オカルト伝奇系恋愛鬱ゲーに放り込まれました。   作:氷桜

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暫くは成長パートを含むので分量が短めになるかと思います。


023/”成長”

 

はっきり言えば、気付かなかったと言うより外部からの影響での変質に近い……のだと思う。

 

潜り込んだ結界の中と外の差異。

つい先程まで入り込んでいた、特殊な領域。

そして其処から此処まで戻るまでに歩いてきた、僅かな時間。

 

それらが複合し、本来ならば即座に反映されていてもおかしくなかった変化が今追い付いた。

多分、自分の顔を定期的に見る習慣がある霊能力者だからこそ気付けた変質。

常に一緒に行動していたからこそ周囲の誰もが指摘できなかった事実、或いは妄想。

 

水音も、ついでに言えば女性陣の声が何も聞こえない場所だから他の仲間達が気付いているかは不明ではある。

あるが、遅かれ早かれ気付くことにはなると思う。

 

精神的な年齢と、肉体的な年齢のズレ。

其処まで大きく影響される程滞在したわけではないし、自分達の内面を護る意味での能力も最低限は備えている。

 

(……成長した、って捉えるべきか。寿命を費やした、と捉えるべきか。ちょい悩ましいな)

 

前者であればある種の福音。

後者であればある種の呪怨。

どう捉えるかで微妙に違いはあるが、結果的には同じモノ。

 

だから……問題となるとすれば。

どの程度違いがあるか、周囲からどう見られるか。

多分その辺りに落ち着く形になるのだろう。

 

既に神との『契約』を果たしている以上。

俺にとっての寿命は、文字通りの意味合いで殆(・)ど(・)意(・)味(・)を(・)為(・)さ(・)な(・)い(・)モ(・)ノ(・)に(・)変(・)質(・)し(・)て(・)い(・)る(・)のだし。

 

「……朔、くん」

「ご主人」

 

そんな疑問を抱きながらの水鏡の確認。

其処から目を離したのは、二つの声色が聞こえてから。

 

「全員終わったか?」

 

目線を上げれば、身体を清めてきたばかりの二人の姿。

襤褸布に髪を挟み込み、拭っている様子の白とリーフ。

 

こうしてみると、リーフもなにか少しだけ成長している……ような気がしないでもない。

身長というか体格と言うか。

もう少し全体的に、根本的な何かが変わっているような感覚。

ただ、その”なにか”の前との比較が出来ない為に口籠る他無い。

 

「……怜花さん、と、灯花、ちゃんが、まだ」

「まあ飲み食いは出来るんじゃろう?」

「それもそうだが、日が暮れるまでに済ます必要はあるだろ」

 

日は傾き始めてはいるものの未だ中天に近い。

だから、そんな風に説明するのも半ば逃げに近いところはある。

……風呂上がりの女(・)性(・)、という存在に意識を向けるだけの余裕がある、という意味合いでも。

 

身体を乾かす。

肌に残った水滴を蒸発させる。

それらを焚き火に近付く、という行為で実施しようと近付いてくる。

 

中身と外側の不一致。

それを現在進行系で体感する羽目になりそうなので、遠ざけようとして。

 

「ま、待っているだけというのも退屈じゃしな」

「そういう話でもねえんだが……」

「そこでだが、ご主人」

 

当たり前のように『写し鏡の呪法』をほぼ同時に行使する二人。

それがある以上、距離を離す選択肢は即座に消えた。

 

「吾等はどのようにするべきだと思う?」

「……教えて、くだ、さい」

 

身体を寄り添い合うような近さ。

挟まれるような状況。

 

『ちゃんと教えてあげないとね~?』

 

直ぐ側で聞こえる誂い声を無視し、此方に向けた写し鏡の画面をそれぞれもう一度確かめた。

 

 

『白(ましろ)』

 

【霊能力(ステータス)】

 

『白/深度14』
『力』『霊』『体』『速』『渉』『呪』
198182312

 

【能力(スキル)】

 

未取得/11点
【血】『洽覧深識』1/1相手ヲ知リ、己ヲ知レ。
【無】『写し鏡の呪法』1/1自身の内側の情報を水鏡に映し出す簡易呪法。
【無】『染者/花鳥風月』3/5布製品の作成能力を取得する。能力上昇で補正。
【無】『習熟:刀剣』5/5刀剣類の扱いに習熟する。能力上昇で補正。
【花】『瘴気変換:生命』3/5周囲の瘴気を生命力に変える体質へと変化する。
【鳥】『兄宇迦斯の指先』5/5解錠・解呪を可能とする。能力上昇に応じて補正。
【鳥】『鶺鴒の見通し』 5/5 幽世での発見行動を可能とする。能力上昇に応じて補正。
┗『鶺鴒の眼光』 1/5 現世・幽世での発見行動を強化。
【鳥】『血飛沫月光』5/5血液を月光に晒す。【物】【刃】【出血発生】
┗『血染月扇』1/5その速度は全てを裂く。【物】【防御貫通】【範囲】
【月】『月読ノ導き』3/5自身の種族特徴を取得する。能力上昇に応じて変化。

 

『リーフ=クライエント』

 

【霊能力(ステータス)】

 

『リーフ=クライエント/深度13』
『力』『霊』『体』『速』『渉』『呪』
4111313124

 

【能力(スキル)】

 

未取得/12点
【血】『洽覧深識』1/1相手ヲ知リ、己ヲ知レ。
【無】『V・S・タロット』1/1自身をカードに映し出す簡易呪法。
【無】『運命神の導き』5/5任意の事象を占う天性の才。
【無】『夢幻の泉』1/1霊力を何処かから供給され続ける才能。
【無】『徒人の薬学』3/3初歩の初歩である薬を生成出来る。
┗『魔女の薬学』1/5相手を害する薬を生成できる。【魔女】
【花】『霊力防護』5/5自身が受ける損傷を霊力で軽減する。
┗『霊力防壁』1/5部隊が受ける損傷を霊力の壁で軽減する。
【風】『詠唱短縮』5/5威力を減少させ、呪法の詠唱時間を短縮する。
┣『詠唱操作』1/5任意詠唱を定め、それに応じた呪法を放つ。
【風】『追加詠唱』5/5詠唱時間を延長させ、呪法の威力を増す。
『風』『呪法:火球』1/5火の球を相手に投げつける。【魔】【火】
【風】『太陽神の裁き』3/5陽光を以て敵を討つ。【魔】【木・風】【敵全体】

 

白の能力は、僅かに一点既に割り振っていた。

恐らくは範囲手段を求め、修練を兼ねて”使えるよう”にしたのだろう。

 

それに対し、リーフは特段霊能力以外は割り振っていない。

自分の意思がない――――と言うより、選択肢が多過ぎるからこそ選べていないような感覚がある。

 

……助言はできる。

ただ、選択自体は最後は当人達のモノ。

それを踏まえるなら、口を出せる内容は。

 

「リーフは……威力だけを突き詰めるか、もう少し出来ることを増やすか。

 白は――――ちょっと悩むな」

 

本来取るべきである自動回復系能力、特に霊力を必要としないリーフの場合は何方かと言えば最大量が問題になる気がする。

反面、白は斥候としての能力を突き詰めるか。或いは戦闘手段か、出来ることを増やすべきなのか。

……少しだけ、話し合う必要はありそうだ。

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