右目を洗う。
左目を洗う。
口を濯いで顔を洗う。
両手足を清め、全員が其処までした上で改めて拠点を用意する。
(……男女比が偏ってるからこういう時面倒だよなぁ)
準備を進めているのは俺だけ。
その合間に女性陣は服の下までを近場の水辺で清めている。
順番を譲った――――と言えば聞こえは良いのだろうけれど。
実際問題、後から誰かが来る可能性を考えるなら先に済ませて貰った方が後々楽になる、という志向もあった上での行動。
今まで同行した際に要した時間から何となく掛かる時間は想定している。
本来だったら街で済ませれば良いだけなんだが、《根の国》に関わった以上は……そんな事言ってる余裕がない。
……そういう意味では、歩くだけで手一杯な程度に急速に回復を見せているあの人は凄い助かる。
ただ、その起動理由も多分
「成長してる事自体は悪くねーんだけど」
白の先程の発言。
能動的行動を許可して良いのかどうか――――結局は扱う当人次第になってしまうのだが、俺は
つまりは、複数個取得しても意味がないから取るとしても一つ。
出来る限り将来を踏まえた上で、必要なもののみ。
そうした場合……俺が今取れる選択肢は然程多くはない。
『
【
| 『朔/深度14』 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 『力』 | 『霊』 | 『体』 | 『速』 | 『渉』 | 『呪』 |
| 9 | 10 | 13 | 18 | 20 | 1 |
【
| 未取得/0点 | |||
|---|---|---|---|
| 【血】 | 『洽覧深識』 | 1/1 | 相手ヲ知リ、己ヲ知レ。 |
| 【無】 | 『写し鏡の呪法』 | 1/1 | 自身の内側の情報を水鏡に映し出す簡易呪法。 |
| 【無】 | 『狩る者の眼差し』 | 1/1 | 任意対象の生命力・霊力・状態を確認する眼差しを得る。 |
| ┗ | 『彼方ノ幻想視』 | ■/■ | あり得ざる世界を見つめる目。【禁忌】【干渉:五感】 |
| 【無】 | 『習熟:長柄』 | 5/5 | 長柄武器の扱いに習熟する。能力上昇で補正。 |
| 【無】 | 『徒人の慧眼』 | 3/3 | 鑑定に習熟する。能力上昇で補正。 |
| 【花】 | 『瘴気変換:霊力』 | 3/5 | 周囲の瘴気を霊力に変える体質へと変化する。 |
| ┗ | 『瘴気吸収:霊力』 | 3/5 | 瘴気を吸収し、常時霊力を賦活する体質。 |
| 【花】 | 『瘴気変換:生命』 | 3/5 | 周囲の瘴気を生命力に変える体質へと変化する。 |
| ┗ | 『瘴気吸収:生命』 | 2/5 | 瘴気を吸収し、常時生命力を賦活する体質。 |
| 【鳥】 | 『迫撃』 | 3/5 | 対象の内部を貫く一撃。【物】【格・長】【麻痺発生】 |
| 【月】 | 『式王子の呪』 | 1/1 | 式を扱う才能を目覚めさせる。強さは主と同等となる。 |
| ┗ | 『比翼の交わり』 | 1/3 | 死した式に今一度の生を。【蘇生:式】 |
| 【月】 | 『劣火の法』 | 3/5 | 対象の害する才能を劣化させる呪法。【物・魔】 |
| ┣ | 『法則干渉・低』 | 5/5 | 他者に影響を与える呪法の効果量増加。能力上昇で補正。 |
| 【月】 | 『削減の法』 | 3/5 | 対象の肉体を脆弱化させる呪法。【物・魔】 |
| 【月】 | 『封縛の陣:地』 | 3/5 | 対象の行動を阻害する陣を刻む。【物】【半減/魔】 |
| 【月】 | 『治癒の円』 | 3/5 | 呪法陣を利用し、部隊を治癒する。【全体】【呪法陣】 |
| 【固】 | 『 | 1/1 | 終わりの一撃。【継承】【段階増】【段階低】【禁■】 |
「結局こうなるわけで」
長期戦向け。
それも戦闘を手早く終わらせることでの短期戦ではなく、文字通りの意味合いで常に最適な戦力を保ち続けられるようにする選択肢。
唯一保持する攻撃手段も一点だけ伸ばしたが、これは上位への派生を踏まえた上で必要になる能力としての選択だ。
もっと単純に強化したいなら能力値に固定倍率補正を増やす【無】の基本能力でも良いんだが、今の俺の立ち位置からすると悩みどころで今回は諦めた。
(……純粋な防御役がいないのが俺等の欠点ではあるんだよなぁ)
能力を見て、ふと思う。
周囲に飛ばされる攻撃を引き受ける役。
後衛に飛んでくる攻撃を受け流し、被弾其の物を無かったことにさえ出来てしまう役割。
今から変更しよう、なんて行動が取れるわけもない。
可能性があるとすれば、何処かでその方向を選んだ仲間を拾い上げるかどうかだが……それにしても、現在の部隊から入れ替える必要が出てくる。
ついでに言うなら拠点を設置しないと多分拒否されるだろうし、今の年齢っていう面もある。
こればっかは待つしか無いとしても、どうするのが正しいのか。
そもそものところ。
何処までが俺が持つ知識どおりなのか、そしてそもそも何故こんな事になっているのか。
その正しい答えが未だに不明である以上は、慣れ親しんだ(してしまった)方向への育成を是とするわけで。
溜息のほうが多くなってしまうのはどうしようもないと思う。
ぱちりぱちりと火の粉が飛んで、もう一本木の枝を放り込んだ。
全員が水辺から戻るまでにあとどの程度時間が掛かるのか。
何となしに、『写し鏡の呪法』を見ながらそんなことを思った。
――――水鏡に映る顔が。
ほんの少し前より。
旅立つ前より、明確に成長してしまっているような感覚を押し殺しながら。