機動戦士ガンダム 火星の悪魔   作:ケルヌンティウス

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お読みいただきありがとうございます。
鉄血と水星の魔女の親和性意外とアリなんじゃないかと思って書かせてもらいました。以下、鉄血のオルフェンズから使用している設定や留意事項です。

水星の魔女世界観の連邦軍、ギャラルホルン的存在が不明量なため言明は避けてます(水星の魔女プロローグはモビルスーツ評議会の軍隊であって連邦軍とかではなさそうだったので)わかり次第変更する予定です。
阿頼耶識システム▶︎鉄血のオルフェンズ界の有機デバイスシステム。操作技術のない子供でもダイレクトな操作が可能になるスグレモノ! すごいね!
ガンダムフレーム▶︎人体に害のあるガンドフォーマット未搭載なので安心! 安全! 飛べる! 半永久機関搭載で環境にも優しい!
鉄華団▶︎私設武装集団が子供たちのストライキで名前変えた企業。クーデリアを地球まで送り届けて蒔苗のおじいちゃんからお金もらった。ギャラルホルン的存在が分からないので今作ではクーデリアパパの刺客との戦いをくぐり抜けたことにしておこうかなと(デリングが火星の独立運動に干渉するかはわからんし)
三日月▶︎いい子。罪深き子供じゃないので半身不随とかになってない。


俺が学校?

「俺が学校?」

 

 

紆余曲折を経て、クーデリア・藍那・バーンスタインを地球へと送り届けたことにより民間のボディーガード企業としてその名を知らしめ始めた元CGSこと鉄華団。その立ち上げメンバーにして、団長であるオルガ・イツカの相棒とも言うべき存在、三日月・オーガスは団長室のソファに腰掛けながら首を傾げた。

 

 

「あぁ、そうだ」

 

 

頷いたのはオルガの隣に座る白いスーツに身を包んだ名瀬・タービンという男で、鉄華団とは義兄弟の盃をかわしている。

 

 

「オヤジからの頼みでな。経緯を説明すると長くなるんだが……」

 

 

聞きたいなら話すがという姿勢を取った名瀬に、三日月はオルガの方へと目を向ける。

 

 

「行った方がいいの?」

 

 

見つめてくる三日月に、オルガは少し間を置いてから答える。

 

 

「嫌なら昭弘でも構わないそうだが……俺としてはミカに行ってもらえると助かる」

「ふーん……」

 

 

きな臭いことになれば対人戦、モビルスーツ戦において秀でている三日月の方が判断のしようがある。昭弘では力は十分でも臨機応変な対応はまだ難しいのではないかというのがオルガの判断である。

 

 

「わかった。オルガの言うことならやるよ」

「……そうか、頼んだぜミカ」

 

 

どういう理由であろうとオルガに言われれば行動に移し実行する三日月は迷いのない瞳でそう答える。

 

 

「俺からも礼を言うぜ。転入手続きやその他諸々の手配はこっちでやっておく」

「助かりますアニキ」

「いいや、これくらいは当然だ」

 

 

名瀬は三日月に握手を求めると、三日月もそれに応じて右手で名瀬の手を握り返す。

 

 

「で、俺はそこで何をすればいいの?」

「端的に言うとそうだな……」

 

 

尋ねられてどう言ったものかと名瀬が思案していると、立って話の行く末を見守っていた名瀬の妻であるアミダ・アルカが微笑みながら口を開いた。

 

 

「アンタに花婿になって来て欲しいんだとさ」

「花婿?」

 

 

唐突に飛び出してきた言葉に三日月は三度首を傾げた。経緯の説明は省いてもいいかと考えていた名瀬とオルガだったが、ある程度の説明はしておくべきかと顔を合わせる。

 

 

「地球圏から少し外れたところにアスティカシア高等専門学校ってのがあるんだが聞いたことはあるか?」

 

 

名瀬が訊くと三日月はすぐさま首を横に振った。ちなみにオルガも名瀬から聞くまで知らなかった。

 

 

「モビルスーツを製造、販売している巨大複合企業のベネリットグループが運営しているモビルスーツの操縦や製造、企業経営を学べる学校だな」

 

 

言いながら名瀬はタブレットでホームページを表示して三日月へと差し出す。

 

 

「操縦技術を学び高めるパイロット科、モビルスーツや武装の調整・修理・製作の技術をまなぶメカニック科、そして企業経営の基礎や理論を学ぶ経営戦略科の3つの学科があるんだが、三日月にはパイロット科に入ってもらう」

 

 

ページをスライドしてそれぞれの学科の授業風景や特色が映った映像や資料を三日月に見せるも、あまり興味がない様子で火星ヤシを一齧りする。

 

 

「入学するためにはベネリットグループの傘下企業からの推薦が必要なんだが、そこはオヤジの手引きでテイワズの系列会社がしてくれることになっている」

 

 

オルガはその会社の代表と顔合わせしたことはあるが、三日月は面識がないため知らないおっさんの写真を一瞥してすぐに顔を上げる。

 

 

「それで?」

「ここにベネリットグループの代表の娘がいてな、名前をミオリネ・レンブラン。経営戦略科の2年生だ」

 

 

顔を上げた三日月に見えるように、名瀬はベネリットグループの総裁であるデリング・レンブランの顔写真を見せる。三日月の印象としては、白髪に厳格な表情をしたおっさんである。そして、指で1枚スライドすると、打って変わって儚げな少女の写真が映し出される。三日月と同じくらいか少し上に見える大人びた表情をした長い銀髪が特徴的だった。

 

 

「俺もオヤジから聞いた話だから事実かは定かではないんだが、この学園には決闘ってのがある」

「決闘?」

 

 

それって赤い布を肩につけてやる一騎打ちじゃなかったっけと三日月がオルガへと視線を送ると、オルガは首を横に振った。

 

 

「アスティカシアでは名誉や金銭とか欲しいもんは全部モビルスーツ同士の決闘で奪い合うんだそうだ」

 

 

信じられないけどなという表情をするオルガに名瀬が続ける。

 

 

「決闘で勝って学内で1番強いと認められた生徒にはホルダーの称号が与えられて、さっき言ったミオリネっていう令嬢の婚約者になれるんだとさ」

 

 

自分の娘をトロフィーに見立てるとは父親がやることにしてはやや異端に見えるも、婚約者になればベネリットグループ次期総裁の座が手に入るとなれば経営者としては目からウロコな話である。テイワズのボスであるマクマード・バリストンは木星圏に勢力を拡大しているが、地球圏への足がかりは少ない。名瀬やその他輸送部門を介しての交流はあるものの、直接的な関与は難しく、また武闘派ではあるもののパイロットたちはとても高校生とは言い難い年齢ばかりである。

 

 

「そこで三日月がテイワズの代表になって、今のホルダーを倒してミオリネ嬢の花婿になって欲しいんだと」

 

 

テイワズは本社、系列会社含めて年齢層が高く、社員の子供でパイロットを志している者は少ない。また、女性パイロットに関しては名瀬が代表を務めているタービンズに多く在籍しているものの、年齢的にギリギリアウトである。偽装工作をすれば入学させられないこともないが、ミオリネが女性であることを考えるとこれも難しい。

しかし、最近になってテイワズの傘下企業となった鉄華団は子供たちの集まった武装集団である。戸籍の情報も曖昧であり、年齢や見た目、性別などの条件もクリア出来ている。さらにはモビルスーツも所有しており、操縦技術も申し分ない。

 

 

「ふーん」

 

 

三日月がマクマードや名瀬の思惑を察せられたかは別問題だが、特に断る理由もなく、オルガの命令ならば躊躇なく人を殺せる。決闘の勝利条件は現時点ではわからないが、三日月のモビルスーツを持ち込めるのであれば懸念点は見当たらなかった。

 

 

「いいよ。よくわかんないけどとりあえず花婿ってのになればいいんだよね」

 

 

三日月の問いかけにオルガは頷く。

 

 

「そうだ……なんかやっといた方がいいこととかある?」

「そうだな、持っていきたい物があるなら何かに詰めておくといい。あとはしばらく戻って来れないだろうから挨拶は済ませておけ」

「そっか……わかった」

 

 

寂しくなるなと思いつつも、花婿になったら戻って来れそうだしいいかと三日月は前向きに返事をする。そして、話が終わったと判断したのか、用意を進めるためか団長室から出ていく。

 

 

「学校かぁ……」

 

 

鉄華団の団員のほとんどは孤児であり、就学経験がある者は団長であるオルガくらいで、識字が可能な者も含めてもそう多くは無い。どんなところかわからないという不安は三日月にはなく、むしろ学校なら今まで読めなかった文字とか教えて貰えるんじゃないかという期待があった。

 

 

「火星ヤシと野菜の本は持っていこ。あとはアトラにお弁当作ってもらおうかな」

 

 

そう呟きながら三日月ははじめての学校生活に向けての第一歩を踏み出した。




鉄華団側の死者の今作での扱い
フミタン▶︎クーデリア強化素材なので死んでるでしょう。
ビスケット▶︎生きてても死んでても今作では変わらない気がする。でも話の場にいなかったということは、そういうこと
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