『侑さん!わたしはあなたが大好きです!』
アニメやライトノベルだったら、こんな告白をするのだろうか。到底わたしには言うことなんて出来ない。だって臆病だから。
話し合うこともせず、わたしによる一方的なアイドル像の押し付けでバラバラになった同好会。
わたしは逃げた。かすみさんに、エマさんに、彼方さんに押し付けたままにして逃げた。怖かった、取り返しがつかないと思った。臆病だった。
それなのに。
わたし、中川菜々が優木せつ菜であると同好会の皆さんに知られ、屋上に呼び出された時、あなたは言った。
『だったら、ラブライブなんて出なくていい!』
それはもう衝撃的だった。脳を直接殴られたように。積み上げてきた壁を破壊された感覚だった。
それでも。そのたった一言で私は踏み出せた。
優木せつ菜の復活ライブ。あの瞬間、わたしの、『優木せつ菜』としての気持ちを全て歌に乗せることが出来た。
あなたのお陰で同好会のメンバーとして、もう一度活動する事が出来た。
あなたが居なければわたしは優木せつ菜ではいられなかったかもしれない。どれだけ感謝をしても足りないくらいに、あなたから勇気を貰った。
「せつ菜ちゃん?どうしたの?」
思い出に耽るわたしに、ふと考えていたあなたからの声がかかる。
「いえ、なんでもありません」
「そっか、それならいいんだけどさ~。そうだ、そういえば皆のファンの子からね…」
「侑さん」
「…どうしたの?」
つい、あなたの声を遮ってしまう。でも。それでも。
今じゃなきゃ言えない気がしてしまって。だって、普段のわたしは臆病だから。だから、あなたの勇気を借りて言葉を紡ぎます。
「侑さん!わたしはあなたが大好きです!!」
━━━━━━━━━━━━━━━
せつ菜ちゃんは可愛い
顔が綺麗とか、雰囲気がとか、そういうものじゃない。
もちろんそれはそうなんだけど、可愛い。
「侑さん!」
わたしの名前を呼ぶ。
「おはようございます!今日も頑張りましょう!」
わたしに元気をくれる。
可愛い。
身長はわたしより少し低めの154センチ。同好会では璃奈ちゃんに次いで小柄。そこも可愛い。
ひとたびステージに立てば、その小さな身体からは考えられない、溢れんばかりのエネルギーを生み出し観客を魅力する。
それなのに、ちょっと子供っぽかったりして。
そんなところも可愛いよ。
え?わたしには歩夢がいるだろって?
分かってないな。もちろんわたしは歩夢の事だって大好きだよ。だって可愛いじゃん。
でも、せつ菜ちゃんだって言ってたじゃん。ほら、大好きを否定したくないって。
だからね、わたしは同好会のみんなの事が大好きだし、それは絶対に否定なんかしないよ。
可愛いよ。せつ菜ちゃん。食べちゃいたい。
文字数稼ぎの怪文書だYO