今年もよろしくお願いします!
前回後書きで「元旦は休むぜ!」とか言ってましたが、なんか書けたので投稿します。
あの日、私は逃げ出した。
見栄を張ったのだ。
自分の欲望を叶える為、それが誰かに迷惑をかけるなど考えもせず。
慢心したのだ。
大抵のことは上手くこなせるという意味も中身も無い自信から、
夢を馳せたのだ。
『特別な才能』を持たない私を変えることができるかもしれないと。
───その結果が
目も当てられない、笑えもしない。
私は、私が望んだモノに手を伸ばしたはずだった。そこには確かに、私の欲しいモノがあったはずだった。
それを、私は自分の手で粉々に砕いてしまった。愚かな虚栄心で大好きな人を裏切った。
ぐるぐると思考が廻る。
──なんで、私は「やれる」なんて言ったんだろう。
──なんで、もっと早くに真実を打ち明けなかったんだろう。
──なんで、私には特別な才能が無いんだろう。
──なんで、なんで、なんで、なんで、なんで。
巡る思考、膨張する罪悪感と後悔。
爆発しそうなくらいの悔悟が寝ても醒めても頭から離れないので、そのうち私は、考えるのをやめた。
✿ ❀ ✿ ❀ ✿
「いやまぢパないっすよ! パねぇ! せっきーパイセンまぢパねぇ!!」
「あ、はい。うぇーい」
「目ぇ死にすぎだしwwwwwwwwやっぱパねぇwwwww」
なんだこれは。
耳を
チャラチャラとした、という言葉を全身で全力で表したようなこの男。俺より歳下だという赤髪のこの男。
品性なんてものは俺も持ち合わせてなどいないが、そんな俺をして『品が無い』と断言せざるを得ない、このチャラ男。
こいつこそが、俺が今日から働く店舗の“店長”なのだという。
ちなみに先程から「パないパない」と煩いが、何が「パない」のかは一切不明だ。仮に俺が何か仕事として優秀な面を見せていたとするのならまだ理解できないこともないのだが、今日はまだ
ついでに俺を「せっきーパイセン」と呼んでいる理由も不明だ。俺とお前は友達か? 違うだろ。
聞きたい事は山ほどあるが、聞いたところでまともな返事が返ってくるとは思えない。
見た目で判断しているわけではなく、この数時間で見て取れた彼の性格から、俺はそう判断した。
一時間の遅刻から始まり、勤務中のスマホ弄り、トイレに籠ってのサボタージュ、商品のつまみ食い、細かいところで言えば制服の気崩しなど、今どき小学生でも理解しているような「やってはいけないこと」を連発しているのだ。
そも遅刻の時点で運営責任者としての自覚に欠ける。よしんば遅刻は良しとしても、その後の勤務態度が酷すぎる。
「店長」
「なんスかww」
ヘラヘラしてんじゃねぇぞこのパリピ野郎が。
その赤髪
手が出そうになったところで、一度大きく深呼吸をして怒りを抑える。
ここでこのクソパリピ野郎を沈めるのは簡単だ。なにせ俺はとある金持ちお嬢様の
その経験を活かせば、このクソパリピ野郎程度であれば余裕を持って勝つことが出来るだろう。
しかし、暴力で解決、なんてのは理性ある現代人のすることではない。
人間は言葉を扱う生き物だ。もっとスマートに、理知的に、話し合いを用いて問題を解決するべきだ。
「
「ヤバwww厨二かよwwwww」
あ?
「こちら、店長の中学の卒アルです。地方出身なんですね? 黒髪メガネで大人しそうな見た目じゃないですか。今とは大違い。中学卒業と同時に親の転勤で上京。真面目一辺倒から一転、俗に言う高校デビューを果たしたわけですか。さてこの卒アル、貴方の今のお友達に見せてみたら面白そうなことが起きそうですが」
「申し訳ございません。真面目に働きます」
これだからパリピは嫌いだよ。
✿ ❀ ✿ ❀ ✿
パリピ店長は、パリピだが根は真面目だった。
高校デビューでヤンチャな悪友とつるんだ結果あんな残念な感じになってしまったらしいが、少し調教すれば随分とマシになるだろう。明日からが楽しみだ。
まぁパリピが嫌いなことに変わりはないけどな。
自分らで楽しんでいる分には全く構わないが、他人に迷惑をかけ始めたら終わりだ。
でもそういう“声がデカいだけの奴”ほど出世するんだよな。腹の立つことに。
「パイセン! お疲れ様でした!」
「パイセンじゃねーから」
「では先生!」
「先生でもねーから」
巫山戯ているのか真剣なのか、少し判断に困る態度で頭を下げてくるパリピ店長。普通に名前で呼んでって言ってるのにな。
あー、やだやだ。
調教は楽しそうだけど、絶対に忙しくなるしSAN値はゴリゴリ削られそう。ほら見ろ、バイトの女の子がドン引きした目でこっちを見てるだろ。
ごめんね。出勤初日で店長にブチ切れた上に敬語使わせてる他店店員とか怖いよね。キミ含め真面目に仕事してる人には厳しくしないから俺。安心して欲しい。そして辞めないで欲しい。
女の子へのフォローはまた後日にしようと誓い、店の鍵を閉める。
時刻は二十三時。店を閉めるには早い時間だが、今日はもう店仕舞いだ。
なぜか。人がいないからである。客じゃなくて店員側の。
これはパリピ店長のミスだ。何を考えていたのか、二十二時以降のシフトが俺とドン引きの女の子の二人だけだったのである。自分は帰る気でいたのが本当に腹立たしい。
この店は高校生のバイトが多く、平日の朝昼や二十二時以降が極端に手薄になってしまうのが問題だな。フリーターや大学生をもっと雇わなければ。
とまぁ今後の採用方針は後々考えるとして、今日のところはとりあえず店仕舞い。
唯一残ってくれていた女の子も、終電があるとかでこれ以上は働けないとのことだったので仕方がない。
「それじゃあ師匠! 俺も帰ります! お疲れ様っした!」
「師匠じゃねーよ」
「うっし! 歌舞伎町行こ〜!」
「明日朝六時開店だからな。分かってんのか」
「だーいじょうぶですって! 俺、寝坊しないんで! 寝ないから!」
絶対大丈夫じゃない。
が、仏の顔も三度まではあるらしい。俺は仏じゃないのでそこまで寛容ではないが、本人が「大丈夫」と言っている以上、今日は放っておこう。
これで明日も遅刻したら帝〇グループの地下強制労働施設にでも送ってやろうか。いやさすがにやり過ぎか。でも何かしらの重い罰は与えよう。
あー、ホントにやだ。
なんで一介のアルバイトでしかない俺がここまで気を揉まなきゃいけないんだ。......いや、ほんとになんでだ? ここまでやる必要ないよね、普通に考えて。
仕事放棄でもしてやろうかという思いが一瞬
気が重い。
こういう夜はツーリングをするに限る。
山道はさすがに危ないが、海沿いなんかは気持ちが良い。湘南くらいまでブッ飛ばそうかな。
そう思い、バイクを停めているパーキングに向けて歩き出す。
「どうしよう...もうお金ないよぉ......二年分のお小遣い...お年玉...私の、二年分.........」
「き、喜多ちゃん! あの、なんだ、ほら! ド、ドンマイ!」
「というか、なぜ買う時に店員に止められなかったのか。ギターが欲しいって言ったんでしょ?」
「あ、いえ...なんとなくカッコよかったので...これください! って......」
深夜に相応しくない、何やら若々しい声が聞こえてくる。
大学生だろうか。会話の内容全部が聞こえたわけじゃないが、何やらギターの話をしてるな。ちょっと気にもなるが、ここは下北。バンドの一つや二つ、その辺を歩いていてもおかしくない。
何となく伊地知ちゃんの声と似ている気がするが、きっと気のせいだろう。時間は二十三時半過ぎ。こんな時間に高校生が出歩いてるとか、普通にありえない。
「...あれ? あ、海さん! お疲れ様ですっ、お仕事帰りですか?」
伊地知ちゃんに似てるじゃねぇや、伊地知ちゃんじゃん。
何やら軽い足取りで駆け寄ってくるが...キミ、高校生だろ。この時間の外出は補導対象のはずだけど?
「こっ......お疲れ様。今仕事終わったとこだよ」
さっきまでのパリピ店長とのやり取りのノリで説教が出そうになったが、すんでのところで言い留まる。
高校生になってまで説教なんて、ましてや大して親しくもない歳上からの小言なんて、絶対に聞きたくなんかないだろう。
というか、別に俺が彼女を怒れる立場なわけでもなし。そんな権利は持っていないし、何より俺自身高校生の頃に深夜徘徊をしたことがあるからな。
「あたし達もバイト帰りです! 今はみんなを駅まで送ってるところで」
「ども」
「あっ、その、えと、あっ、お、あ、おっ、おおおお久しぶりです!」
気だるそうな山田ちゃんに、挙動不審な後藤ちゃん。二人とも、会うのは一ヶ月ぶりくらいか? いや、伊地知ちゃんとも今日の昼に会っただけだけど。
どもどもとテキトーに挨拶を返すが、一人、初めて見る子が目に入る。
今日一日嫌になるほど視界に映っていたパリピ店長と同じ赤髪で、楽器ケースを背負った女の子だ。
「えっと、初めまして...だよね?」
少し不安になり、弱気の疑問符を付けてしまう。
人の顔を覚えるのには自信があるが、忘れてしまっていることだってある。見たところ結束バンドと仲が良さげだし、もしかしたらSTARRYで顔を合わせたことがあるのかもしれない。
「......え、あ、はいっ! 初めまして! 私、本日結束バンドのギターボーカルに就任させて頂きました! 喜多っていいます! 喜びが多いって書いてキタって読みます! よろしくお願いしますねっ!」
うわ何、なんか眩しいんだけど。夜明け?
なんかアレだな。ランダムスターの猫娘とかお嬢を思い出すな、この子。
「あ、うす。よろしく。関口っす」
突然の発光にビビってしまい、だいぶ素っ気ない返しになっちゃったな。
でも仕方ないだろ。バンドマンみたいな“陰”に生きる人間にとって、自己発光する人間なんてものは対極に位置する存在だ。普段混じり合うことなど無い。天敵とまでは言わないが、“陰”側に住まう人間は光属性の人間に対して勝手に劣等感を抱くように設計されているんだ。
ほら見ろ。後藤ちゃんなんて耐性が無さすぎるからか、幼稚園児が書いた似顔絵みたいになってるぞ。え、てかそれホントに大丈夫? なんか変な病気とかじゃない?
「喜多ちゃん喜多ちゃん。この人、誰だか分かる?」
「? 関口さん、ですよね?」
ニヨニヨとふやける口元を手で隠しながら、伊地知ちゃんが問いかける。喜多ちゃんは伊地知ちゃんの質問の意図が分からず、ついさっき聞いたばかりの俺の名前を口にした。
それを見て、伊地知ちゃんの口角が更にふにゃける。
意地が悪い。自分も最初、俺の事は分からなかったっていうのに。
「ふっふっふー。聞いて驚くがいい! なんとこの人、関口海さんは! あのCapliberteのギタリスト、Kaiさんなのだー!」
なんで伊地知ちゃんがそんなに誇らしげなんだろう。
というか恥ずかしい。普通に恥ずかしい。そんな大層な人間じゃないんだって、ホントに。だからそんなキラキラした目でこっち見ないで。「言ってやったぜ」みたいな顔しないで。ほんと、お願いだから。顔がほんのり熱くなってくる。
「かぷりべるて...かいさん......」
呟く喜多ちゃん。かぷりべるての発音が可愛いと思いました(小並)
ふふんと鼻を鳴らす伊地知ちゃん。喜多ちゃんはぼんやりと口を開き、こちらを見てくる。
ふと思い出すのは、先日の後藤ちゃんや伊地知ちゃんの反応。騒音とまではいかないが、それなりに大きな声で反応してくれていた記憶がある。
時間帯的にも今ここであまり大きな声を出すのは勘弁して欲しいんだが......いや、この感じは大丈夫そうだな。
「──......って、誰ですか?」
「「......へっ?」」
後藤ちゃんと伊地知ちゃんの声がハモる。タイミング完璧だったな。
「そんなバカな...」なんて呟く後藤ちゃんだが、喜多ちゃんの反応は正しい。世間はそうなのだ。
試しに、いくつか質問をしてみよう。
「喜多ちゃん。andym〇riとか、相対〇理論とかって知ってる?」
「え? えーっと...あれですよね! アインベルト?さんが見つけた化学的な!」
「そんな馬鹿な!?」
山田ちゃんが崩れ落ちた。
「せ、先輩!? あれ? あれ? わ、私、何か変なこと言いました!?」
「ううん。何も。ちなみにX JA〇ANとかは?」
「あ、その人達なら名前を聞いたことはあります! 昔のバンドの人達ですよね。ゲームセンターで
うーん。現代っ子。
「それじゃ最後に。M〇s. GR〇EN APPLEは?」
「知ってます! すっっごく有名なバンドですよね!」
「聞いたかい? 後藤ちゃん、伊地知ちゃん。これが現実なんだ」*1
「わ、私の知ってる世界じゃない......」
「そんなことってある!?」
「え? え? な、なんですか!?」
混乱する後藤ちゃんと、混乱する伊地知ちゃんと、混乱する喜多ちゃん。
山田ちゃんは謎のダメージを食らってる。キミも中々面白いよね。
「はいはい。一旦落ち着こうね。声のボリューム落として」
面白JK四人組を見ているのも楽しいが、これ以上は近所迷惑になるかもしれない。怒られるだけならまだ良いが、この時間に警察にでも来られたら非常に厄介だ。主に俺が。深夜にJK侍らせてる男とか、ナチュラルに犯罪の匂いがするだろ。
「つーわけで。一般人って、思ってるほど
「な、なんかごめんなさい......」
「わ、私も...知らなくてごめんなさい......!」
何その謝罪。悲しくなるんだけど。
「いいのいいの。伊地知ちゃんも喜多ちゃんも、つーか誰も悪くないって。強いて言うなら一般向けの知名度が無い俺らが悪いかな?」
「そんなことないです! 伊地知先輩や後藤さんのリアクションから、すっごく素敵なバンドなんだなって思います! かぷ...えと...」
「カプリベルテ」
「そう、カプリベルテ! カプリベルテの曲、聴いてみたいなって思いました!」
えぇ〜〜? ホントでござるか〜〜?
後で聴いとくね、とだけ言って聴かない人間はごまんといるからな。まぁ強要はしないけど。
「Capliberteの曲は全時期最高だけど結成一年目のキーボードが入る前Kaiがギタボしてた時のがオススメっていうかジャンル的にはメロデスだから音楽初心者は着いて行きづらいかもだけどギタボするなら絶対その時期を聴くのが良いし勉強になるしライブ映像も見るべきだと思う私ライブ映像BluRayで持ってるから明日全部持ってくるねあとCapliberte公式YouTubeチャンネルにも動画があってCapliberte軽音部っていう色んなバンドのコピバンをしてる映像があるんだけど特にオススメなのが───」
「山田ちゃん、ストップ」
「───はっ!」
水を得た魚、というやつか。
突然生気の籠った目をしたかと思えば、息継ぎもほとんどせずに一息で語りだした。さてはこの子、結構めんどくさいタイプのオタクだな?
でもそういうの、ちょっとだけ嬉しかったりもする。自分の事を熱く語ってくれる人がいるってのは、中々に自己肯定感を満たしてくれるものだ。
それに、そもそも俺がそっち側のオタクだからな。音楽の話をさせると一晩や二晩じゃ済まない自信がある。だから、山田ちゃんみたいなタイプとはほぼ無限に話せるだろうし、何より理解がある。この子と酒が飲めるようになったら楽しいだろうな。
けど、普通の人にとってオタク早口マシンガン布教は心底ウザい行為だろう。
喜多ちゃんが音楽から離れてしまわないためにも、ここらで止めておくべきだ。
「好きなことに対しては突然饒舌になる先輩......素敵!!」
別に止めないでも良かったかもしれない。
「(もしかしてこの子、けっこー個性的な子?)」
「(だいぶ個性的な子です)」
伊地知ちゃんに耳打ちして確認するが、やっぱりそうか。まぁバンドやろうなんて思う奴がまともなわけが無いんだよな。喜多ちゃんもどこか狂っているだろうってのは最初から分かっていたことだ。
「そういや、さっきからちょっと気になってたんだけどさ」
「はい?」
ひそひそ話を止め、普通のボリュームで、喜多ちゃんに向けて質問する。伊地知ちゃんが反応したけど、一旦放っておこう。
「喜多ちゃんのそれ、ベースケースじゃね?」
喜多ちゃんの背負う、セミハードの白い楽器ケース。
ギターボーカルだと言っていたから恐らくギターが入っているんだろうが、サイズがベース用だ。間違って買ってしまったんだろうか? 別にそれで問題はないと思うけど、ギター用ならもう少し軽くなるし、楽器より大きなケースに入れていると、ケースの中で楽器が揺れて余計な負荷がかかってしまう。
まぁマジで誤差みたいなもんだけど、ずっと担いでるなら大きく変わってくるだろう。女の子にとっちゃ余計にだ。
もし間違って買ってしまって、金がないとかの理由で渋々使っているのだとしたら、俺の持っているセミハードのギターケースでもあげようか。
そう思い聞いてみた。
「ギクッ」
ギク? 何それ、擬音を口に出してんの? あざといなこの子。
つーか今更だけど、喜多ちゃん
「あー...喜多ちゃん、ギターと間違ってベース買ったんですよ」
擬音発音から次のフェーズへ進もうとしない喜多ちゃんに変わり、伊地知ちゃんが答えてくれた。
ふむ。ギターと間違ってベースを......え、そんなことありえる?
「あ、呆れられてる!? その心、呆れてますね!」
どこのババアだ。
「だって! ギターは弦が六本で、ベースは四本ってネットに書いてあったから!」
うわあぁん! と頭を抱えて泣き崩れる喜多ちゃん。
ってことは何か。ギターを買いに行ったはずが、気付けば六弦ベースを買ってたのか。ロック越えてメタル過ぎるな。
「二年...私の二年分......うぅ...」
二年?
「喜多ちゃん、二年分のお小遣いとお年玉を前借りしてベース買ったらしいんですよ」
「うわぁ」
うわぁ。
「うわぁとか言わないでください!」
「あはは、ごめんごめん」
光属性だからって必要以上に警戒してたけど、なんだ、こうして話してみるととっても良い子じゃないか。
ちょっと変なところと抜けてるところがあるものの、普通の“明るい子”だ。他人を自分の思い付きに巻き込んだり、誘拐したり、そんな事はしないだろう。
ちょっと安心した。安心したら腹減ってきたな。
「ちなみに喜多ちゃんはどんなベース買ったの?」
「え、たげん?ベースです」
「あーいや、そうじゃなくて。どこのメーカー? やっぱIb〇nez? ケースもそうだもんね」
「なるほど! あでも、私メーカーとかはちょっと分からなくて...多分そのあい〇にーず?だと思います」
まぁ、初心者ならメーカーなんて知らなくて当然か。
最初の一本はフィーリングで決める、って人も多いのではなかろうか。
楽器を始めようと思い楽器屋まで来たものの、右も左も分からない。楽器の個体差? 全部同じじゃねーの? と、そんな感じだろう。
「もしかして喜多ちゃん、楽器屋でそのベースに一目惚れして、ろくに試奏もせずに勢いだけで買ったろ」
「な、なんで分かるんですか!? はっ、もしかしてエスパー!?」
ははははノリがおもしれーわこの子。
うちの猫娘やお嬢とかと違い、喜多ちゃんが歳下だからだろうか? あいつらが突拍子もないことを言い出すと本気で頭痛がするが、喜多ちゃんなら笑って流せる気がする。まだ出会って数分だからなんとも言えないけど。
ベースケースを降ろし、チャックを開けて中身を見せてくれる喜多ちゃん。
現れたのは、黒のヘッドに黒のペグ。しっかりペグ六個あるなぁ。笑う。
そんでもってヘッドの先にはIb〇nezのロゴと、BTBの文字。
「BTBか〜。また絶妙なとこのを買ったね」
喜多ちゃんに許可を貰い、ベースを一度ケースから完全に取り出す。
暗くて見えにくいけど、ピックアップのところとか結構傷付いてるな。
「これ、中古で買ったの?」
「いえ、新品って書いてあったと思います」
なら、この傷は喜多ちゃんが付けたものか。
弦もくたびれてきている。ギターなら兎も角、たったの三ヶ月でベースの弦がここまでくたびれるってのは、しっかりと練習をしていた証拠だ。
ベースだとも気付かす、一生懸命練習したんだろうなぁ。可愛い。
「六弦ベースなんて初めて触ったかも。ちょっと弾いてみていい?」
「え? 全然いいですけど...関口さんってギターの人なんですよね? ベース、弾けるんですか?」
ストラップを肩にかけ、ズッシリとした重みを体で感じる。
「ちょっとだけね。本職の人ほどは弾けないけど」
そう言い、テキトーにCメジャースケールを弾いてみる。六弦だとCは六弦一フレットか?
弾いてみるが、少し音がズレてる。チューニングが狂ってるな。六弦と...あと三、四弦か。ササッと直し、もう一度メジャースケールを弾く。うん、多分これで合ってるな。
それにしても太いな。フレットが。
男の手でもそう感じるんだから、女の子、しかも女子高生からしたら異次元みたいな太さだろう。
「BTBってSRよりフレット太いんだっけ?」
いつだかにうちのベーシストが言っていたことを思い出す。
あいつも年を追うごとに変態に磨きがかかってきて、今では十三本のベースに囲まれて優雅にベースライフを送ってるからな。
高校までならともかく、ベースに関する知識はもうとっくに俺より上だ。
「若干。あとスケールもBTBの方が長いです」
答えてくれたのは山田ちゃんだ。
この子は良い意味で気持ち悪いオタクなんだろう。俺と似た匂いがする。今度ちゃんと語り合ってみたいな。
「へー。うわ、カッタウェイ*2の形エグ。ハイ弾きやす過ぎでしょ。こんなハイ使うくらいなら六弦とか必要なくない?」
「音域が広がれば表現できることも増えるので」
「そりゃそうだけどさぁ」
「それに低い音が増えるのは正義なんじゃ?」
「それだわ。ごめん、俺が間違ってた」
「分かれば良いです」
間違っていたことは素直に認め、すぐに謝罪する。それが“デキる大人”というものだ。
伊地知ちゃんは若干引いたようにこちらを見ているが、もう一度言う。これが“デキる大人”というものなのだ。
で、なんで喜多ちゃんはちょっと恨めしそうにこっち見てんの? 分かんないし突っつくのも面倒そうだからスルーするけど。
「てか山田ちゃんは多弦使わないの? この前のライブで使ってたのは四弦だったよね? Fe〇derの」
「五弦ならたまに。六弦はまだ持ってないです。だからそれ、ちょっと欲しいっていうか」
物欲しそうな目をするじゃないか。そんな目で俺を見ても意味が無いぞ。このベースは喜多ちゃんのものなんだから。
それに喜多ちゃんもベースをあげるなんてことはしないだろう。多少傷が付いているが、楽器屋に持っていけば十分高く売れるはずだ。その金でギターを買えば良い。
いや、山田ちゃんが十分な金額で買い取るとかならまた話は別だけど。
「先輩が私のベースを欲しがってる...? 是非差し上げます!」
「今私七円しか持ってないけど」
「差し上げます!!」
「やめて! さすがにシャレになるような値段じゃないから!!」
やっぱりブッ飛んでんなぁ、この子。
Iba〇ezの六弦ベースなんて、多分十数万はするだろ。普通の高校生にとっちゃ大金も大金だ。
それを「先輩が欲しがっているから」ってだけで七円で譲ろうとするとか、正気の沙汰じゃない。
でも山田ちゃんは六弦ベースに興味があるのか。
六弦ベーシストは総数が少ない。いつも新たな仲間を求めている人種だ。できればここで六弦の沼に引き摺り込みたいところ。須田(Capliberteのベーシスト)もきっとそう言うだろう。
ってことで、皆win-winになる妥協案を出してみようか。
「山田ちゃんさ、さっきの言い方からしてベースって何本か持ってるの?」
「え、はい」
「じゃあそれと交換でいいんじゃないかな。んで、喜多ちゃんが山田ちゃんからもらったベースと、俺のギターを交換しよう。それで全部丸く収まるはずだよ」
「「ぅえ!?」」
伊地知ちゃんと喜多ちゃんの声が重なる。
まぁ無理もない。俺が絡んでくる意味が分からないんだろう。
「山田ちゃんは六弦が欲しい。俺は新しい六弦ベーシストに爆誕して欲しい。喜多ちゃんはギターが欲しい。全員の希望を叶えるために最適な解だと思うけど?」
完璧な案だろ。
どやぁ...
「あ、だったら私のギターと交換すればいい。私、そこそこいいの持ってる」
あ、そうなの。
うん。じゃあそれがいいんじゃないかな。
......しゅん。
「ちょっとリョウ。そんなことできるならもっと早く言ってよ」
「しばらく弾いてなかったから持ってるの忘れてた」
「そんなことある!?」
「で、でもほんとにいいんですか...? ベースとギター、交換なんて...」
「いい。六弦ベース、ちょっと憧れてた。挑戦するいい機会になる」
どうやら俺は必要なかったらしい。
トントン拍子で決まっていくギターとベースのトレード。ギターの写真があるというので山田ちゃんのスマホに映し出された画面を覗いてみたら、そこには青のギブソンギターの姿が。
レスポールジュニアか。いいんじゃないか?
パワフルな音が出るし、ロックのコード弾きと相性が良い。ピックアップも一基でボリュームやトーンなんかも扱い易く、何より軽い。ギタボをするんだったら全然アリな一品だ。
色は...これペルハムブルーか? そこそこレアなやつじゃん。確か限定モデルのやつだったはずだ。山田ちゃん、ベーシストのクセして中々良いギター持ってんな。
値段帯としては、若干ギターの方が安いか。
けどまぁ悪くないトレードだ。どっちもの需要を満たしている。
それに釣り合わない分の値段なら、
「先輩のギターを貰える...キャーっ!」
この気持ちで十分カバーできるだろう。
てかキミ、山田ちゃんのこと好きすぎない? 変な宗教か何かなの? 信仰すら感じるんだけど。
まぁなんだ。
俺は何も出来なかったが、これでめでたく新ギタリストが誕生したわけだ。
大ガールズバンド時代だなんだと騒がれ始めてから数年。その流行は少しずつナリを潜めてきたが、まだまだこうやって、新しいアーティストが生まれてくる。
喜ばしいことだ。俺もまだ若い世代には入るのだろうが、それでも、後進が生まれることは良い事なのだと思える。
そして、駆け出したばかりの後輩に手を差し伸べ、走りやすくしてやるのが、先輩としての責務だろう。
「喜多ちゃん。エフェクターって持ってる?」
「えふぇくたぁ?」
マジでこの子あざとい。
丸っこい発音といい首をコテンと傾げる仕草といい、マジあざとい。女子高生怖い。
「ざっくり言うと、ギターの音にエフェクトをかける機械って感じかな?」
「ああ! 自撮りする時の加工アプリみたいなものですか?」
「まぁ、イメージとしてはそんな感じかな」
感性が完全に最近の子だな。
この子絶対イソスタとかテックトックとかやってるよ。見てるだけじゃなくて高頻度で投稿してるタイプのJKだ。こういう子たちが『流行』を作っていくんだろうなぁ。
じゃなくて。
「せっかくギターを始めるんなら、エフェクター持ってた方が五倍は楽しいよ」
「それは確かにそう。エフェクターは沼。こっちの水は甘依存」
山田ちゃんなんて?
「先輩
この子詐欺とか引っかかりそうで怖いな。
妙に保護欲をそそられる。ダメだぞ俺、そっちの道は重犯罪。
「ギターを始めるお祝いだ。俺が持ってるエフェクターを何個かあ「あ!!!」...どしたの後藤ちゃん」
今の今まで本気で気配がなかった後藤ちゃんが、突然大きな声を出すことでこちらに存在を認識させてきた。
本当に失礼な話だけど、わりとガチで忘れてたな。いや忘れてたってか、ほぼ話してないのに違和感がなかった。隠密の才能があるかもしれない。
「あ、お、すすすすすみません...大きな声出して......」
「謝れてえらい。夜だからね、音量は控えめに。んで? 何があったの」
「いやっ そのっ あっ あ、しゅ、終電が...」
「終電?」
スマホで時刻を確認する。
現在二十三時半過ぎ。確かに、人によっちゃそろそろ終電が近い時間か。つーか高校生、しかもJKがこんな時間まで外を出歩いてること自体問題がある。
「後藤ちゃんが終電ヤバいみたいだし、そろそろ解散かな。みんなは大丈夫?」
「あたしとリョウは徒歩なので! 喜多ちゃんは?」
「私も大丈夫ですっ!」
「うっし。そんじゃあ駅まで送るから───」
「あ あのっ!」
うっわ声デカ。後藤ちゃんのボリュームツマミ、もしかしてバグってる?
「あっ 私、その、しゅ、終電が...」
「うん、そろそろヤバいんでしょ? 駅すぐそこだから、」
「......ナイデス」
「......うん?」
うん?
「しゅ、終電...いっ 今、でで、出まし、た......」
......マジで? 早くない?
「あっ、そうだ! ぼっちちゃん横浜住みじゃん!」
実家横浜なの?
そこから下北までライブとかバイトしに来てるのか。ポテンシャル高ぇな。
一応アプリで横浜までの終電を調べてみるが、確かに次の電車は明日の朝だ。
「あっ す すみません...あ じゃあここで失礼します皆さんまた明日」
「いやさすがに放ってはおかないよ!?」
地面に座り込もうとする後藤ちゃんを、伊地知ちゃんと喜多ちゃんが二人がかりで立たせようとする。ビジホとまでは言わないが、カラオケや漫喫に泊まるっていう概念はないのか? ...あ、高校生だから追い返されるのか。
うーん......仕方ないか。
「後藤ちゃん。じっと動かないでいるのって苦手?」
「あっ え、に、苦手では...むしろ得意......」
「おっけー。家、横浜のどの辺かな? 送ってくよ」
「え゛っ」
変な声と変な顔されちゃった。
やっぱ深夜に男に送ってもらうのは抵抗あるか?
「あ、そっか。海さんバイク持ってますもんね!」
「そ。今日もバイクで来たし、そこのパーキングに停めてあるから」
「い いや、横浜、遠いですし......その...」
「元々今日は気分転換に江ノ島辺りまで深夜ツーリング行こうと思ってたからね。横浜なら通り道だし、問題ないよ」
「あ あっ...えと...」
ふむ。あんまり乗り気じゃなさそうだ。
まぁそこまで親しくもない男とバイク二人乗りってのは抵抗感あるだろうし、バイクが怖いってのもあるのかもな。
けどさすがに深夜にJKを放置するってわけにもいかないし...あ、レンタカーでも借りるか? この時間でもタ〇ムズなら借りれるはずだ。
「レンタカー借りるって手もあるけど」
「あっ! あ、と...い いえ......そこまでご迷惑は......」
うーん。話が進まん。
ここはあの必殺技を使うか。
「俺に送られますか。はいかいいえで答えてください」
「あっ えっ えと、えと......!」
「はいさーん、にー」
「あっ あの、は、はいぃ!」
そういうことになった。
「うし。んじゃちょっと待ってな。ドンキでヘルメット買ってくる」
ボリューム満点激安ジャングル、ドン・キホーテ。深夜までやってて大抵のものは揃ってる。とても便利だ。
確か駅を挟んだ反対側にあったはず。
俺は小走りで驚安殿堂へと向かった。
✿ ❀ ✿ ❀ ✿
「ちょっとドンキ行ってくる。あ、別にここで待ってなくても、駅向かってていいからね。どこか移動するなら連絡だけ入れてくれれば」
そう言い、関口さんはバイクのヘルメットを買いにドンキへ駆けて行く。
走る度に後ろで纏められたハーフアップの髪が揺れて、なんだかワンちゃんみたいだなとぼんやり思っているうちに、関口さんの姿は見えなくなっていた。
「喜多ちゃんは終電大丈夫?」
「あっ、はい! 私はまだ全然!」
「そ。んー、でも一応駅まで歩いとこっか? 喜多ちゃんまで終電逃したら目も当てられないもんね」
そう言って、伊地知先輩は歩き出す。
後藤さんがそれに続き、リョウ先輩は逆方向に歩き始めた。
「あれ? リョウ、どこ行くのー?」
「帰る。海さんによろしく」
「ほんと自由だな...まぁいいけど。じゃねー!」
「お疲れ様です先輩! おやすみなさい!」
「あっ おお疲れ様です...」
「ん」
短く返答するリョウ先輩、マジクール! やっぱりかっこいいわ!
「それじゃぼっちちゃん、喜多ちゃん。行こっか」
「はい!」
「あっ はい」
今度こそ、駅に向けて歩き出す。
伊地知先輩がスマホを取り出して何やら操作してるけど、関口さんに連絡しているのかしら。
「それにしても、ぼっちちゃんいいなー。あたしもバイク二人乗りしてみたーい」
スマホをポケットにしまい、伊地知先輩が話を振ってくる。
バイクの二人乗りかぁ。私もちょっと憧れるわ。少しアウトローって感じがしてかっこいいなって思っちゃう。
「そういえば、先輩たちと関口さんってどういうお知り合いなんですか? バンド仲間みたいな?」
随分と親しげな雰囲気は感じたけど、対バン?ってやつをしたりした仲とかだったりするのかしら。
「うーん...改めてどんな仲かと聞かれると...初ライブでPAしてくれて、応援してくれて、ライブに呼んでくれた仲?」
「あっ わ、私はその、憧れといいますか...その、ほんとにレジェンドみたいな人なので、知り合いっていうのも烏滸がましいんですが」
「あ、それはある。なんだろーね。推しに認知されてちょっと話せる仲になった、的な?」
へー。とにかく『すごい人』なのね。
カプリベルテ、だったかしら。明日リョウ先輩がBluRayを持ってきてくれるらしいけど、帰ったら自分でも調べて聴いてみよう。
「そういえば海さん、ベースも弾けるんだね。ぼっちちゃん知ってた?」
「あっ は、はい...昔Capliberte内で担当楽器を交換して曲をやろうって企画やってて......その時、ベース弾いてました...あ、あと確かキーボードも弾けたはず...」
「すっごー! 完璧超人じゃん! あ、ドラムは?」
「ど、ドラムは...四つ打ちはできるけどそれ以上はできないって暴れてた気が......」
「暴れてた!?」
本当に『すごい人』なのね...色々と...
でも尊敬しちゃうなぁ。関口さんみたいな人のことを『特別な人』って言うんだろう。私にはない、キラキラした才能を持った人。
本当に、憧れる。
私も頑張れば、キラキラした人になれるかしら? 『特別な才能』がない私でも、あっちのステージに立つことができるかしら?
...ううん。できるかどうか、じゃないわよね。
一度逃げ出した私を迎え入れてくれた先輩達。また逃げようとした私を引き留めてくれた後藤さん。
結束バンドのみんなに恥じないよう、
「お待たせ〜」
密かに胸の内で決意を新たにしていると、関口さんが帰ってきた。
手には黄色いレジ袋が握られている。
「あれ、山田ちゃんは?」
「リョウは帰りました。海さんによろしくって」
「そっか。てか二人も待たせちゃってごめんね。帰りたかったろうに」
「いえ! ぼっちちゃんも放っておけないですし」
「ごごごごごめんなさい!!」
後藤さん、いっつも謝ってる気がするわ。
待ってるくらい何ともないのに。友達だし、何より今日からバンドメンバーなんだから。
「そんじゃ帰ろっか。あ、喜多ちゃんはここで電車?」
「はいっ! お疲れ様でした!」
ぺこりとお辞儀をする。
背負っていたベースの重さに体が持っていかれそうになったけど、そこはなんとか耐えた。
「お疲れ様。ギター、頑張ってね。良ければ俺も教えられるから、聞きたいことあったら伊地知ちゃん経由で連絡して」
「ほんとですか!? 今度ぜひお願いしますっ! あ、伊地知先輩を経由するのも悪いので、ロイン交換しません?」
「え? うん、まぁいいけど」
「「え゛っ!?」」
?
伊地知先輩も後藤さんも、どうしてそんな「マジかこいつ」みたいな顔をしているの?
...あ、そういえば関口さんって二人の憧れの人なんだっけ。私だけ教えてもらうのに嫉妬...とまではいかないにしても、何かしら思うところがあるのかしら?
うーん。でも伊地知先輩はドラムだし、後藤さんはもう十分ギター上手いのよね。
申し訳ないけど、ここは私と関口さんだけの練習になっちゃうわね。
よーし。せっかく『すごい人』に教えてもらえるんだから、すっごい頑張っちゃうわよ!
そして今度こそ逃げ出さず、結束バンドのギターボーカルを立派に務めてみせるわ!
Q.バ先の店長の卒アルや黒歴史を、海くんはどうやって入手したんですか?
A.海くんはとあるお金持ちとの繋がりがあり、優秀な黒服さん達とも友好関係を築いています。それが答えです。
P.S.
喜多ちゃんはメンクイだと聞いています。
こちらからは以上です。