ぼっち・ざ・へゔぃめたる   作:怜哉

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ヘヴィメタルはまだ癌には効かないが、そのうち効くようになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近、気になっている人がいる。

 

 

 いや別に、恋愛的な意味ではなく。

 まぁ確かに相手は女の人(異性)だが、決してそういう意味ではなく。

 

「お、新しい動画上がってる」

 

 夕飯を食べ、風呂に入り、寝る前にちょっとギターを弾くかと自分の部屋に戻ったところで、スマホにきていたYouTuberからの通知に気がついた。

 

 このYouTuber...いやYouTuberじゃないのか?

 ギター弾いてみた動画の配信者さん。

 この人が、俺が最近気になっている人だ。

 

 名を、ギターヒーロー。

 最高にイカしたネーミングセンスの持ち主である彼女は、ギターの演奏も最高だ。

 

「最近は流行りの邦楽が多かったけど......おっ! 久々のメタルじゃん! にしてもエド〇イて、お前ほんとそういうとこやぞ。大好き♡」

 

 ドイツのメロディックスピードメタルバンド、エド〇イ。

 日本ではあまり知名度はないが、ちゃんとHR/HM界隈に首を突っ込んだ人間であれば大抵が知っているであろう超大物バンドだ。

 ハ〇ウィンやア〇セプトに次ぐ『ジャーマンメタル第三世代』といえば分かるだろう。は? 分からない? 愚者め、勤勉たれ。

 

 そう、何を隠そう俺はHR/HMをこよなく愛する者、俗に言うメタラーだ。

 

 そして彼女、ギターヒーローもメタラーだ。

 いやまぁ「メタルも知ってる」ってだけかもしれないが、弾いてるんだからメタラーでいいだろ(暴論)

 

「やっぱ上手ぇなぁ、この人」

 

 動画を見たが、いつも通りべらぼうに上手い。

 ピンクジャージのギターヒーロー。顔も年齢も知らないが、彼女のギターを聴いているとこちらまでギターを弾きたくなってくる。

 

「うっし、俺もエド〇イの弾いてみた動画上げてみよ〜」

 

 愛妻ギター《スポポビッチ》を手に取り、俺はルンルンで動画を撮り始めた。

 

 

 

 ✿ ❀ ✿ ❀ ✿

 

 

 

 

 最近、気になっている人がいる。

 

 

 いや別に、恋愛的な意味ではなく。

 まぁ確かに相手は男の人(異性)だけど、決してそういう意味ではなく。というか私が恋愛なんて烏滸がましい。

 

「...あ、また動画上がってる」

 

 普段ほとんど鳴ることのないスマホの通知音が、薄暗い押し入れの中で反芻する。

 

 このYouTuber...いや、YouTuberっていうのかな?

 ギターの弾いてみた動画の配信者さん。

 この人が、私が最近気になっている人だ。

 

 名を、Kaiさん。

 本名をそのままハンドルネームにしている、どことなく陽の匂いがする人だが、ギターがものすごく上手い。陽だとか陰だとか、そういうのが一切気にならなくなるくらいには。

 

「今日のは...あ、エド〇イ...私と同じ...も、もしかして、私の動画見てくれてるのかな...? はは、そんなわけないか。偶然だよね」

 

 私は別に、メタラーってわけじゃない。

 中学の時にハマったけど、私なんかがメタラーなんて言ったら、全メタラーの皆々様に嬲り殺しにされる。

 

 けど、彼は紛うことなきメタラーだ。

 というより、音楽に詳しい。HR/HMに傾倒してるけど、そのほかのジャンルにも精通している...と思う。弾いてみたのジャンル的に。だってこの前の動画ではラリー・カー〇トン(ジャス・フュージョン系の曲)を弾いていたし、その前はYOAS〇BI(J-POP)を弾いていた。

 

「やっぱり上手いなぁ、この人」

 

 今日の動画を見たけど、いつも通りすごく上手い。

 今人気のアイドルバンドの『公式の男』こと、オリジナルバンド《Capliberte》の()ギター担当Kaiこと、関口海さん。

 テレビへの露出もある上にYouTubeで自ら晒している彼の顔は知っているし、少しネットに潜れば通っている大学や実家の住所まで出てくる。

 

 現代ネット社会の恐怖を感じる。私も身バレには気をつけよう。

 

 

 

 ✿ ❀ ✿ ❀ ✿

 

 

 

 バンドマンと言えば下北沢。もはや聖地とまで持て囃される街に、俺──関口海は降り立った。

 

 時刻は午後三時。

 五月になり、最近ようやく高くなってきた太陽は未だ南西の空で燦々と輝いている。

 

 バイクを駐車場(コインパーキング)に停め、俺はフルフェイスのヘルメットを取った。

 あー、風が気持ちいい。風薫る五月とはよく言ったもんだ。梅雨なんて来ずにずっと五月ならいいのに。

 

「さて。箱はどっちだ?」

 

 パーキングの料金を払い、ポケットからスマホを取り出す。

 今日の目的地である箱──ライブハウスの位置を、地図アプリで検索した。右か。

 

 しばらく歩き、目的のライブハウス《STARRY》の看板を見つける。

 階段を下り、店内に繋がる扉を引き開けようとし、

 

「ガッ──!」

 

 内側から勢いよく開かれた扉で顔面を強打した。

 ライブハウス内の音を遮断するための扉だ。さすがに重い。星が見えたわ。

 

「え? うわぁあ!! ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか!?」

 

 鼻を抑え、三歩ほど後退りした俺に謝罪し、心配する声がする。

 謝ってきてるってことは、この人が扉を勢いよく開けた張本人なんだろう。クラクラする視界で声のする方を見る。

 

 ちくしょう、本当に痛い。

 こんなんただ謝っただけで済む話じゃ────

 

「ほんと、ごめんなさい! あたし急いでて、ちゃんと確認してなくて...」

 

 ───金髪美少女、だと...!?

 

「っあー...大丈夫だよ。俺、頑丈だから」

 

 どこか幼さの残る金髪美少女。高校生、もしかしたら中学生か?

 俺の趣味とはだいぶ違うが、それでも美少女は国が守るべき至宝だ。当然、俺の命よりも美少女の方が優先される。よって美少女たる目の前の金髪少女は無罪。

 あーあ。俺も美少女になりたいなぁ。

 

「で、でも、血が...!」

 

「血?」

 

 どこか切ったっけなと思い、とりあえず手のひらを見てみる。

 ...ドン引きするくらい血がついてた。赤超えて黒いが?

 けど、別に手を切った様子はないし、当然痛みもない。痛いっつったら顔面、鼻頭くらいだが......あ。

 

「鼻血かこれ」

 

 汚れていない手の甲を鼻に当ててみると、しっかり血がついていた。

 

「ど、どうしよう!?」

 

「ダイジョーブだって。ティッシュ詰めときゃそのうち止まるから」

 

 全然大丈夫じゃないしめちゃくちゃ痛いが、金髪ちゃんに心配をかけないよう見栄を張ってみる。

 まぁ相手は美少女だからね、かっこつけちゃうのは仕方がないね。

 

「それより、なんか急いでるんだろ?」

 

「あ! そうだった、ギター!」

 

「ギター?」

 

「ごめんなさい! 後で必ず謝りに戻りますから〜!」

 

 言って、金髪ちゃんは階段を駆け上って行った。

 なんだろ、ギター忘れちゃったのかな。もしかしたら今日のライブの出演者なのかもしれない。

 

 昨日池袋の駅前で貰ったポケットティッシュをバッグから取り出し、棒状にして鼻に詰める。

 ちょっと...いやだいぶダサいが仕方ない。床を血で汚すわけにもいかないからな。

 

 気を取り直して、俺はライブハウス《STARRY》に入った。

 

「こんちわー」

 

 扉を閉めつつ、中に向かって挨拶をする。

 誰に会うにしても挨拶は大切だ。挨拶さえしてればコミュニケーションは花丸と言っても過言ではない。過言か。

 まだライブの始まっていないライブハウスの中は照明で明るく、ライブハウス特有の暗い感じがない。

 

「あん? 誰だお前」

 

 奥にいた怖い系のギャルギャルしいお姉さんが反応する。

 こっわ。でも綺麗。アホ毛が可愛らしい金髪美女だ。

 

「臨時のバイトで来た関口です〜」

 

 ある程度の親しみやすさを出すため、少し間延びした声で返答する。

 

「あー、お前が(のぞみ)の弟か。来てくれてありがとな。今日はよろしく」

 

 少しダウナーな感じだが、決して嫌な感じではない。

 金髪美女が近付いてくるので、俺もゆっくり歩み寄った。

 

「あたしがここの店長の伊地知星歌だ。今日はうちのPAが熱出して休んでてな。助かるよ、弟くん」

 

 この人、伊地知星歌さんは俺の姉ちゃんの知り合いだ。元バンドマンで、なんでも『御茶ノ水の魔王(サタン)』の異名を持っているらしい。

 なんだよ魔王って。かっこいいじゃねーか。

 

「ところで、その鼻のティッシュはなんなの?」

 

「名誉の負傷です」

 

 でもやっぱりPAが鼻にティッシュ詰めてんのはちょっとダメかもな。

 

「店長、マスクありますか? 鼻隠したいので」

 

「名誉じゃなかったのか」

 

 姉に劣らず変なやつだな、といいながら伊地知さんはカウンターの棚からマスクを取ってきてくれた。

 姉ちゃんと同じ扱いをされるのは遺憾だな。名誉挽回の為にも、仕事を頑張ろう。

 

「もうすぐリハが始まる。来て早々悪いけど、頼むな」

 

「了解っす」

 

「機材の扱いは大丈夫か?」

 

「経験あるんで大丈夫っす」

 

 一度お辞儀をし、PA卓に行く。

 良かった、触ったことのある機材だ。これなら問題ない。

 マイクを繋ぎ、大きすぎず小さすぎない音量に調節してからアナウンスを開始する。

 

『今日PAやらせてもらいます、関口っす。よろしくお願いします。そんじゃあ早速リハ始めたいんで、一バンド目の方々、準備お願いします』

 

 さて、いっちょお仕事頑張っていきますか。

 

 

 

 ✿ ❀ ✿ ❀ ✿

 

 

 

 憂鬱だ。

 

 私──プランクトン後藤こと後藤ひとりは、ため息すら吐くことのできない緊張と後悔に見舞われ、ゴミ箱の中に盾籠っている。

 

「ひとりちゃん出てきてー! 本番始まっちゃうよ!」

 

「ななな、何度言われても無理です! 今日のところはお帰りくださいぃ!」

 

「ここあたしの家なんだけど!?」

 

 可愛らしいJKの伊地知虹夏ちゃんに誘われるがままにここまで来てしまったけれど、私なんかがライブに出ていいわけがなかった。

 画面越しじゃない人前で演奏するとか、ミジンコ以下の私には無理無理の無理。

 一応、『ギターヒーロー』名義でそれなりにギターの腕には自信があった私だけど、いざバンドとなると勝手が全然違うし、控えめに言ってもド下手くそだ。

 

「や、やっぱりここは私のハラキリショーで手を打ちませんか......」

 

「ある意味ロックだけど! ロックすぎるよ!」

 

 あはは私の命なんて他人様の前で散らす価値もないよね押し入れの中も不動産の人に迷惑がかかるし誰も立ち入らないような樹海の奥地でひっそりと大地の肥やしになります今までありがとうございました。

 

「人の目が怖いんだったら、これに入って演奏する?」

 

 樹海までのルートを検索していると、クールでかっこいい山田リョウさんがダンボールを持ってきた。

 とりあえず入ってみる。

 

「! こ、これは...いつも弾いてる環境と同じです! これなら...!」

 

「ひとりちゃん、どんな所に住んでんの?」

 

 押し入れです。

 

「みっ皆さん! 下北を盛り上げていきましょう!」

 

 イケる! ここなら私、輝ける!

 

「まぁひとりちゃんがいいならいいんだけどさ...あ、そういえば。ひとりちゃん、名前どうする?」

 

「な、名前ですか...?」

 

「うん。ほら、自己紹介しなきゃだし。本名でもいいけど...なにかあだ名とかない?」

 

 あだ名...あだ名?

 

「ちゅ、中学の時は『おい』とか『あの〜』とか...おいちゃんですどうぞよろしくお願いします」

 

「それあだ名じゃなくない!? え、なんか泣きそうになってくるんだけど」

 

「ふむ...ひとり......ぼっち...あ、ぼっちちゃんは?」

 

「またデリケートな所を!」

 

「! ぼぼぼぼぼっちです!」

 

「あダメ、涙出てきた」

 

 やったー!! 人生で初めてあだ名つけてもらっちゃった! リョウさんいい人!

 えへへ、今日は記念日にしよう。初あだ名記念日。

 気分がいいしダンボールにも入ったし、ライブもなんとかなりそう!

 

「あっ、そういえばまだバンド名聞いてなかったです」

 

「うっ」

 

 虹夏ちゃんが何か苦い顔してる。なんで?

 

「結束バンド」

 

「え?」

 

「バンド名。結束バンド。傑作、ププ...」

 

「ギャー!! ダメ! ダジャレ寒いし絶対変えるから!」

 

 仲良さそうな感じがして私は好きだけど...

 

「結束バンドさーん、そろそろ出番なんで準備お願いしまーす」

 

「あ゛ーッ!」

 

 赤面して悶える虹夏ちゃん。

 現役JKは何してもかわいいなぁ。私とは大違いだ。

 

 

 

 ✿ ❀ ✿ ❀ ✿

 

 

 

 

 照明が消え、暗くなったライブハウスにSEを響かせる。

 次のバンドは結束バンドと言うらしい。なかなか面白いネーミングだ。親近感を感じる。

 

 SEに関しては特に要望がなかったため、テキトーに最近流行りの曲を流しておいた。

 高校生の時なら間違いなく誰も知らないようなメタルを流していたが、俺ももう大学生、酒もタバコも嗜める立派な成人男性だ。場をシラケさせるような真似はしない。

 

 にしてもこのバンド、リハの時ドラムもギターもいなくてベースしか音取りしてないけど大丈夫か? こっちで勝手に調整するけど、文句とか言われても知らねぇからな。

 

『どうもー! はじめまして、結束バンドでーす!』

 

 ドラムの子が元気いっぱいに声を張る。

 あ、あの子さっき入口でドアパンチしてきた子じゃん。このバンドの子だったのか。

 

 ...おい、なんかダンボール出てきたんだが? ギター生やしてやがる。なんだあれ、ロックすぎるだろ。

 

『じゃあ一曲目、いきまーっす!』

 

 俺だけでなく会場全体の理解が追いつかないままに、演奏が始まった。

 やべ、なんも調整してない。ベースの音デカいな。もうちょい下げ...いや上げるか。ギターのリズムがめちゃくちゃだ。外はほどほどに、ベースの中の返し*1を大きめにしておこう。

 

 

 決して上手くはない。高校生レベルで言っても普通かそれ以下。ベースは上手いけど独りよがり。ドラムのリズムキープは甘いし、ギターはなんかもう、残念だ。

 けど、ギターは初心者って感じのミスじゃない気がする。コードは綺麗に鳴ってるし、ミスタッチが多いわけでもない。

 これはアレか。一人ではそこそこ弾けるけど、バンドとして『みんなで演奏する』ってことに慣れてないパターンっぽいな。そういうやつはたくさん見てきた。

 

 こういうタイプは最初が肝心だ。

 なまじ一人で弾ける力があるだけに、バンドでボロボロな演奏をしてしまって心が折れる人もいる。

 傲慢なタイプなら「俺とこいつらとじゃレベルが違うから演奏が噛み合わないんだ」的な思想に陥ってメンバーを否定し、挙げ句バンド仲間が周りからドンドンいなくなっていつしか自分も消えていく、ってパターンもある。

 

 後者みたいなやつは知ったこっちゃないが、前者だった場合は可哀想だ。ライブが終わったくらいでちょっとフォロー入れてみるか。

 

『ありがとうございましたー! 結束バンドでした!』

 

 少し考えている間に演奏が終わる。

 上手くはなかった。だが、楽しんでいたと思う。

 ギターはダンボールを被っているのでちょっと分からないが、ドラムの子もベースの子も、やりきった顔をしている。

 

 こういうバンドは好きだ。

 売れる売れない、上手い下手の前に、まずは音楽を楽しむこと。そういう気概のあるバンドは伸び代がある。

 

 高校時代、同級生がやっていたとあるガールズバンドを思い出しつつ、舞台袖に帰っていく彼女らを見送る。

 

 ...ダンボール、引きずって帰っていったな。ほんとになんなんだアレは。ロックとか超えて怖いわ。

 

 

 

 

 ...

 ......

 .........

 

 

 

 その後も問題なくライブは進み、アンコールを受けた最後のバンドも無事に演奏を終えた。

 今朝突然姉ちゃんに言われて急遽PAをやることになった時は多少焦ったが、案外なんとかなるもんだな。楽しかった。

 

 ライブの熱狂に充てられていた客たちも、ぽつぽつハケてきた。

 完全に客がハケたら機材を片して、今日の仕事は終了だ。

 打ち上げとかあるのかな? まぁ俺は臨時のバイトだし、声は掛けられないかもしれないが。

 

「PAさん! お疲れ様でした! 今日はありがとうございました!」

 

「お疲れ様でした」

 

 シールドを八の字巻きしていると、後ろから声を掛けられた。

 一度作業を止めて振り向く。

 

「ん、お疲れ様です〜。あ、キミら結束バンドの子か。良かったよ、青春を感じた」

 

「ホントですか!? ありが...ああーっ!」

 

 ん?

 なんだ、ドラムの子が突然叫んだぞ。幽霊でも見えたか? ...やめて怖い。俺ホラー苦手なんだから。

 

「さ、さっきの...! 昼はごめんなさい! 血、大丈夫でしたか...?」

 

 ああ、なんだ、そういうことか。

 

「大丈夫だよ。血もすぐ止まったし」

 

 そういやマスク付けっぱなしだったし、ティッシュも詰めたままだったな。取るか。

 一旦後ろを向き、マスクを外してティッシュを取る。

 うっわ、めちゃくちゃ赤黒いな。人によっちゃセンシティブ判定食らうぞ。誰かに見られる前にポケットに入れちゃお。

 

 マスクとティッシュをポケットに突っ込み、再度振り向く。

 未だ申し訳なさそうにしているドラムの子に「ほんとに大丈夫だよ」と言ってから、ふと周りを見回す。

 

「あれ? そういやギターの子は? あの完熟マンゴー仮面」

 

「マンゴー仮面!?」

 

「ぷぷ...」

 

 お、元気になった。

 そうそう、活発系美少女は元気が一番。ずっとそうあってくれ。それで助かる命もあるんだ。

 まぁ俺は年上包容力お姉さんで命繋いでるけど。

 

「ぼっちちゃんは帰っちゃいました。人と話しすぎて疲れたからって」

 

 まじ?

 早いな。まだ片付けも終わってないのに。打ち上げとかないのか?

 

「私も眠い。帰りたい。帰る」

 

「ちょ、リョウ!?」

 

 自由な子だな。自分の世界を持っている、非常にバンドマンらしい子だ。

 

「お疲れ様。俺は臨時のバイトだからもうここでPAとかする機会はないかもだけど、キミらのこと陰ながら応援してるよ。頑張ってね」

 

 それだけ言って、俺は片付けに戻る。

 この子らには悪いけど、結束バンドを見るために俺がここに来ることはないだろう。確かに良いバンドではあったが、わざわざ金と時間を払ってまで見に来るかと言われれば、そうでもない。

 だったら地元で幼馴染みや知り合いたちのライブを見たいしな。

 

 ギターの子のことは少し気になるけど...まぁそこまで俺が干渉するようなことでもないだろう。

 

 

 この子たちが今後も音楽を続けていれば、そのうちどこかで会うこともあるはずだ。

 

 そう思いササッと片付けを終わらせて帰路につ──こうとしたところで店長から打ち上げに誘われたので俺はホイホイ着いて行った。

 お酒がとってもおいしかったです!(小並感)

 

 

 

 

 んで翌日。

 俺はなぜかまたこのライブハウス、《STARRY》に足を運び、その上なぜかステージでギターを弾くことになった。

 なんでや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
演奏者の方を向いているスピーカーから出る音。




読んでくださりありがとうございます。
評判良ければ続けます。暗に『感想をくれ』『高評価もくれ』と言っています。烏滸がましいですね。でも欲しいのでください!
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