艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第100話

作戦開始時刻を迎え、くらま艦内で休息をとっていた艦娘達は一斉に起き上がり、ヘリ格納庫側のヘリパイロットの待機所を改装した講堂へ集合した。

 

 

「皆、つい先ほど作戦が開始された。我々は当初の予定通り国防軍艦隊と第7艦隊に先行して出撃し、ハワイ諸島より出撃してきた深海棲艦の主力と交戦の後に撃滅、艦隊の突破口を開きハワイ上陸部隊の上陸を援護する」

 

 

長門の言葉に皆が緊張した面持ちとなる。

 

 

「今回の作戦の主体は国連軍地上部隊だが、以前の小笠原やマリアナでの作戦以上の激戦が予想される。予想外の事が起こる事も想定して行動してほしい。今回の我々には米国の新鋭原子力空母ニミッツの航空部隊による空中援護が行われるが、戦力は未だに敵が僅かに上回っている。他に頼るだけではなく各々が持つ技量を存分に生かして作戦に挑むように」

 

 

その後、長門の訓示が終わると直ぐに第1航空機動部隊の面々は艦内の格納庫から各々の艤装を取り出し、ヘリ甲板に集合する。

 

 

「全艦出撃用意!カタパルト展開!」

 

 

くらまが速力を徐々に落とし、やがて海上で完全に停止すると作業員が甲板の後端から滑り台のようにカーブした2本のレールを設置、レール上に人一人が乗れる車輪付きの台座が乗せられる。

 

 

 

『1航戦、赤城さん、カタパルトへ!』

 

「はい!」

 

 

ヘリの管制室に居る大淀のアナウンスで赤城が、用意されたカタパルトの台座へと立った。

そして、甲板の端に設置されたデジタル表示版がカウントを初める

カウンにが0になると同時に管制室に居る大淀がスイッチを押した。

 

 

 

「赤城、行きまーす!!」

 

 

 

爆音と共に台座が加速、赤城は海上へ投げ出されるように海上へと見事着水した。

 

 

 

「加賀、行きます」

 

 

続けて加賀もカタパルトで射出され、赤城と同様に海上に着水した。

そこから次々と艦娘達も出撃していき、最後にクリスがカタパルトに乗る。

 

 

「クリス・カイル、出る!」

 

 

射出されたクリスは海上に着水すると同時に、輪形陣をとる第1航空機動部隊の艦隊編制に従い赤城と加賀の先頭に立つ。

 

 

「クリスさん、今回は宜しくお願いします」

 

「貴方に期待しているわ。しっかり守ってください」

 

「任せろ」

 

 

第1航空機動部隊と第2航空機動部隊は輪形陣を保ったまま、国連軍艦隊より先発し一路ハワイ諸島へ針路を取った。

 

 

 

 

「全艦警戒態勢、対空、対潜、対水上警戒を厳に!」

 

 

 

赤城の指揮で艦隊は全方位への警戒態勢を敷き、空母ニミッツから飛び立ったE-2ホークアイと偵察飛行と艦隊直掩のF-14トムキャットと連携し、万全の状態で戦闘に備える。

 

 

 

「今回は長い1日になりそうだな」

 

 

腕時計で時間を確認しながら今回の戦いがこれまで以上に過酷になりそうだと予想するクリス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦開始から1時間後、偵察中のE-2のレーダーが何かを捉えた。

 

 

 

「これは………おいでなすったぞ!」

 

 

 

360度全方位の目標を捕捉できるE-2の機体上部にある丸い皿のような巨大なレドーム内のレーダーが、ハワイ諸島の方向からやって来る多数の目標を機内のレーダースコープに表示させる。

速度、距離、目標数を正確に捉えているE-2のレーダーはリアルタイムで情報を表示し、レーダー情報をデータリンクを通して母艦であるニミッツと哨戒飛行中のF-14に送られる。

 

 

『イーグル1よりアラート1へ』

 

『こちらアラート1』

 

『偵察機がハワイ諸島方面からのアンノウンを捕捉した。直ちに現場に向かい、敵かどうか確認し報告せよ。誘導はレッドアイが行う』

 

『アラート1了解!』

 

 

ニミッツの艦長は哨戒飛行中だった2機のF-14を現場に向かわせ、ホークアイの誘導に従いF-14は現場空域に急行する。

 

 

『レッドアイよりアラート1へ』

 

『こちらアラート1』

 

『現在アンノウンは貴機より前方12時の方向、距離300より時速100ノットで接近中。』

 

『了解。100ノットなら友軍でも民間機でもなさそうだな』

 

 

 

F-14には長い探知距離を誇るAWG-9レーダーがあり、そのレーダーを管理する後席のRIO(レーダー迎撃士官)は機器を操作しながら目標の捕捉を行う。

 

 

『Contact!』

 

 

レーダーの探知範囲に多数の目標が表示された。

 

 

『凄い数だ。大小合わせて130機、おまけにIFFも反応なしだ』

 

『敵の可能性大だな。1度奴らの上をフライパスして後ろに回り込もう』

 

 

2機は敵に察知されないよう高度を上げて、敵をやり過ごすと、その場で反転し背後に就くと、ゆっくり高度を下げる。

 

 

『居たぞ。奴さん達だ』

 

 

直下には敵の航空機群が大挙成して飛行している。戦闘機から戦闘爆撃機まであり、これは友軍に向かっているのは一目で分かる。

 

 

『アラート1よりイーグル1へ。敵を目視で確認した』

 

『気付かれたか?』

 

『いえ、6時上方に就いています。気付かれた様子はありません』

 

『了解。これより迎撃を出す。アラート1はそのまま監視を続け、何か行動を起こすなら許可を取れ』

 

『了解、イーグル1』

 

 

敵を発見した第7艦隊の空母からは迎撃のため、航空部隊こ出撃準備が開始され、空中給油機が飛び立ち、その後をF-14がカタパルトに乗せられていく。

F-14には既にスパローとサイドワインダーが装備されており、フル武装の状態でカタパルトに乗せられた機体は次々と射出され、エンジンフルパワーで出撃していく。

 

 

 

飛び立ったF-14の飛行隊は空中給油機から燃料補給を受けた後、敵航空機迎撃のためハワイ諸島へ向けて夜の暗闇の中に消えていった。

 

 

 

 

続く




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