異世界怪物放浪譚   作:逸般ピーポー

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tips
ゴブリン
異世界の怪物の中で最弱クラス。群れで暮らしていることが多い。


1

気が付けばゴブリンになっていた。

 

俺がゴブリンになったことに気が付いて、はや一週間。だんだんと自分やこの世界について分かったことが出てきた。

まず自分。もとは人間だったこと、男だったこと。しかし記憶は思い出せず、うろ覚えな知識やハッキリ分かることがまばらで、しかも前世らしきものからだから、この世界で通用するかは甚だ疑問だ。あてにならないと考えた方が良いだろう。

今の自分は、最初に見つけた泥水の川でも見たとおり、醜悪な顔をしたゴブリンだった。肌が緑色なことに気が付いてから、もしかして人外か?とは思ったが、悪い方の予感ほどよく当たる。

その後一日か二日、ひたすら森を彷徨ってやっと見つけたきれいな湧水。そこで喉を潤し(というかガブ飲みし)、そのせせらぎで見えた自身の姿はまさにゴブリンだった。ブサイクな顔。尖った耳。緑色の肌。ちなみに持ち物はなし。腰布(ボロ)一枚のみ。せめて手斧くらいくれたって良いじゃないですかやだー!

あと、この身体は飲食を必須とする。ゴブリンって元は妖精なんだから飲食無しでワンチャン…と思っていたが、飲み水なしで二日はさすがに死ぬかと思った。つまり水は必須。

で、食べ物について。これは比較的楽だった。辺り一面、というか、彷徨い歩いた限りひたすら森。なので、ブルーベリーみたいな色の手のひら大の実?らしきものがまぁまぁ美味しく、腹持ちもいい。で、これがチラホラある。ただし取ったらしばらくは生えてこないので(取って次の日とその翌日もなかったから場所移動した)、考えなしに取ると無くなる。でも保存がきくようで、二、三日たった実も美味しく食べられた。腹痛もなかったし。

あと、なんかコウモリみたいな奴。こいつらが集まっている場所がたまにあり、こいつらがむしゃむしゃいける。動物性タンパク美味しいです。二、三匹で腹六分目、五匹も食べれば腹一杯である。なんかこう…シャクシャクしてる。で、こいつらたまに一匹でフラフラ飛んでるので、運が良ければ捕まえることが出来る。ただ鬱陶しいのが、こいつら俺をおちょくるようにフラフラ飛ぶのだ。こっちへ寄って来たかと思って近づくと離れるし、戻ると近寄る。ナメてやがる…!

あ、あと人間にも遭遇した。と言っても遠くからだったし、近づく前に隠れたから、ほとんど接触はなかった。で、なんか話してるのは分かった。よく聞こえなかったが。

あと、三匹のゴブリン達にも出会った。で、俺はどうやらゴブリンの言葉は分かるのに、ゴブリン語は喋れていないらしい。

一応そいつらの会話と様子から分かったこととして、俺が目覚めてから移動した側と反対方向に、十匹にはいかない程度の群れが居るらしい(両の手まではいかない、とか言っていた。ちなみにゴブリンの指は五本ある)。ちなみに人間達を見たのはその後なので、そのゴブリン達が生きてるかは知らん。で、俺が話しかけてもギィギィいう音で無理矢理日本語を話そうとしてる、みたいな感じにしかならず、ゴブリン達の言葉とは違うみたいだ。俺の耳には違いがさっぱりわからんが、やはりネイティブは違うのだろうか。

そのゴブリン達はみな、そこらへんで拾える木の枝や棒を持っていたので、その後俺も手頃な木の棒を拾った。腐ってたから捨てた。最悪石拾って投げれば良いし…。

そう思ってたが、その後遭遇した怪物達を見て俺も武器ほしいなーと思った。

多分今の俺が身長1.5メートルくらいなのに対して、俺よりも体長の大きそうなトカゲ。ドラゴンかと思ったけど、他の場所でも見たので多分ただのトカゲ。デケえけど。噛みつきの音がバッチンバッチン言っててヤバかった。一発で死にそう。

で、そんなトカゲを余裕で捕食する怪鳥。翼を広げたら15メートルくらいあるんじゃのえのって大きさの鳥。幸いにして気付かれなかったが、接近されるまで気付けなかったあたり、あれはおそらく天性の捕食者だ。コワ。とづまりすとこ…。ちなみに今の俺の住処は何もない横穴である。戸締りもなにもねえ。

 

そして、そんな俺の目の前には、さらなる厄ネタがあったのだった。

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