちひしがれて居た。
時間は有り余ってるのに、今まで熱を注いでいた勉強も、最早必要無くなり。ただ無駄な時間を過ごすだけになっていた。
趣味と言えばゲームと、最近始めたTwitterを巡回する事くらいだった。ただ、ゲームをするのにもとても疲れたし、一応、学校もあるから寝ないといけない、そんな夜。
ふと、寂しさを感じて、寝付けないことが増えた。
彼女はおろか、まともに友達すら居ない陽向に、その寂しさを埋めてくれる人間なんか、居る訳もなく。
どんどんと寝不足気味になってゆくのだ。
転機が訪れた、というかたまたまその日常から離れる日があった。大体11月くらいから始めたTwitterで、陽向と仲良くしていた、凪さん、というフォロワーさんとの関係だった。
元々同じゲームが趣味で、時々一緒にゲームしたり、雑談等して楽しく過ごしていたんだけれど、彼女からお誘いがあったのだ。
良かったらお電話でもしませんか、ってね。
ぼっちでコミュ障だったのもあり、全然自信なんか持ってなかったし、テンパっていたが。人肌恋しい夜に誘われて、その流れのままOKしてしまった。
ふーっ、と一息吐いて電話のコールボタンに手を伸ばす。
ただ、伸ばした手もこわばっていた。何故なら、自分から通話をかけることなんか無くて、凄く緊張していたから。
そーやってモゴモゴしている間に、凪さんから電話がかかってきた。当然慌てて電話に出て。
「ぁ、もしもし…き、聞こえてますか?」
あ、やばい…どもった。これだからいつも…っと後悔するのもつかの間。
「聞こえてますよ、そんなに焦らないで大丈夫だからね?」
と、綺麗な透き通った声で…え、、女の子だったの?
まって話が違う…てか可愛い…と、己の中で身悶えして。
「あはは、びっくりしちゃった?大丈夫、ひなくん?」
ひなくん、って言うのは僕のTwitterの名前だ。
というかほんとに可愛い声してる…
「だ、大丈夫でしゅ…まさか女性の方だと思ってなくて、ビックリしちゃって…」
あやば、噛んだ…もう、ばか…ほんと恥ずかしいっ!
「ふふ、噛んじゃってる。かわいいねー、ひなくん。
私が女なの、他の人にはバレたくないから秘密にしといてね?」
可愛いって言われた…この人あれだ、狡い人だ。
一瞬のうちに冷静さを失い、頭の中がショートしかける陽向。
「か、可愛くなんてないと思うんですけど…大体、僕なんかが可愛かったらひなさんの…」
なんか変なこと言っちゃったやばい、こんなの僕に言われても気持ち悪いよね…あー、どうしちゃったんだろほんと。
これだから人に避けられるのにっ…
「え〜?そんなこと無かったけどなぁ、?まあそういうことにしとく…最後、なんて言ったの!?なんかすごいこと聞こえた気もするんだけど!」
「そういうことにしとくじゃなくてそう、ですから。
別になんとも…ただそっちのが…かわいいって…」
心臓がおかしくなりそう、こんななんかドキドキしながら話すのも、少し楽しいのも。初めてだから、これだけでも楽しくて仕方ないと同時に、少し怖い。
「あははー、言われ慣れないなー。ありがと、ひなくん?」
「はい…どういたしまして。
そーえば、どうして急に通話なんか…?」
「そーそー!せっかくだからさ、こーやってゆっくりお話してみたかったの。ゲームの話だけじゃなくて、色々お話したいなー、って思ったんだけど…だめ?」
「別に、嫌じゃないですよ。というか、嬉しい、です。ありがとうこざいます」
「いえいえー、ひなくんとは仲良くしたいー!って思ってたしね?」