オカルト伝奇系恋愛鬱ゲーに放り込まれました。   作:氷桜

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004/影響結果

 

翌朝。

全員が起き上がり、疲労を背負ったまま朝日の中で軽く食事を終えた後のこと。

 

「さて……どうするのじゃ、ご主人」

 

服に染み付いた木々の液体に鼻を向けて顰め面を浮かべる紫雨。

そんな表情をしている姿を誂いながら、全員の意見を纏める白の言葉。

 

「どうするって言うと?」

「言わずとも分かっておるじゃろう。 ()()()に関してじゃよ」

 

口内に張り付いた、僅かに残った軽食を無理矢理に飲み干し。

空腹を紛らわす意味もあって、水をそれこそ何杯も飲んでいた俺への確認。

目線は少しだけ湿気を帯びながら、誤魔化すことは許さないと告げている。

 

「あの、って…………アレか? 来る時に逃げ出した宿場町」

 

意図して強めの口調で問うた場所。

事情を知らない灯花と怜花さんだけは首を捻り。

事情を知る残りの仲間達は僅かに表情を曇らせる。

 

(……いつやったか知らんけど、意思疎通してたか? こりゃ)

 

明らかに全員の態度が同じ。

唐突な問い掛けに対しての態度ではない。

まぁ、俺自身も聞くか悩んでいたところはあったから問題がある訳でもないのだが……。

思考を読まれている、とかそういった方向性こそを危惧してしまう。

 

「そこ以外に何処があると言うのかや」

「……覚悟、必要、じゃない、ですか?」

 

頬を膨らませ。

警戒心を強め。

疑問に対して溜息を零せば、ジトッとした色合いが更に強まる。

 

「あー、いや悪い。 文句とかそういう意味があったわけじゃないんだ」

「ならどういう意味があると?」

 

明らかに機嫌を悪くした言い方。

ただ、それも本心から……或いは心の奥底から本当にそう思っている訳でもない。

其処まで露骨な態度を示してはいないし、目の奥には何かを期待する色合いも残っていたから。

 

「同じことを思ってはいたんだ。

 ただ――――先ず大前提として、寄っていくのは決定で良いのか?」

 

まあ、寄らない場合は食料がほぼ枯渇してる今を継続することになるが。

言葉にせずに全員に目を向ければ、同じように俺へと視線が集まる。

誰一人として、恐れを引きずっている様子はなく。

 

…………言葉はないが。

何方かと言えば、飢えを恐れている様子。

 

(いやまあ分かるけど。 俺もそんな気分引き摺りたくねーし……)

 

それに何より、あの変化がどう決着が着いたのかを確認したい。

神自体を打ち払えたとは言え、影響が永続して残っているなら道中で使える場所が一箇所減る訳で。

それ以外でも、街中で仕入れる一つ一つへの信用度が落ちるという面倒なおまけまで付いてくる。

故に、逃げ込める場所がまあ近くにある近場の宿場町を利用する、というのは間違ってない。

 

「なら、それを前提で言うが。

 ()()()()()先行して確認、戻った上でどうするか決める……としたい」

「あ、ワタシですか!?」

 

ザッ、と全員の目線が伽月に集まった。

重みさえも混じっているような気がするそれに一歩たじろぐのを他人事の目線で見つつ。

何故か灯花もその目線に混ざっている理由が良く分からんのでそのまま続ける。

 

「伽月なら気配消せるだろ。

 俺は気配隠さずに普通に出入りするから、何かあった場合の対策ならお前が最適だし」

「一切気を抜かないつもりではいますが、それでも足りないと?」

 

選別理由。

正直白でも悪くはないのだが、今回の場合は斥候と言うよりは護衛と言う役割に近い。

仮に襲われた場合でも、一撃の重みを重視する。

出来る限り短時間で済ませるという意味合いもあると言えばあるのだが……。

対人戦、という言葉は今は伏せておくことにする。

 

「足りる足りないの話じゃなくて役割の違いだってーの。

 地下に行った時と同じだよ、ただ相手が妖から人間になるってだけの話」

「……そういえば、朔君と二人で動いてたんだっけ? いいなー」

 

若干言葉にしない意味を含めて口にすれば。

やはり誂うように、そして凄まじい細目で伽月を眺める紫雨の姿。

隣にいる白と同じ目してる、って言ったら二人で喧嘩し合うんだろうか。

 

「それに何より、見掛けた顔がいたら即座に撤退するんだからな。

 食料の調達と確認、同時進行で進めるなら白か伽月のどっちかで落ち着くのは分かって貰えるだろ?」

 

なら吾でも、と言い出すであろう白へ横目をくれてやる。

それだけで理解してくれると信じる。

 

「なので、ちょっと落ち着いたらすぐ動くぞ。

 他の皆は動けるような状態で少し休んでてくれ。 二刻もせずに戻ってこれるとは思う」

 

往復で一刻……それも周囲を警戒しながらだから移動速度は大分鈍って、という状態。

何らかの結果が出たら急いで戻るつもりだし、実際にはもうちょい早く戻ってこれるだろう。

 

「……あの、お兄様?」

「んー?」

 

以上、と言葉を切って目線から逃げようとした矢先。

事情を知らない二人のうちの一人からの声。

それにうっかり反応し。

 

「とうかたちが、知らない何かがあるのですか?」

「あー」

 

知らないっていうか、言ってなかっただろうか。

もうその辺りも曖昧だが、ちゃんと言って良いのかも悩みつつ。

 

「……後で教えるわ。 気になるなら他の三人に聞いてくれ」

「待てい!」

 

逃げようと話を周囲に投げ。

その投げっぱなしな状態にお怒りを見せる白を無視し。

さーて、なんて言葉を青空に響かせた。

 

……直後、後頭部に鈍い痛みが走ったのは蛇足。

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