この気持ちは、何だろう。
私以外誰も居ない部室で、独り考える。
愛さんと出会ってから、わたしの世界は色で溢れた。同好会に入って、たくさんの仲間が出来て。苦手だった自分をアピールする事だって出来るようになって友達だって出来た。光が溢れた。楽しい…はずなのに。
なぜだろう。心に何かつっかえたような、何かが足りないような。そんな気分になる。
でも、本当は理由だって分かってる。
「愛さん…」
名前を呟く。
私の手を引いて、独りぼっちだった私を暗い世界から連れ出してきてくれた愛さんが。
最近、私に構ってくれないのだ。
いや、違う。愛さんは以前と変わらずに私と接してくれている。
それなのにそう思ってしまうのは何故だろう。
いや、それだって分かってるんだ。
愛さんと話す度に。
愛さんが笑う度に。
愛さんの優しさを知る度に。身体が、心が、愛さんを欲していく。黒い、うす汚い、独占欲にも似た感情が私の心と頭を支配していく。
「愛さん…」
堪らずもう一度呟く。
がちゃり。
体が震える。
酷く乾いたような、ドアノブの回る音。
顔を上げる。
「りなりー?」
愛さんがいた。
「あ…えっと、愛さん」
「ん?どうしたの?りなりー!」
やっぱり変わらない、太陽のような笑顔。やっぱり私はこの笑顔が好きなんだ、そう思うと同時に再び暗い感情が顔を覗かせる。
——わたし以外にもその笑顔を見せているの?
答えに詰まる。
——わたしだけに笑ってよ。
「あっ、えと、その…」
なんでもない
その一言が、声にならない。たった一言。たった六文字。
私の暗い一部分が、言葉を紡ぐ邪魔をする。
あぁ、視界がくらくらする。なにも考えられなくなる。私は独りぼっち、世界にそう言われているような気さえしてきた。
意識を手放してさえしまいたい。そんな時に。
感じたのは、『あたたかさ』。それはまるで卵を守る親鳥のような、赤ん坊を抱いてあやす母のような。暖かな温もり。
気づけば、私は愛さんに抱きしめられていた。
「りなりー、大丈夫?何かあった?相談して?」
視界がクリアになる。
私を支配していた、黒い靄のようなものが一気に晴れる。
「ううん、大丈夫。なんでもない。けど…」
愛さんに触れられるだけ。たったそれだけで、こんなにも幸福を感じてしまう。
「ちょっと、寂しかっただけ」
普段は恥ずかしくて言えないことだって言えてしまう。
単純だな、私って。
「そっか!じゃあ愛さんと遊びに行こっ!最近ヴィーナスフォートに新しい店出来たんだって!」
「っ、うん。行きたい」
やっぱり、愛さんはずるい。私が悩んでいる事だって、たったの一言で解決してしまう。
愛さんは大切なトモダチで、お互いに高め合う仲間で。そして、大好きな人。
もし、私にテレパシーが使えたなら。
もし、勇気があったなら。
わたしはあなたに
『大好き、ありがとう』って伝えたいんだ。
だから待ってて、愛さん。
これ、地の文にスペース無いと読みにくくない???