オカルト伝奇系恋愛鬱ゲーに放り込まれました。   作:氷桜

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032/利益

 

狩って。

狩って。

休み。

また狩って。

 

「…………ちょいやり過ぎたな、うん。」

 

宝珠を手に入れてから少しテンションが狂ってた自覚はある。

 

潜り始めて多分三日目。

持ち込んでいた道具(貴重品以外)を廃棄……も勿体無いので強引に使い。

薬の悪影響の確認とかも済ませ、普段通りに分配し。

要らないものをその場に残して帰宅。

 

普段通りに数日後、落ち着いた頃。

全員の意識を共有する場にて、そんな言葉を口にしていた。

 

「……ちょっと、で済むのか? これが?」

 

手元には特性の薬湯が湯気を立て。

煙の奥には、ちょっとした小山のようになった武具防具。

目当てだった『悪婆』素材に関しても必要十二分、と言った具合。

 

大量過ぎる。

伽月加入前の三倍近くに匹敵するくらいだよな? この量。

 

「…………昔に比べれば、まだ量は少なかったですけど。」

「……つか、れ、ました。」

 

目が死んでいるように見える伽月。

足腰が震えているリーフ。

何方かと言えば思い出したことに依る悪影響だろうから一旦無視。

 

「一箇所に最適化した部隊とかだと3~4人で回して残りは荷物持ち(ポーター)とかもあるらしいぞ。」

「それとこれとは話が別じゃろうが、阿呆。」

 

『力』を伸ばしていない、という理由もあるんだろうが。

リーフの持てる量が少なかったから伽月に変わって持って貰ったり。

恐らく限界一杯まで担いだせいで明らかに動きが鈍った俺達を妖が襲ったり。

色々と濃厚過ぎる時間ではあった。

 

「……取り敢えず、前衛の意識は統一出来たと思うがどうだ?」

 

これを行ったのは、単純に言えば業の都合。

どれを売っても一定額以上になりそうな複数付与が幾つも見つかったから。

俺等向けではなかったが、付与効果が二つとかになれば倍率計算が更に掛け合わされる。

単純に言ってしまえば懐が更に暖かくなるから、という事。

 

(それに、自分の限界を確かめるのにも定期的にやっておきたいしな。)

 

そして、今回これを強行した裏の理由が二つ。

一つは荷物を限界まで持った場合の能力減少具合を再体感。

そして今後もこれが続くことを考えると後衛にドロップ対応を任せる事の通達。

……つまりは、紫雨を加入させるための前振り。

 

もう一つは超能力(ステータス)が上がったことでの肉体への影響確認。

成長期による身体の変化と超能力の成長による変化。

何方も増加するのは間違いないので基本的には良いことなのだが。

その跳ね上がり具合は定期的に何らかの形で確認するしか無い。

 

(俺も其処まで重視してないが背負袋一杯になるまで持てたし……。

 もう一回り大きい、成人後でも普通の背丈が持てるような奴に買い替えるか。)

 

身長は……まあ、平均的くらいで落ち着いてくれるのが理想なんだが。

 

「……そうですね。 後ろの方に持って頂けるのなら助かります。」

 

伽月はまあ予想通り。

この中だと一番この辛さを知ってるもんな。

 

「ただのう……。」

 

だが、白には半目でジトっと見透かされている。

多分内心では間違ってない、という感情と戦ってると思う。

……でも向こうも似たようなこと思ってるだろうし、似たもん同士なんだけどなぁ。

どっちが近くに寄るか、みたいな部分で喧嘩されても困るだけなんだが。

 

「白ー。」

「うぐ。」

 

はぁ、と分かるように息を吐く。

いい加減にしろ、と意味を込めての行動ではあるのだがちゃんと伝わったらしい。

少しだけダメージを受けたように押し黙る。

 

「当然向こうにもそれは言い聞かせる。

 立場だけで言えば此方に選択権があるんだ。」

 

まあ、フォローもする。

この辺りは言わなくても向こうも分かっているだろうが。

 

「だから摺り合せた末だ。改めて条件提示とかがあるなら考えとけ。

 ただ、個人間の事情を持ち出すんじゃねえぞ?」

 

……この後の売却は全員で行くことにする。

その際に親父さんには話をもう一度通しておこう。

 

「……で、話をちょっと変えるが。」

 

一旦話を切り替える。

幽世の中でした話をもう一度伝えておきたかったから。

 

「宝珠にも関することなんだが……今後は巫女探しを優先する、でいいよな?」

 

今の俺達の部隊の人員。

斥候型軽量前衛。

対多数併用純前衛。

干渉特化型中衛。

対多数魔法特化純後衛。

 

此処に商人兼用弓手兼道具使用者が増えるとして。

後一枠を埋めるなら回復役、ということは常々伝えていたから恐らくはこれは問題ない。

 

「……はい。」

「私は言える立場ではないので……。」

「それは良いが、ご主人の言う”巫女”は条件があるんじゃったよな?」

「ああ。」

 

出来るだけ濃い……とまでは言わない。

神職の血を受け継いだ超能力者を探したい。

 

「それ即ち、何処ぞの派閥に近付くということか?」

 

日ノ本の中で――――もう少し正しく呼ぶなら、超能力者の中での神職の派閥は二つ。

崇める神々は八百万だから、何を根幹に据えているかの差と言い換えても良い。

 

一般人にも使用できる妖避けなどの道具作成を根幹に置いた『神具派』。

妖を狩る事を根幹に据え、衆生を護ることを第一に置く『対峙派』。

 

仲が悪いといったことは無いのだが、人が集まれば派閥が出来るとは良く言ったもので。

何方も派閥の長を置き、その二人の上に初代からの血脈を受け継ぐ一族が統べる形。

その何方を探すのか、と言われて。

 

ちょっとだけきょとん、とした後で……。

相違や伝えてないことに思い当たって謝罪。

 

「あ、すまん。 俺が最初に目指すのはどっちでもない。」

「は?」

 

そもそもその場にいるかすら分からんが。

もしいるのなら、加入させる……いや。

立ち直らせてやりたい子が一人いる。

 

「先ず行く場所は既に廃れた神社だよ。 其処で見つかるかどうか次第になる。」

「は!?」

 

もし捕まるなら、捕まえたいよな。

隠しキャラ。

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