親は唯一の味方、何て言葉があるらしい
ぶっちゃけその言葉は、現実が見えていない奴が言う言葉だろう
でなけりゃ、実の親が人身売買に、実の子供を売ることはない
元から糞みたいな親だった
出来が悪い、ごく潰し、家の恥
言葉だけでなく暴力も振るわれて、数日間飯抜きなんてことはよくあることだった
仮に出されてもウジ虫が湧いているような残飯だけだったが
しかも用心深いというべきかなんというべきか、そもそも戸籍すらなかった
まぁ子供に暴力を振るうなんてことが近所にばれたら面倒なことになると思ってやったことなのだろうが
ある日、いつもの様に部屋に鎖を繋がれているところに見たこともない男が入ってきて車に乗せられた
乗せられる直前、親がそいつらに金を貰っているところを見て、売られたんだなと
まぁ存在すること自体が気に食わなかった親がすることなんてそんなもんだろう
唯一気がかりだったのは、祖母の存在
祖母だけは唯一、私を気にかけてくれていた
とはいっても、手紙でしかやり取りしてなかったけど
その手紙も鳩によって運ばれてきてたから、顔は知らないけど
私の存在を何処で知ったのか知らないけど、手紙で温かい言葉を掛けてくれた
その手紙も、親に見つかって光すらない部屋に閉じ込められてからは読めなくなったけど
そこから先は地獄だった
車で運ばれた先は目隠しをされていて分からなかったけど、外された時には牢屋のようなところに放り込ま
れていた
まぁ商品が逃げないようにするのだから当たり前か
闇オークションか何かよくわからないイベントに商品として売られた
涎をたらしながらこちらを興味深そうに見てくる野郎の顔なんて見たくもなかったが
他にも売られた奴が何人かいたが、興味はなかった
そいつらが誰に買われて、そして何をされるのかなんて他人事だったし
そして次々と番号で呼ばれて、そいつらは連れていかれた
何人か母親を叫んでいた子供を居た
馬鹿な奴だなぁと思った、そもそも愛されているならこんなところに出品なんてされるわけが無かろうに
そして私も買われて、そして連れていかれた
買った奴がはぁはぁしながらこっちを見てくるのを、何処か他人事のように見ていた
そっから先はもうお察しの通りだ
欲望を私の肉体に叩きつけて、満足したら休憩して、そしてまた犯す
その繰り返しが続いたけど、やがて飽きたのだろう、また闇オークションに出された
そしてまた買われた、マッドサイエンティストに
いろんなことをされた、薬を体に打ち込まれたり、骨を折られたり、肉をえぐられたり
そこで痛覚を失った、味覚はあの日々を過ごしていた時に死んでいた
そしてまた飽きたのか闇オークションで売られて、今度はカルト教団に売られた
その教団に前々の買い主と前の買い主がいるとは思わなかったけど
まぁやられることは何ら変わりはない、ひたすら犯されるだけ
欲望を叩きつけて叩きつけて、終わったと思ったらまた次が始まる
そして飽きたのかと思うと、今度は生贄として捧げられることになった
そもそもこんな汚れた体で生贄になると思わないんだが
けどまぁやっとこの世界から解放されるのかと思うと、悪い話ではない、そう思っていた
だけど、神様とやらはとことん残酷らしい
何をやっているのか分からない長ったらしい儀式が終わって、さぁ生贄として殺されると思った次の瞬間に扉が急に開いて、入ってきたメンバーが「警察だ!」と叫んできた
と、次の瞬間、目線の先にあったガラスが割れたかと思うと、何かが落ちてきて爆発した
目の前が眩しくなって、辛うじて見えた視界に映ったのは割れたガラスから誰かが降りてくるのと、物々しい恰好をした男たちが次々とカルト教団メンバーを拘束していく光景
あぁ、警察なんだなって思って
そしてその物々しい恰好をした人たちが私に駆け寄ってくるのを最後に、私の意識は途絶えた
目が覚めたら、知らない天井だった
そんな言葉が浮かんできたが、実際そうなんだからどうしようもないだろう
で、死のうと思って重い体を必死にベットから起こして、窓から飛び降りようとしたら、たまたま来た看護師に阻止された
時間が夜だし誰も来ないと思っていたが、どうやら予想は外れだったらしい
というかあの看護師凄いな、一瞬で距離詰めて窓から引き離してきたぞ
医者からの説教を聞き流しながら、そんなことを考えていた
というかそもそも、金が払えない患者なんていらないんじゃないだろうか
病院だって患者を放置しとくわけにもいくまい、それなりに金が要るんじゃないんだろうか
検査とか、食事とか、そういうので
けど私は家から捨てられた身だし、お金なんて払えない
よし、死のう
そう思って窓から飛び降りようとしたら、またもや看護師さんに阻止された
何で止めるんだろう、お金が払えない患者なんて病院としても迷惑でしょ
そう言ったら怒られた、解せない
それが何回か続いてからは、常に誰かが見張るような感じになった
とはいってもトイレに行きたいなんて言ったらちゃんと連れて行ってくれる
警察の人からの事情聴取とかも終わって暇だったから仕方なくテレビを見ていたら、見たことのある顔がテレビに映っていた
元・家族だった、どうやら親戚も含めて全員逮捕されたらしい
国が誇る大企業のトップだったらしくて、結構な大ごとみたいで大々的に取り上げられていた
人身売買だけでなく賄賂、国家機密の横流し、武器や薬物の密輸などをやっていたらしい
さらにあのカルト教団にも資金提供をしていたらしくて、国家転覆を企んでいたんだとか
次に元・自宅が写ったけど、『恥さらし』や『非国民』、『逆賊』なんて言葉が壁に落書きされていた
そして次々とスーツ姿の人たちが家に上がり込んでいっている、まぁあんなに騒がれていたら当然と言えば当然か
そう思いながらテレビを見ていたら、来客があった
そもそも身寄りも糞もない私に来客何ておかしな話だと思ったけど
その人は男で、恰好や仕草から上品さが知れた
で、その来客の男の人が言った
『君を引き取らせてくれないか』って
何を言っているのか分からなくてもう一度聞きなおしたけど、答えは同じだった
詳しく聞いてみたら、何でもこの人は愛知県に拠点を構える世界的企業のトップらしくて
元・親の祖母とはかなりお世話になったらしい
そして祖母は元・親とはほぼ絶交状態だったらしくて、元・親がしている仕打ちを知って助けようとしたけど、あの手この手を使われて阻止されたせいで、叶わないまま病気で倒れたらしい
で、祖母が亡くなる際に私の存在を打ち明けていたらしくて、最期に
『あの子を…幸せにして頂戴…』
って言ったらしい
で、今までお世話になった恩とかに報いるために承知して私を探し、カルト教団にいることを知って警察に連絡したそうだ
元々殺人や誘拐、拉致など怪しい噂が途絶えなかったらしくて、警察も動いたんだとか
内部偵察などで時間がかかったらしいけど
けどあくまで貴方がいくら祖母に恩を感じているとしても、私を助ける必要なんてないんじゃないか
例え恩人であっても、言うことを聞く必要はないんじゃないか
『あぁ、実際君の言う通りなんだろう、だけど私は君の御祖母様には本当にお世話になったんだ、その恩人の言うことを聞かないなんて私にはできない』
それにね、と続けて
『目の前にいる傷ついて、傷ついて、傷つきすぎた少女を見捨てるなんて、男がすることじゃない』
と
傷ついた少女って誰の事だろうと思ったけど、あぁ私の事なのかって
『それで、返事を聞かせてくれるかい?』
そう聞いてくる人の顔は、今まで見てきた奴とは違って
生贄や実験動物、欲望の刷毛口としか見てきた人見とは違ってまっすぐで
気が付けば、『お願いします』と頭を下げていた
次回からアイドル達出すから許して…