艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
カウアイ島を占領した国連軍はこの大攻勢の障害となっていた敵潜水艦部隊を殲滅、作戦遂行に向けての大きな障害を取り払った。
占領したカウアイ島はポーランド軍が駐留しつつ、新たな前線基地が設置された。
「皆の活躍により作戦第1段階であるカウアイ島占領は達成できた。だがこれはまだ初戦であり、この島の目と鼻先には敵の本拠地であるハワイ本島に続くオアフ島があり、その後をモロカイ島、マウイ島と続きハワイ本島がある。ここから戦いは激しさを増す事は誰の目にも明らかである事は違いはない。今後も緊張感を持って作戦に挑んでもらいたい」
長門からの訓示に深海棲艦と直接戦闘を行う全艦娘は国連軍地上部隊を守ると同時に、深海棲艦から太平洋を取り返す役割を担っている全員の顔に緊張により強張っている。
「だが今は僅かながらも休息の時間がある。次の作戦に備えて各員は休息をとるように!」
その言葉に艦娘達はカウアイ島内にあるリフエ飛行場の滑走路脇に駐機しているC-130H+の機内に設けられた座席や床にマットや布団を敷いて横になる。
「狭い……」
「横になりたいわ」
「もう少しそっちに寄ってくれない?」
流石に中型輸送機の貨物室に何十人の艦娘達が寝泊まりするのには無理がある様子で、中には機外に出て主翼や胴体の上で寝っ転がる者も居る始末である。
「あっちは忙しそうだね」
隣に駐機しているEC-130Hでは長門と陸奥と大淀ら鎮守府の幹部らは機内にある作戦室で次の作戦の最終確認を行っている。機内は灯火管制により赤ランプと電気スタンドの光しかなく、3人はその中で台の上に作戦書と周辺の海図と報告書を広げている。
「やはり敵の陸戦型もかなりの脅威だな。小笠原の時よりも遥かに地上部隊の損害が目立ったな」
「ポーランド軍は持ってきた戦力の3割失ったそうよ。特に兵員達の死傷者数もかなり多いみたい」
「遠い欧州から出向いてきて貰ったと言うのに、これでは戦死した彼等には申し訳が立たない」
「そんな彼等の無念を晴らすためにも、今後の戦いはより負ける訳にはいかないわね」
報告書に書かれている損害報告は決して無視できるようなものではない。義理堅い性格の長門はこの島の上陸戦で死傷したポーランド軍の兵士達に報いるためにも今作戦は絶対に失敗できないと心に刻み、陸奥も長門の心情を理解して彼女の意見に同意する。
「そう言えば隣はかなり忙しそうね」
EC-130Hの隣に居るCP-130の機内では明石と夕張、整備妖精、クリス、アリゲーターガー、バークらにより各々の艤装の整備点検が行われていた。こっちは、他の2機と違ってかなり慌ただしかった。
「バーク艦長、間もなく弾薬補給完了します!」
「OK!じゃあシステムの更新も急いでね!」
「yes sir!」
「クリス艦長、アスロックは全て降ろすんですね?」
「そうだ!空いた分はトマホークとESSMを装填しておいてくれ!」
「アリー艦長、トマホークの再装填作業完了!」
「よし!ソナーの調整に入るぞ!」
次の作戦がこれまでとは比較にならない程の激戦が予想されるため、整備と調整に余念は無く徹底的だ。
「fire!!」
滑走路の脇に設けられた即席の射撃場では、任務を終えたばかりのゴースト小隊がトレーニングを行っていた。
「Hey!俺達も仲間に入れてくれ」
そこへ、ゴースト小隊と同じくマルチカム迷彩にプレートキャリア、fastヘルメットを身に付けた集団が現れた。彼等はアーレイ・バーク所属のSealsチーム『flog小隊』で、今まで特に出番が無く、ずっと待機が続いていたのだが、次の作戦ではゴースト小隊と共に任務に就くためトレーニングに参加してきたのであった。
「OK!」
次なる作戦が進められていき、時間が刻一刻と過ぎていく。
そして、次の任務が実行される時が来た。
EC-130Hの作戦室に呼び出したクリス、バーク、アリゲーターガーに対して長門は任務の説明に入る。
「次の任務を伝える。現在カウアイ島以外のハワイ諸島は敵の手中にあり、島内や周辺の状況は不明な部分もある。今後の作戦を有利に進めるためには情報は必要不可欠と判断し、次の作戦行動は本来の作戦に組み込まれてはいない情報収集と偵察任務のため敵地への潜入を命令する」
長門は台の上にハワイ諸島の地図を広げる。
「ハワイ本島、マウイ島、モロカイ島、オワフ島にはクリスとアーレイ・バーク指揮下の特殊作戦部隊を潜入させて欲しい」
なんと2人の指揮下にあるSealsの2個小隊に直接命令が下ったのだ。
「2人が指揮する特殊作戦チームは前回の作戦で能力が証明されている。その腕を買っての命令だ。受けてくれるか?」
「命令ならば拒否する理由はない」
「私も賛成よ。任せてちょうだい」
その任務に2人は同意を示す。
「俺は何をするんだ?」
「アリゲーターガーには潜入部隊の支援を頼みたい」
「了解」
「勝手な事を言っているのは承知の上で言わせて欲しい。今回の潜入任務は反攻作戦には組み込まれいない私の独断によるものだ。万が一に何かあってもこちらからは動く事は出来ない上に支援も出来ない。非常に危険だが敵に悟られないように任務を遂行してくれ」
そう言って長門は3人に頭を下げる。
「頭を上げてくれ。軍人は常に危険に晒されているんだ。それに我々も元の世界ではいくつも戦場で実戦を経験してきたんだ。今までにもそう言う任務にはいくつも就いているし、そうでなれければSealsの一員として名乗る事は出来ないさ。貴女は司令官として堂々と命令を下してくれれば、俺達はそれに最大限応える」
長門の言葉にクリスの右肩に座っていたゴースト小隊のチーフがそう話すと小隊全員と隣のバークの左肩に居るflog小隊の妖精達が腕を組んで頷く。
「そうか。ありがとう、少し気が楽になった。では改めて、皆には敵地への潜入任務を命ずる!!」
「「「「「「yes sir!!」」」」」」
長門の命令にSealsチームは合衆国海軍式の敬礼で応える。
続く
久し振りにC-130の特殊改造機の登場です。
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