もしも、Tot Musicaが違う魔王だったら?   作:ゲーム最高

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やっぱり平成ライダーが大好きですね。その集大成であるジオウは傑作です


魔王

 

 

音楽の島「エレジア」

 

その名の通り、音楽の都として栄えており何処も彼処も音楽が聞こえ、それぞれの音をよく聞いてみるとまるで1つの合唱曲が島全体を奏でているようにも聞こえる。

 

 

この島に訪れた『赤髪海賊団』

 

 

船長「赤髪のシャンクス」を初めとした

 

 

副船長「ベン・ベックマン」

 

コック「ラッキー・ルゥ」

 

狙撃手「ヤソップ」

 

電撃使い「ライムジュース」

 

音楽家コンビ「ボンク・パンチ」と「モンスター」

 

航海士「ビルディング・スネイク」

 

船医「ホンゴウ」

 

戦闘員「ハウリング・ガブ」

 

 

と言った個性豊かな集団が纏まった海賊団である。

なお、大頭を務めるシャンクスの懸賞金は10億ベリーではあるものの、船員(クルー)一人一人の実力が高く、バランスの取れた鉄壁の海賊団であり、後に四皇へと上り詰める大海賊なのだ。

 

 

「ふぅ~、ちょっと歌いすぎちゃったかな」

 

 

そんな海賊団が何故、偉大なる航路(グランドライン)前半の海にいるのかと言うと、実はシャンクスには娘がいた。

 

 

勿論、彼自身結婚などしていない。

 

経緯を説明すると、海で遭遇した敵の海賊団と戦闘にて勝利し敵から奪った大量の宝箱の中身を確認している途中だった。

その中のひとつに小さな赤ん坊が入っており、その赤ん坊の名が「ウタ」

 

彼が付けた名前であり、当初彼女を発見した海賊団のメンバーは困惑していたが、自分自身がロジャー海賊団に拾われた経緯が頭によぎった彼は「これも何かの縁か」と感じ、名前を付け赤髪海賊団の音楽家、血は繋がっていなくても実の娘のように育てることにした。

 

 

2歳の赤子だった彼女は9歳の少女へと成長し、今では赤髪海賊団を癒す音楽家となっており、近くの椅子に腰を下ろし休息を取っていた。

 

このエレジアに訪れた時、国王であるゴードンに音楽の授業を受けていた。

彼女はこれまで赤髪海賊団で歌を歌っていたがそれも自己流で作り上げたもの。

 

娘の事を思ってなのかシャンクスはこのエレジアへ連れて最先端の技術が詰まった英才教育を受け、それら全てをスポンジのように吸収し、急成長を遂げた。

 

その天才的な成長は幾多の音楽家を見てきたゴードンははまさに音楽の神々からの籠愛を受けているに違いないと評価する程だった。

 

そんな彼女の才能に感激を受けたゴードンは「ウタをこの国に預け、歌手としての英才教育を受けてみるのはどうだろうか?彼女ならば世界最高の歌姫になれる、いやしてみせる!」と熱く提案してきた。

 

それを聞いたシャンクスはこの提案を受け入れてみるのもいいんじゃないかと感じていた。このまま海賊船に乗せて航海を続けてはいつしか彼女も海賊として同じ扱いにされかねない。それが彼女の為にもなるのではないかと考えてウタに「この国に残っても良いんだぞ?世界一の歌い手になったら迎えに行ってやる」と提案を述べていたのだが、

 

 

『ヤダ!私は赤髪海賊団の音楽家だよ!何よりシャンクス達から離れるなんて……』

 

 

この国に残りたいと言うのは嘘では無いが、自分の居場所は赤髪海賊団とフーシャ村にいる1人の少年。ずっと一緒だった家族と離れ離れになるなんて嫌だと涙を滲ませるウタを見てシャンクスは抱き寄せ

 

 

『わかった。そうだよな悪かった。明日にはここを出よう』

 

 

シャンクスからゴードンからの提案を事情を話しながら断った。

彼には申し訳ない事をしてしまったと思いながらも話すが、逆に向こう側も大切な幼子を家族の元から引き離すような提案をしてしまった事を謝り、お詫びの印として別れのパーティを開かせて欲しいと頼んだ。

 

 

なお、ゴードンが開いたパーティは勿論、満員となっていて何より天賦の才を持つウタと関われるのもこれが最後かもしれないと思った多くの人々はウタの元へ行き自分達の作った楽譜をウタに歌わせていた。その歌声は国中に広がり人々は万雷の如く拍手喝采を送った。

 

 

 

国民から歌って欲しいと頼まれ、様々な歌を歌ったせいか、少しばかり近くのソファで休息を取っていたウタ。

 

「ふふふ、帰ったらルフィに沢山自慢してあげよう」

 

脳裏に浮かぶのは何かと勝負で競い合う幼馴染の姿。きっと彼はもうぐっすり寝ているだろう…そう思いながら微笑む。

 

 

「今度はどんな勝負しようかな~?

 

ん?」

 

 

向こう(フーシャ村)に着いたら、何をしようかなと考えた矢先、彼女の視線が何かを捉えた。

 

 

「…あれ?この楽譜…こんなものあったっけ?」

 

随分黄ばんだ古い楽譜だった。それこそ紙自体が劣化しているせいで音符が読み取れなかったものの

 

 

「えっとなになに……トット…ムジカ?」

 

 

題名だけは読めた。それもエレジアにおける最先端の音楽技術やゴードンの指導による賜物。

 

だが、その題名自体が不味かった。

 

 

「ッ!?キャッ!?」

 

「どうした!?ウタ!」

 

 

ウタが古びた楽譜の題名を読み終えた途端、突如楽譜が輝きだし思わず投げ捨てるように楽譜を手放した。

 

それを見たゴードンは顔を青ざめながら

 

 

「その楽譜はトットムジカ!?……不味い!!」

 

 

何が不味いのかトットムジカとは何かと船員達は問いかける。

 

 

「トットムジカは古代から続く、人の思いの集合体。寂しさや辛さなど、心に落ちた影……魔王とも呼ばれるもので触れてはならない禁忌」

 

「だが、何故だ?トットムジカの楽譜は城の地下に封印されている筈……

 

まさか!?彼女の歌に引き寄せられたというのか!?」

 

 

色々と聞きたい事が山ほどあるが、今はそれどころじゃない。何せ彼女が読んだ楽譜の輝きが増して周囲が光によって埋め尽くされ、

 

 

 

ドオォォォンッ!!!

 

 

 

爆音、そして衝撃が発生したと共にウタは尻もちを着いてしまう。

シャンクスは何とかウタを助けようとするが、衝撃波のせいで一向に近寄れない

 

 

「ッッ……ウタ!!」

 

 

彼女は無事か?迫り来る爆風に対し、腕で何とか防ぎながら状況を確認すると、視界に映ったのはウタの前に降り立った異形の人らしき物体

 

 

 

 

人によっては「悪趣味な高級時計」のような印象を与え兼ねない、華美が過ぎる装飾が増え全身が黒と金で統一されている。

肩からは黄金の勲章をかけており、背中には時計の長短針を模したプレートによって構成される大時計がマントの様に装着している。

 

顔も時計風で眼の役割を果たしているのか『ライダー』の文字を描いた複眼。その形状は翼を広げた鳥のよう。

 

文字盤部分は幾つもの小さく高精細な『王』の文字が並んだ柄になっている

 

 

「(なんつー覇気だ……ロジャー船長と同じくらい)」

 

 

ひと目で見れば分かる……此奴はかなりやばい。

自身の船員(クルー)達も冷や汗を掻きながら警戒態勢に入る。

 

戦闘になるのは確実だ。だが、問題は此奴とどうやって戦う?

 

近くには尻餅を着き怯えているウタの姿が確認できる。

 

 

「…………」クルリ

 

「ヒッ……!」

 

 

時計を模した怪人はゆっくりと彼女の元へ歩み出す。

その間に赤髪海賊団は危険分子である彼を排除する為か攻撃態勢に入り、行動に出た瞬間……怪人の意外な行動により停止した。

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね。驚かせちゃったかな?」

 

「えっ……?」

 

 

怪人は膝を着き、怖がっていた少女を安心させるように優しく声を掛ける。

意外な行動を取った余り赤髪海賊団は混乱してしまう。

 

 

「俺を呼んだのは君かな?お嬢さん」

 

「え…ぁぁ」

 

 

まだ、恐怖で口が上手く回らないのか喋る事が出来ないウタ。それに気づいた怪人は

 

 

「あっ…ごめんごめん。この姿だと怖いのも無理はないよね。待ってて」

 

 

 

見た目とは相反して優しい声で話すと、怪人の身体が一瞬光に包まれ、収まると周囲は驚愕する。

 

 

先程の姿とは打って代わり、見た目は20代を思わせる若々しさを持ち、顔立ちも整っている。そんな彼が浮かべる笑みにはどこか裏がありそうな感じがするのだが、それを感じさせないほどの美男子であることは確かだった。

 

 

「これなら、大丈夫そうかな?

 

では、改めましてこんにちはお嬢さん。さっきはごめんね。びっくりしたでしょう?」

 

 

怯える彼女の頭をポンと手に置き、優しく撫でた。

 

「ぇ……あ、え?」

 

未だに状況が飲み込めないウタ。長く続く沈黙に打ち破ったゴードンが代わりに問いかける。

 

 

「し、失礼…私はエレジアの国王を務めるゴードンという者です。貴方は一体?」

 

 

「俺?……あぁ、俺は魔王。

君達が呼ぶトットムジカって言った方が分かりやすいかな?」

 

 

「「「「「えぇぇぇぇぇぇーー!?」」」」」

 

 

 

それを聞いた人々は「これが、あの古の魔王?」「想像していたのと全然違う」「でも、さっきの姿の方がよっぽど魔王っぽかったよ」とザワザワし始める。

 

 

「お前の目的はなんだ?」

 

次はシャンクスが彼に問いかける。

 

「目的?…俺もさっきそこのお嬢さんに呼び出されたから、目的なんてないよ」

 

「もし、ウタに何かしようとするのであれば……」

 

 

愛剣グリフォンの柄を握ろうとした瞬間、彼はこう答える。

 

 

「ウタ……随分と可愛らしい名前だね」

 

「あぁ。俺達の大切な娘だ。それで?お前はこの娘に何をするつもりだ?」

 

「俺がこの娘に手をかける?……それはない。ましてや手出しも何も出来ないし、俺はこの娘に呼び出されたからね。

仮に傷をつけられるとした場合、それは彼女自身が命令する事かな?」

 

 

その後も色々な質疑応答をされていたが、人の姿をしたトットムジカは難なくスムーズに答える。

エレジアの国民は怯えていたが、彼の行動が余りにも人間らしかった為、徐々に警戒心を解き、いつしかパーティを続けていた。

 

ウタはトットムジカの楽譜と現れた魔王に対して状況を飲み込もうとしたせいか、いつの間にか眠ってしまった。

シャンクスはゴードンに案内された個室まで運びベッドに寝かせた。

 

 

一方でトットムジカはまだシャンクス達に警戒されているのか、少し時間を取って質疑応答を繰り返していた。

 

 

 

 

「それで?他に何か聞きたい事は?」

 

「いや、知るべき事は全部知れた。」

 

城のテラスにて双方相見えながら、質疑応答をしていたシャンクスだったが、聞きたいことが聞けてスッキリしたのか先程、鋭い目付きと表情は裏腹に健やかに笑っていた。

 

「悪かったな。長い時間を取っちまって、お陰でパーティもいつの間にか終わってるしな」

 

「気にしないで、あんな登場したらそれは皆びっくりするだろうし、シャンクスが信用し難いのも無理ないと思うよ」

 

 

テーブルの上に置いてあるワインをシャンクスのコップを注ぎながら会話する魔王。

一口飲み干したシャンクスは再び彼に問いかける。

 

 

「お前はこれからどうするつもりだ?」

 

「そうだね~、一度出てきたからにはもうあの楽譜には戻れないだろうから……」

 

「そうなのか?」

 

「うん。それに俺は自分を呼んだ彼女の命令しか聞けないからな」

 

「ウタの…か?」

 

 

 

召喚されたトットムジカ。まだ分からない所だらけではある。

 

しかし最初は警戒していたシャンクスだったが、今打ち解けたからこそ分かる。

 

 

 

此奴は良い奴だ

 

 

 

 

 

「なぁ、トットムジカ」

 

「うん?」

 

 

「お前……

 

 

 

 

俺達の船に乗らないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後……

 

 

「こっちこっち!ムジカ!」

 

「そんなに引っ張らなくてもいいのにな」

 

音楽の島エレジアから出航し、この船はある島へと向かっている。

 

ウタはあの後、目覚めるとムジカに興味を持ったのかすぐに仲良くなり、今レッド・フォース号の船内を案内しながら歩き回っていた。

赤髪海賊団も彼女が認めたならばしょうがないと言い、トットムジカを仲間として迎えられる事になった。

 

 

 

「ここが、倉庫で生活に必要なものが入ってるんだよ!」

 

「なるほどね」

 

「で、これが舵輪で船の向きを変える事ができるの!」

 

「へぇー、よく作られてるね」

 

 

他にもまだまだ見せたい所が沢山あるので来て欲しいと案内されるが……

 

 

 

 

「敵襲だ!」

 

船員(クルー)のひとりがそう叫ぶと甲板から確認する。

確かに敵船が何隻も此方に向かってきているのが分かる。それを聞いたウタは不機嫌な顔で

 

 

 

「もう折角、ムジカを案内している途中なのにッ!」

 

「そう怒るな。すぐに片付けに行く。ムジカ…ウタを頼んだぞ」

 

「わかった」

 

 

そう言われるとシャンクスに案内された部屋に入り、「二人ともここで待っててくれ。大丈夫…すぐに終わらせてくるさ」と笑い、愛剣"グリフォン"を携えて扉を閉めて行った。

 

 

扉が閉まると、向こう側からクルー達が己の武器を手に取り音が聞こえる。

 

数分も経てば戦闘状態に入るだろう。

 

 

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ……ドオォォンッ!!

 

 

何かが飛んできて海に着弾する音が聞こえ、船体が揺れる。察するに敵船が攻撃してきたのだろう。

 

 

 

「ねぇ、ムジカ……シャンクス達は大丈夫かな?無事に帰ってくるよね?」

 

先程の元気はどこへ行ったのやら外の様子に怯えながら、ムジカに抱き着くウタ。

 

 

この子はまだ9歳でありながら賢明であった。

 

自分は歌を歌う事しかできない。自分が戦場に出てしまえば返って彼等の邪魔になってしまうと……しかし、それ以上に今何も出来ない自分が悔しいと感じている。

 

 

 

こんなものでは赤髪海賊団の音楽家では無い。

音楽家であっても、自分を大切にしているシャンクス達の役に立ちたい。

 

 

そんな思いがムジカにははっきり伝わっていた。

 

 

「お嬢はシャンクス達を助けたい?」

 

 

目を見開き「どうして私の考えていることが分かるの?」と呆気を取られたがすぐに彼女は

 

 

「うん、あたしシャンクス達を助けたい!いつまでも守られているばかりじゃ、ヤダ!」

 

 

決意を固めた彼女の瞳に強い意志が宿っているのが見えた。

 

 

しかし覚悟は決めたものの実際に行動に移すのは難しい。何せ彼等は命の取り合いをしている。そんな光景をまだ幼く9歳の女の子に見せるのは余りにも危険すぎる。

 

 

部屋から出ようとするがムジカが扉のドアノブに手をかけると彼女の身体は震えていた。やはり怖いものは怖いのであろう。

 

 

「……ッ!!」

 

 

怯えてはいるが、その瞳に宿る意志は先程と変わらず輝きを放っている。

しかし、どうすればいいのか分からないのが健在だ。

 

そこでムジカはある提案をする。

 

 

 

「えっ?"歌う"だけでいい?」

 

 

「そう。けど、ただ歌うだけじゃない…願いを込めながら歌うんだ。君の持っているモノ()を最大限に活かす。そうすれば俺とお嬢でシャンクス達を助けられる」

 

 

「ッ…!分かったムジカ!あたし歌うよ!シャンクス達を助ける為に!」

 

 

シャンクス達を助けるにはウタの歌が必要不可欠だと伝わった彼女はにこりと笑い、大きく息を吸ってから、歌い始める。

 

 

事前にムジカが用意していた楽譜を渡すと、それを読み一通り覚え歌い始める。

 

 

楽譜の題名にはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

『Over Quartzer』

 

 

 

 

その歌詞には過去と未来を超えていくという思いが込められており彼女が歌う事で初めて命令が下される。

 

 

 

 

──シャンクス達を助けて

 

 

 

 

願いを込めたその歌を聞き、ムジカは自分の一部である『オーマジオウドライバー』を顕現させる。

 

 

 

「変身」

 

 

 

祝福の(とき)

 

 

最高!

 

最善!

 

最大!

 

最強王!

 

 

逢 魔 時 王(オーマジオウ)

 

 

 

 

ドライバーの両端を押し込むと同時に予め背後に出現した赤黒く燃え盛る巨大な針時計のイメージが「変身」の合図と共に溶岩で満たされた「ライダー」の文字が射出され、いくつもの歯車や文字盤のようなイメージが天球儀のように彼を包み、本来の姿を形成し、「ライダー」の文字が顔部分にセットされることで変身が完了する。

 

 

 

『じゃあ、行ってくるよ』

 

「うん!」

 

 

因果律操作を発動させ、空に向かって飛んでいく。

最初に見た時は怖くて怯える事しか出来なかったが、彼と仲良くなった事でいつの間にかそんな恐怖心は消えていった。

 

 

 

『念の為、護衛を残すね』

 

 

 

クウガ! ビルド!

 

 

 

ムジカは万が一の事を考え、ウタを守る為に2人の戦士(ライダー)を召喚した。

 

 

1人は笑顔を守る為に戦った古代の戦士(仮面ライダークウガ)

 

1人は愛と平和の為に戦った科学の戦士(仮面ライダービルド)

 

 

 

「ねぇ、ムジカ…この人たちは?」

 

『君を守ってくれる(先輩)達…大丈夫、何があっても守ってくれるから』

 

「分かった!ありがとうムジカ!」

 

 

そう言い残し、因果律操作を発動させ、宙を浮き空を飛んでいく。その姿を見た赤髪海賊団は「ムジカ!?」と驚愕する。

 

 

 

『さて、まずは…』

 

 

戦況を確認すると粗方、敵船は何隻か沈めてある。流石は赤髪海賊団だ。あれほどの戦力をこうも削げるとは

 

しかしまだ結構、船が残っている。どうやらシャンクス達は余程有名人であり彼を倒す事で名を上げるつもりでこの戦力を作り上げたのだろう。

 

 

推測していると此方に向かって大砲の弾が飛んできた。他の海賊団も自分を敵だと認識し、次々と大砲が火を吹かせていた。

 

 

 

『お前達に私を倒す事など不可能だ』

 

 

だが、魔王の前ではそんなもの無力でしかなかった。飛んでくる弾を停止させ消滅させる。

レッド・フォース号に向かって飛んでいく砲弾も停止させ、そっくりそのまま返し撃った船に着弾させる。

 

 

 

『まだ分からないか?お前達に私を倒す事など不可能』

 

 

 

敵は諦めていないのかそれとも聞く耳を持っていないのか、どんどん大砲を撃ちまくっていく。全ての敵船の標的はムジカに狙いを定めている。

 

しかし大砲の音を聞くのも飽きてしまったのか、ムジカは2本の剣を顕現させて手に取る。

 

 

 

 

─ジカンギレード!

 

 

─ジオウサイキョー!

 

 

 

2本の剣を合体させ「サイキョージカンギレード」へと完成させる。

 

 

 

─サイキョー!フィニッシュタイム!

 

 

─キングギリギリスラッシュ!

 

 

 

「ジオウサイキョウ」と書かれた長大な光の刃が複数の敵船を一刀両断させ、海に沈める。

 

 

「まじかよ」「船が一瞬で…」と誰かが呟いたのが聞こえたが、そんな事気にせず、残りの敵船を沈めていく。

 

 

 

 

ウィザード!

 

シャイニングストライク!

 

 

 

オーズ!

 

ギン!ギン!ギガスキャン!!

 

 

 

龍騎!

 

ファイナルベント!

 

 

ムジカが召喚したライダー達は一斉に敵船に攻撃を開始する。

 

 

希望の魔法使い(仮面ライダーウィザード)は巨大な斧を振り回しながら敵船に向かって振り下ろしていく。

 

 

手を伸ばし続ける欲望の王(仮面ライダーオーズ)は自身の身体に不死鳥を思わせる炎を纏い突貫し、船を撃沈する。

 

 

鏡の龍戦士(仮面ライダー龍騎)は相棒の烈火龍と共に空を駆け巡り、敵を翻弄させ終いドラゴンと共に船を焼き尽くす

 

 

「む、無理だぁ…!」「に、逃げろォ!」

 

「勝てるわけが無いッ!」

 

 

一瞬で何隻もの船を沈めた光景を目にしてしまった敵海賊団の中に勇敢に立ち向かう者は1人もいない。悲鳴を上げながら逃げ出して行った。

 

 

『逃げるくらいなら最初から挑まなければ良かったのに……』

 

 

よく、威勢だけで赤髪海賊団に挑めたものだ。だが、敵を見逃す程甘くはないぞ。

 

 

 

 

ファイズ!

 

Exceed Charge

 

 

鎧武!

 

ロック・オン! カチドキチャージ!

 

 

 

 

人々の夢を守る為に戦った赤い閃光戦士(仮面ライダーファイズ)はファイズブラスターからフォトンブラッドの刃を伸ばして逃げた敵船を一刀両断に切り裂いた。

 

 

 

人を超越しても、人の優しさを信じる鎧武者(仮面ライダー鎧武)は巨大な砲撃を放ち、最後に逃げ出す敵船を大破させた。

 

 

 

 

全ての敵船を殲滅し終えて、レッド・フォース号の船頭へ戻ると皆は唖然としていた表情でその内からシャンクスが

 

 

「ムジカ……あれはやり過ぎだ」

 

『え?…でも』

 

「ウタからは事情は聞いた。あいつの為に動いてくれた事は感謝している。

だがな…あそこまでやると敵船から宝など強奪できない。お前が沈めてしまったお陰で宝箱は回収できないんだ」

 

 

『?なら、海に沈んだ宝箱を回収すれば良いのかな?』

 

「いや、だからな。お前が沈めてしまった以上態々海に潜ってまで取りに行く時間は…」

 

 

ムジカは軽く手を捻ると海の方から大きな音が聞こえ、船員(クルー)達が確認すると、そこには無数の宝箱が宙を浮いていたのだ。それを全てレッド・フォース号の甲板に置いていく。

 

 

 

 

「……………無茶苦茶だな」

 

『宝はこれで全部……俺はお嬢の命令に従ったOK?』

 

 

 

「「「「全然OKじゃねぇよ!!」」」 」

 

 

その後、ベックマンから注意され今度、戦う時は基本的に待機という事でと言われたが、ムジカ曰く「お嬢の命令しか聞けないからそれは無理」と返されたのでウタにも注意したのだが、「私もシャンクス達と戦いたい」我儘言うので収集がつかなくなってしまった。可愛い娘を危険に晒したくないと親の気持ちが強いシャンクスと大切な父親と共に戦いたいという娘の強い気持ちがぶつかり合って擬似的覇王色の衝突が繰り広げられたのは余談である。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

数日かけてレッド・フォース号はある島へと辿り着いた。そこは彼等にとって馴染みのある島でありムジカ……いや、ソウゴにとっては初めての場所だった。

 

因みに何故ムジカではなくソウゴという名前なのか

 

 

 

 

それは数日前にウタは

 

 

『ねぇ、ムジカ』

 

『ん?どうしたのお嬢?』

 

 

暇潰しに絵本を読んであげたムジカはウタにあることを言われてしまう。

 

 

 

『名前変えなよ』

 

『えっ?』

 

 

 

主であるお嬢からいきなり名前変えなよ発言を食らってしまったムジカ。幾ら古の魔王であっても名前だけはちゃんと大事にしている筈だとシャンクス達はウタを説得したが

 

 

『違うの、今の名前が嫌だから変えてよっていうのじゃなくて。この前ね、ムジカから貰った楽譜を歌ってたら頭の中に名前みたいなものが浮かび上がったの』

 

『名前?』

 

『うん!確か………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソウゴ』

 

 

 

『…………』

 

 

聞いたムジカは何だか懐かしさを感じ、その顔を見たウタは「名前変えようよ」と頼まれたのでソウゴという名前へ改名した。

 

 

 

 

 

そして今は……

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「(ねぇ、ソウゴ……どれがペア?)」

 

「(お嬢から見てルフィの手前にある2枚の内、左そして一番端の上から2番目)」

 

「(OK!)やった!お揃いだよ!」

 

 

フーシャ村にあるマキノの酒場にてウタと少年ルフィが神経衰弱ゲームをしていた。カードは全部伏せているので同じカードを2枚の当てて、数多く集めたプレイヤーの勝ちだ。ウタとソウゴは主従関係である為、心の中で会話が可能。

ソウゴはどのカードが同じ絵柄を持つカードなのか全て見据えていた。なのでウタは答えを教えてもらい、次々とカードを当てていく

 

 

「最後は……これっ!」

 

「うがァァ!?なんでだァ!?」

 

 

最後の2枚を取り、両方とも同じカードだったとルフィに見せると何故当てられたんだと頭を抱えながら机に突っ伏していた。

 

 

「なんでウタ同じカードだって分かったんだよ!?」

 

「へへーん、ルフィが散々外れたカードの場所見て覚えてたんだよー!」

 

 

 

ウタが煽っている少年の名はモンキー・D・ルフィ。彼女とは年が近いこともあって毎日勝負をしている。喧嘩する事も多いが、その度に仲良くなっているのだ。

 

ルフィと初めて対面した時は

 

 

◆◆◆

 

 

『ルフィ、紹介するね!私の召使いになったソウゴだよ!』

 

『へぇー、お前ソウゴって言うのかー!俺はルフィよろしく!』

 

『よろしくルフィ。お嬢からは色々聞いてるよ。勝負してるんだって?』

 

『はっ!そうだ!ウタ!勝負しようぜウタ!』

 

『いいよ!今のところ私が179連勝中だけどね』

 

『馬鹿言え!俺が179連勝中だ!』

 

 

この言い合いがさっきの勝負に繋がる。

 

 

◆◆◆

 

 

 

「この樽はこっちに置いておけばいいですか?」

 

「うん、ありがとうソウゴ君。ごめんなさいねお客さんなのに手伝って貰って」

 

「シャンクス達が休む島でいつもお世話になってる店と聞いていたので恩返しですよ。お嬢もあんな楽しそうにしてるので」

 

 

ソウゴはこの島に辿り着く前に粗方、シャンクスから詳細を聞いていた。聞けば1人で働いているとのことで負担がかかるのではと思っていた。

 

なのでこうして酒の入った樽を運んでいる。

 

 

「おーい!ソウゴー!お前も遊ぼうぜ!」

 

「おいおい、ルフィ。今ソウゴはマキノの手伝いしてるんだから」

 

「大丈夫ですよ。頼んでくれた仕事も終わったので」

 

「すみません「ソウゴー!早く遊ぼうよ!」…今行くよ!」

 

 

マキノさんに言われると、ウタも遊びたいという眼差しを送ってきたので2人と遊ぶ為外へ出た。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「ぁぁ……ぁぁぁ…」

 

「もういっぺん言ってみろ?お前が何をしようしたか」

 

 

マキノの酒場にてそれは起きていた。普段優しい筈のソウゴが鬼の形相で床に腰を抜かして山賊がひとり。

 

山賊の名はヒグマと名乗っており、酒を飲みに来ただけの事

 

暴動になるかもしれないと予想していたシャンクスはウタを奥の部屋へとソウゴをつけて隠れてくれと頼まれる。

 

予想通り、暴動となってしまったがそれは一方的によるものだった。店の酒を全て飲まれてしまった怒りにより、シャンクスに酒瓶を叩きつけられてしまったのだ。

 

 

覗いていたソウゴ自身なんともなかったが父親が馬鹿にされるのを見て耐えられなかったウタは外に出て父親を侮辱するなと吐き出した。

 

ただでさえ虫の居所が悪かったヒグマは怒り、腰に帯びていた刀剣を抜刀する。それを見た途端シャンクスはすぐ駆けつけようとするが、間に合わない。

 

振り下ろそうとした瞬間…

 

 

常人では捉えられない速度で動いたソウゴがウタの前に立ち塞がり、因果律操作により刀剣を有り得ない角度でぐにゃりと曲げられて今の状況になる。

 

 

 

「な、なんなんだよ!?てめぇは!」

 

「俺が誰かはどうでもいいだろ?それよりたかが酒が無いくらいで酒瓶叩きつけるとか…器の小さい奴だな」

 

「んだとぉ!?てめぇこれを見やがれ!」

 

ヒグマは懐から1枚の手配書を取り出し、見せびらかす

 

「見ろ!800万ベリーの賞金首がかかっている!俺はお尋ね者って訳だ!56人殺したのさ!てめぇのような生意気な奴をな!!」

 

「現にそのお尋ね者が今や腰抜かして俺に怯えてるじゃないか」

 

 

「ぷっ…」「ククク……」

 

 

周りにいた海賊達は思わず笑ってしまいそうだが、敢えて我慢している。

 

 

「貴様…この俺に恥をかかせやがってぇ!!」

 

馬鹿にされた事によりヒグマは拳を握りしめ、殴りかかろうとするがそれより早くソウゴはヒグマの胸部に手を触れる。

 

 

──バァンッ!!

 

 

「ガァフッ!?」

 

「一昨日来るんだな」

 

 

手から放つ衝撃波により吹っ飛ばされ気を失ったヒグマ。それにビビった残りの山賊はすぐに彼を引っ張ってその場から立ち去った。

 

 

 

 

「ウタ…あれほど隠れてろと言っただろう?どうして」

 

「だってシャンクス馬鹿にされたんだよ!?それが許せなくてッ!」

 

「平気さ。酒をかけられただけであって怒る程のことじゃない。

 

……ソウゴ」

 

 

「ごめん。シャンクス……隠れて過ごそうと思ったんだけど、お嬢が飛び出ちゃって、いても経ってもいられなくて」

 

 

気づけば身体が動いていたと話すと、シャンクスはにこりと笑い

 

 

「ありがとう。俺達の娘を守ってくれて」

 

 

お礼の一言を述べてくれた。

誰もウタとソウゴを咎める者は1人もいなかった。寧ろ、大切な娘を守ってくれた事に感謝の言葉や散々煽ってきた山賊のあのザマを見てスッキリした者のみだった。

 

「なんでシャンクスが行かなかったんだよ!?あんなのかっこ悪いじゃないか!!幾ら、アイツらが大勢いて強そうでも船長のシャンクスが()るべきだっただろ!?」

 

 

ルフィもスッキリしてはいるが、全部ではなかった。本来ならばシャンクスがやるべきだと声を荒らげ「もう、知らねぇ!」と言い残し出ていこうとするルフィをシャンクスが引き止めようと手を掴んだが……

 

 

 

ビヨオォォ────ン

 

 

「あれ?手、伸びてない?」

 

 

ソウゴが1人呟くとシャンクスは必死でルフィの両肩を掴み

 

 

「ゴムゴムの実はな!悪魔の実とも呼ばれる海の秘宝なんだ!食えば全身ゴム人間!そして一生泳げない身体になっちまうんだ!!」

 

 

 

そう言えば、前にシャンクス達は政府の船から奪った実があってあれを大事そうに保管していたのを覚えている。それをルフィがデザート感覚で食べるって

 

 

「えぇ──ッ!?うそ───ッ!!」

 

「バカ野郎ォ───ッ!!」

 

 

 

マキノの酒場は暫く阿鼻叫喚の空気に包まれたそうだ。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ダブル!!

 

 

その深夜、人々が寝静まった時間にてソウゴはひとり能力を発動させていた。

 

発動させるとそこはマキノのいた場所とは異なり果てしなく広がる白い空間に無数の本棚が並んでいる世界だった。

 

 

ソウゴはこの世界の事をよく知らない為、知る必要があったのだ。

 

 

「キーワード…悪魔の実」

 

唱えるとそれに呼応するように本棚が目の前にやってきてその情報を「本」として読み取る。

 

 

「なるほどね……悪魔の実というのは三種類分かれてあって、超人系(パラミシア)動物系(ゾオン系)自然系(ロギア)がある。

 

稀に悪魔の実には覚醒が起こる事もある……へぇー、凄いな。

 

因みにルフィが食べたのはゴムゴムの実だっけ?」

 

 

そう呟くとそれに関する情報が入った本が現れページを開いていき、興味深い記録が記されていた。

 

 

「ん?……ゴムゴムの実は世界政府が与えた名前?

本当の名は

 

 

ヒトヒトの実 幻獣種 モデル ニカ

 

 

太古の昔人々を苦悩から解放してくれる伝説の戦士……その意思が宿っている

 

また、ニカの身体はゴムそのものの性質を持っていた……あぁー、だからルフィの身体ゴムだったのか」

 

 

 

これで道理が通った。もしかしたらシャンクスはこの実の存在を知った上で政府の船を襲撃したのかもしれないな。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

次の日……事件は起こった。それはソウゴがマキノの頼みにより材料を買ってきて欲しいと言われ、言われた通りに買い出しを終えると、戻ってくるとそこには涙目になっていたウタがやってきた。

 

 

「ぐすっ…ソウゴ……」

 

「お嬢!?どうしたの!?」

 

「ルフィがぁ…ルフィがぁ……ッ!!」

 

 

泣きながらウタは何があったのか事の経緯を教えてくれた。

ソウゴが買い出しに行っている途中、どうやらあの山賊達が酒場に来たようでソウゴに散々コケにされた腹いせにルフィを痛ぶっていたようだ。

しかし、駆けつけた赤髪海賊団により形成は逆転するが、窮地に追い込まれてしまいヒグマは煙幕を貼り、ルフィを連れてどこかへ消えてしまったのだと言う。

 

現在、赤髪海賊団総出で捜索中との事

 

 

「……ッ!!」

 

 

彼は後悔してしまった…あの時、徹底的にやっておけば置けばこんな事にはならなかった……自分の責任だ

 

悔やんでも何も変わらない。ソウゴはすぐさま

 

 

「お嬢、俺も探してくるから待ってて」

 

「えっ…でも」

 

「こうなったのは俺の責任だ。ケジメをつけてくる」

 

 

すぐさまソウゴは買い物袋を置いて、ウタを頼みますとマキノに言い残して、海賊団と同様捜索に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果、ルフィは助けられたものの代償は大きかった。

小舟で海へ逃げていたヒグマとルフィだったが、現れた近海の主により一瞬で沈められてしまう。ただでさえ泳げないルフィは悪魔の実の能力者であり近海の主に食われてしまう絶体絶命の最中、シャンクスが駆けつけて来てくれたのだ。

 

 

自らの左腕と引き換えに……

 

 

 

 

 

「ぷッはぁっ!?……はぁ、はぁ、はぁ……ッ!!

 

俺は一体…そうだ!あのクソガキを海に落としたと思ったら化け物に襲わt『目を覚ましたか?』……ッ!?」

 

 

本来の姿に変身したソウゴはせめてもののケジメとして海に沈んだ筈のヒグマを沖へ引き揚げさせてきたのだ。

 

 

『俺は自分の罪を数えた…

 

 

お嬢を悲しませてしまった事

 

親友(シャンクス)に迷惑をかけてしまった事

 

 

次は……お前が数える番だ』

 

 

「な、何言ってやが【ザシュンッ!】……えっ?」

 

 

ソウゴは顕現させていたザンバットソードとキングラウザーでヒグマの両腕を斬り飛ばした。

 

 

「あああぁ……あああああああ!?

 

う、腕がぁ!?俺の腕がァぁぁ!?」

 

 

『お前は56人殺したんだろ?ならこういうのは見慣れてるんじゃないのか?』

 

 

あるはずの両腕が斬られた事で想像を絶する痛みと恐怖がヒグマを襲う。

地面に転がりながら必死にもがく姿がなんとも滑稽だ。

 

 

『安心しろ、今元に戻してやる』

 

「はぁ、はぁはぁ……ッ!?」

 

 

ヒグマは抑えていた両腕により違和感を覚え視界に捉えるとそこには斬られた筈の両腕が元に戻っていた。

 

 

「ど、どういうつもりだァ!?」

 

『言っただろ?罪を数えろ……と

 

56人殺したのならば後55回、お前の両腕を斬り落とし地獄を見せてやる』

 

 

「あぁぁぁ……た、頼むッ!もうやべでぐれ!!お願いします!!もう二度と人は殺しませんので!!」

 

 

前みた不敬な顔はどこへ言ったのやら、しかしどちらにしろやる事は変わらない。

 

 

『だったら最初から山賊なんてしなければ良かっただろうに……そぉら、2回目行くぞ』

 

 

「やだぁ……やだよォ……

 

嫌ァァァァァァァァァァァァァ───ッ!!!!!!」

 

 

 

山賊ヒグマの最期はなんとも惨いものだ。しかし彼はそれ相応の出来事をしてしまったのだ。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

事件の夜、赤髪海賊団とフーシャ村にて最後の宴が開かれていた。ソウゴは己の未熟さ故にシャンクス、赤髪海賊団、ウタ、ルフィに頭を下げていた。

しかし、誰一人として彼を責める者は1人もいなかった。シャンクスはニコリと笑い肩を叩き、「今日は飲むぞー!」と島中は笑いの空気に包まれる。

 

 

ウタ自身もソウゴの事は責めておらず、寧ろ自分がシャンクスの言うこと聞いていればこんな事にはならなかったと自分自身を責めており、ルフィも己の非力に打ちひしがれソウゴとウタ両方に何度も謝っていた。

 

 

気まずい空気に包まれていたが、シャンクスは気を遣ったのかウタの歌が聞きたいとステージへ立つように声をかけた。

 

 

赤髪海賊団の明るさに釣られるように皆自然と笑顔が戻り、島中が彼女の歌声に響き包まれているようだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「ソウゴ、少しいいか?」

 

「ん?」

 

宴終わりは静寂な夜に包まれていた。シャンクス以外の船員(クルー)は眠っており、マキノとソウゴで布団をかけていた時、呼ばれて行く。

 

ソウゴはシャンクスに案内された場所まで向かうと言葉を濁らせながら「お前に頼みたい事がある」と

 

 

「まずはこれを見てくれ」

 

シャンクスが見せてきたのは新聞でソウゴはその1面を開き見てみると内容にはこう書かれていた。

 

 

 

「なになに?【四皇の一角、ビッグマム海賊団及び百獣海賊団、前半の海への大移動】・【海軍本部、動く】……前半の海って事はここにアイツらが来るって事?」

 

 

四皇というのは大海賊時代、偉大なる航路後半部・通称“新世界”にて皇帝のように君臨する大海賊の通称。

幾つもの船団や大規模な縄張り、強力な傘下を従えており、彼らの戦闘の規模は最早「戦争」と言われる程。

 

 

 

「そうだ。恐らく、奴らの狙いはウタの能力とお前のようだ」

 

「でも、どうして?バレたんだ?」

 

「恐らく、前に戦った時に遠くから俺達を監視していた海軍やら海賊が情報をばらまいたようだ」

 

「なるほどね」

 

 

正直、バレないと思っていたが彼等の情報網を侮っていた。まさかここまで出回るとは予測できなかった。

 

 

お嬢は元々、歌唱力に関しては天賦の才。相性のいいウタウタの実の力も強大だ。聞いたものをその場で眠らせることもできる。成長してしまえばどれほどの存在になってしまうか、そうなる前に危険因子を何としても潰しておきたいのだろう。

 

特に、四皇は危険だ。ウタの身柄を確保してしまえば、自身の勢力として利用されてしまうだろう。

 

 

「そこで考えがある。ウタをこのフーシャ村に置いて行こうと思う」

 

「え?」

 

 

衝撃の一言を聞くあまりソウゴは唖然としていた。

 

 

「ちょっと待ってよ!お嬢はまだ幼い、シャンクスとお嬢が離れ離れになるのは余りにも残酷過ぎる!海軍や海賊、四皇だろうが…その気になれば俺はあいつらを消し去る事だってできる!」

 

「確かに前の戦闘にてお前の圧倒的な強さには俺も度肝を抜かれた。しかし、ウタが言っていた新時代の夢はどうなる?幼い身でありながら世界中から狙われて犯罪者扱いにされてしまう。

 

あいつがいつも言っていた自身の歌で新時代を創る……その夢を壊したくないんだ」

 

 

ソウゴは前にウタと話した時に夢を語られた時を思い出した。その時彼女は『私の夢はね、私の歌で新時代を創る事なの!』と言っていたのを覚えている。

 

 

いつの間にか思い返し、現実に意識を戻していくとシャンクスは泣いていた。

 

 

本当はこんな事はしたくなかった。しかしこれは父親としての決断なのだ。

 

 

「それがシャンクスの選択なの?」

 

「あぁ!幸いここは東の海(イーストブルー)の辺境だ。奴らもこんな所に俺の娘がいるなんて分からないだろう。隠すにはうってつけだ。

 

それに、これは俺の勝手な想像なんだがな。いつしか大きくなったウタが海賊になって俺達に会いに来るんじゃないかと思うことがあるんだ」

 

 

ウタが…海賊。

本音は海賊になるのはやめて欲しいと言いながら笑っていた。しかしその覚悟に変わりは無いことを気づいたソウゴは

 

 

「分かった……お嬢の事は俺に任せて!」

 

「ありがとう!ソウゴ!」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

出会いもあれば別れも必ずある。

 

 

シャンクスは至急物資をレッド・フォース号に運ぶよう船員(クルー)達に指示を出し出航した。

 

 

そしてソウゴの予想通り……事態は起こっていた。

 

 

「お嬢?入るよ」

 

 

朝起きて、ウタの様子を確認するため部屋へ赴きノックしたが、返事がなくまだ寝てるのかと思いきやドアを開けると眠っているウタの姿はなかった。

 

 

「まさか……ッ!?」

 

 

頭の中でよぎった可能性を推測し、すぐさま外へ出て、港に着くと……

 

 

「お嬢!?」

 

 

なんと港には泣きながら海へ飛び込もうとしているウタとそれを必死に止めようとする麦わら帽子を被っているルフィの姿があった。

 

 

「離してぇッ!!ルフィッ!」

 

「駄目だウタ!このままじゃあ海に落ちちまう!」

 

このまま2人とも海へ落ちてしまうのは危険だと思いソウゴは2人を抱えて港から離れるようにする。

 

しかし、ウタはすぐさまソウゴの足に抱きつき

 

 

「なんでだよ…シャンクス!置いていかないでよッ!!」

 

ずっと泣いているウタを抱き締める事しかできなかったソウゴはこれからどうしたらいいのかと考えていると……

 

 

「ウタ!コレ見てくれ!」

 

「ひっぐ…ぐす……それって、シャンクスの麦わら帽子」

 

「そうだ!俺、シャンクスと約束したんだ!ウタの事守ってくれって!」

 

 

自分が寝ている間にそんな事があったのかと驚くもルフィの話を聞いた。

 

 

「約束したんだ!いつかシャンクス達にも負けないような一味を作って、世界一の財宝を見つけて海賊王になるって!」

 

 

「立派な海賊になって、ウタを連れて一緒にシャンクス達に会いに行くって!」

 

 

どうやらルフィはシャンクスと男と男の約束をしていたようだ。まだこんなにも幼い子供がここまで言えるなんて中々いない。

 

この子は強い………

 

 

「それまで俺がシャンクスの代わりにウタの事を守る!だから、ウタもう泣くな!それにシャンクス達は別れ際にずっとウタを大事に思ってた」

 

「…本当に?」

 

「おう!シャンクス達は絶対に嘘はつかねぇ!」

 

 

彼の微笑みは悲しんでいたウタの顔を自然と笑顔へ変えてくれた。これも能力の影響か?いや、元々彼はこういう性格なのだろう。

 

さっきまで大泣きしていたウタはいつの間にか笑ってる。

 

 

「私…!決めたよ!私もルフィと同じ船に乗って世界中を旅していつしかシャンクスにいーっぱい文句言ってやるって!

 

そして新時代をルフィと一緒に創る!」

 

 

彼女も覚悟を決めた。お互い夢の果てまで進み続ける事をその為にもまずは強くならねばと考えた2人は

 

 

「ソウゴ!俺達に戦いを教えてくれ!」

 

「お願いソウゴ!私もソウゴに任せっぱなしじゃ嫌なの!だから教えて!」

 

 

「分かった…できる限り最善を尽くすよ!」

 

 

こうして彼らは共に成長し、出発した。冒険の夜明けとともに

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

物語の舞台は頂上戦争へと移る。






紹介

トットムジカ兼オーマジオウ


ジオウ本編の世界にて原典とは異なる未来を掴んだ転生オリ主。理由は不明だがトットムジカとして召喚された。
記憶は断片的に失っており、自分が誰かすら忘れていたがウタのお陰で徐々に記憶が戻ってくる。自分を呼んだウタをお嬢と呼び、彼女を守る最強のセコムと化した。


ウタ
原典とは違い歌の兵士など召喚できなくなってしまったがライダーの主題歌・挿入歌を歌うことで、そのライダーに応じた能力の使用が可能。
怒り頂点に達してしまえば「TotMusica」を歌い目に映る者全てを破壊する。



強さ的には仮面ライダートップクラスの戦闘力なのでまず勝てない。



続くかわからないです。

平成ライダーで好きなライダーは?

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