夏の暑さやらPBWやら夜を渡ってたら時間が消し飛んでました。
鉄の目スキル+1/弓攻撃アップ/スタミナ回復+1とか出ない?
回り込んだ先、当然のように晒された
視線が向くか向かないかは慣れたか、或いは見飽きたか。
けれども、一切視線がそれから消えることはないのを周囲の顔の向きから察する。
「…………え、っと」
「あー……」
そして、それを視界に捉えた時に漏れた感想の差。
何と口にしてよいのか悩んだように躊躇った彼女と。
時代劇で見かけたような、或いは想像できる木々で組まれた
赤茶色に染みの付いた、薄汚く穢れた布はその程度の存在だと指し示すように。
顎から上、ほんの僅かに残った首は斜めに傾けられつつも苦しみを訴えるように歪んだ表情を浮かべたままで。
(
幸運の前借り。
或いは今までは運良く見逃されていた、後回しにされていたものが見咎められた結果。
ある意味想定其の物……晒し首が幾つかに立て看板。
書かれていたのは当然のように罪状と、こうなるに至った経緯を知らしめる形跡一覧。
(やっぱ見覚えあると思ってたが……執行者集団かよ、アレ)
半ば朽ち始めた一つの面影に見覚えを覚えつつ、こうして明確に実行出来るだけの権力を持ったモノへの思考に移っていく。
出入り口に見えていた統一された鎧を身に着けた人物。
そして晒し首の周囲、僅かな影として隠れた周辺に感じる視線の持ち主も恐らくは同一集団だろう。
「伽月、行くぞ」
「え、あ、はいっ」
顔色を態と青くする。
視線を逸らす動きを出来るだけ自然に行いつつ、隣で
周囲に漂う腐臭もそれを後押ししているわけだが――――正直、あの神社の地下のほうが数百倍濃縮はされてるんだよな。
何も思わない、というただ一点に関しては自分自身でも違和感があるんだが。
「あの……」
「伽月は今まで見たこと無かったか?」
背中に向けられる視線が少しずつ薄れていくのを感じる。
この辺の技術は能力で身に着けられる類のものじゃなく、もう少し直感的……というか経験で身につけてしまうものに近い。
霊格上げで数年『幽世』に潜っていたから自然と覚えてしまったもの。
特に年齢的に舐められやすいが故に、
この辺上手い相手なら視線自体を伏せて、見ているけど見られていることを悟らせない、とか普通にやる筈なんだが。
執行者の一員なら当たり前に出来る……筈だし、敢えてそう感じさせているのか例外なのか。
(ま、考えるだけ無駄か)
「はい……あ、いえ。 山道の端の骸とかなら別ですが」
「そりゃまー、そうだよなー」
少なくとも、この世界に生きる人間で
街中のみで生きることが出来るだけの流れを組み込んだとしても、
だからこそ、ただ単純に『金』を持つ人間は何らかの理由で得た能力者との縁を離そうとはせず。
ただ単純に強さのみを突き詰めた能力者も、生活を行う上で必須となる『金』を得る伝手を手繰ろうとする。
……まあ、だから一番結び付きが強くなるのが例のクソ神社の派閥か街中の店の経営者になるんだけど。
「なんつーか、アレだ。 罪人を見つけては潰して回ってる集団の証、みたいなやつ」
前の世界で言うなら自衛隊と警察の合いの子みたいな感じ、とでも例えるのがいいのか。
いやどっちかって言うと米の国の映画の特殊部隊とかヒーロー要素も混ざってる特殊な立ち位置過ぎて例えようが難しい。
そもそもの切っ掛けは妖に襲われた一人の少女が能力者として覚醒したことを発端とする部隊。
そして襲われた理由が闇に落ちた能力者が裏で手を回したから、という復讐譚を源流に持つ組織。
人へは手を出さず、人と協力する妖の力を借り、人に仇成す汎ゆる存在を汎ゆる手段で潰すことのみを目的とする集団。
己達で定めたルールのみを護る、だからこその身勝手さを戒める意味を併せて
一応その組織に関わるイベントがあったから、そのルートに進むとそれなりに裏設定も知識として修めてはいる。
ついでにヒロインが……何人だったか、一人か二人だった気がする。
「あれが、ですか?」
「下手すりゃお前も関わる可能性あったかもな」
求めてる手段的に俺達よりも向こうと繋がる可能性のが高かったんじゃないのかね。
公に募集しているわけでもないから、その場その場で拾ったりしていく感じの筈だし。
ほへー、なんて後ろを向こうとする隣の少女を引っ張るように店の立ち並ぶ大通りへ向かっていく。
……不思議と。
消えたはずの視線が完全に途切れたような感覚だけは、ずっと無いままに。