ちょっとエロティック。
「あはは、歩夢。これ、プレゼント」
愉快で、愉快でたまらない。なんて顔で笑う侑。
カチャリ
首に違和感。何かが着けられた。
「ちょっ、ちょっと侑ちゃん…?」
一体何が?
知りたくて、机に置いてある鏡を手に取る。
首輪だった。
「ねぇっ、ちょっと…なに…?これ…」
状況が飲み込めずに戸惑う歩夢を前に、侑は恍惚ともいえる表情を浮かべる。
「あのね、ときどき、歩夢に首輪をつけたくなるの」
「侑ちゃん…?」
妖艶、という言葉がピッタリと当てはまる雰囲気を纏った侑は、そのまま続けていく。
「気づいたんだよ」
「え…?」
歩夢の問いに侑は要領を得ない言葉を返し、さらに言葉を紡ぐ。
「とっても可愛くて、愛らしくて、愛しくてたまらない。一緒にいたい、何処にも行って欲しくない。じゃあ、どうすればいいのかって」
「ゆ、侑ちゃん…」
侑の口角が段々と上がっていき、それに連れて目が細まる。
それはまるで、獲物を狙う獣の如き顔つきのようで。
「これで、もう、ずうっといっしょ!」
「きゃっ」
床に組み伏せられる。
突然の行動に歩夢は抵抗する。しかし、いくらもがいても押し返す事は出来ない。
「ねぇっ…!侑ちゃん…!どうしたの…!?きょうっ、変だよ!?」
何かがおかしい、そう思い、侑に訴える。
しかし、彼女は何も答えない。
だんだんと顔が近づいてくる。
少し下がり気味の眉、エメラルドグリーンの綺麗な瞳。重力に逆らってこちらに垂れ下がる、毛先が緑がかったサラサラの髪の毛。
「ゆうちゃん…!」
何度も呼びかける。しかし、侑の顔はどんどんと降りてくる。
怖くなって目を瞑る。唇に柔らかい感触を感じたのも束の間、口内に何かが侵入してくる。無論、予想はつく。
侑の舌だった。
「んむっ…!?」
五秒、十秒、それ以上経った、が、まだ離れない。
やがて息が苦しくなり限界を迎えた時、ようやく口内への侵略が終わる。
「ぷはっ」
離れていくお互いの顔を見合わせる。
接着面からは銀色の糸が垂れる。
それを確認した侑は、またも恍惚の表情を浮かべる。
「あははっ…!あゆむっ!大好きだよ!」
歩夢は悟る。
もう逃げられない。
でも、もう、いいや。
「ゆうっ…ちゃん…!もっかい…シよ?」
「は…あゆむっ!!」
抵抗の無い獲物に勢いよく飛びつく侑。
もはや捕食と言っても良いほどの勢い。
お互いに理性なんてものはもう無かった。
そこにあるのは愛を貪り合う二頭の獣だけ。
時間も、道徳も、全てを忘れてお互いを貪り合う。
終わりの見えない、長い夜は続いていく。