「ねぇねぇ、お兄ちゃん!本当に綺麗な街だよ!」
俺は大はしゃぎしている妹の頭を撫で、口角をつりあげて薄ら笑いを浮かべる。
「本当に……綺麗だ、今まで出会ったどの街よりずっとずっと綺麗だ」
妹はニコニコと笑い、街を観ながら俺に問いかける。
「お兄ちゃん、もっともーっと綺麗にしてあげなきゃ!綺麗にしたらみんなも喜ぶもんねっ!」
「あぁ……その通りだね、もっともっと…綺麗にしないとね」
そう言い、俺は歩き出す。
「さぁ…もっと焼き尽くそう、壊し続けよう、この街に血の海を作ろう。泣き叫びもがき苦しむ虫けら共の断末魔を響かせよう、この街を……」
理想郷に変えてやるんだ。
5年前
「おにーちゃんただいまー!!」
「おかえり、ソフィア。学校はどうだった?」
ソフィアは頬を膨らませながら
「つまんなかった! 勉強なんて嫌い!」と言う。
俺は優しく頭を撫で、諭すようにこう続けた。
「確かに勉強は難しいし嫌いなのもわかるよ。けど今頑張ったら、それは絶対ソフィアにとって素晴らしいものになるから。今は分からなくていい、そのうち絶対わかるから」
ソフィアはさっきの表情とうってかわり、満足そうな表情で
「うんっ!ソフィア頑張ってお勉強する!」と答え、自分の部屋へ戻っていった。
まさかその言葉が5年後つくづくと思い知らされるとはソフィアも思っていなかったであろう。
「お兄ちゃんっ、残存兵力が2000人だって!こことここに半数ずつ配置すれば敵は袋のねずみだよー!」
俺はやれやれと言う顔でソフィアを見て
「素晴らしいね、ソフィア。これなら残りの虫けらも1匹残さず鏖殺出来る。弾薬は足りそうかな?」と賞賛と質問を投げる。
「うん!弾薬庫にはまだ沢山あるし2000人に分配しても全然大丈夫!足りなくなったら……敵の盗んじゃえ!」
まだ15歳だと言うのにとっている行動は既に実年齢を遥かに超えている。
まぁ……発言力は目を瞑っておくとしようか。
するとそこへ軍の1人が俺の元に来て報告を始めた。
「マリーノ総司令官、残存兵力2000人をソフィア大佐のご命令通り配置致しました。不要かとは思いますが援軍も3000人要請しております。直に合流するでしょう。」
「よくやった、素晴らしい働きだ。」
俺は不敵な笑みを浮かべ、更にこう続けた。
「これで街を蹂躙する準備は整った。さぁ、絶望の始まりだ。誰一人として生かすな、全員息の根を止めて首をはね、屍を踏みつけて街を焼き尽くせ。女子供老人も全員殺せ、情けなど無用だ。この街を絶望と血の海で燃やし尽くしてしまえ。」
さぁ、俺たちの復讐の始まりだ。
俺の合図とともに一斉に兵たちが飛び出して行った。