艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第112話

ジョン・ポール・ジョーンズを戦列に加えた国連軍は、ハワイ諸島奪還に向けての大反抗作戦の第2段階に入った。

 

 

次の作戦目標はオアフ島、モロカイ島、マウイ島の3つを同時に攻撃し奪還する事である。

 

 

今回はバークとクリスの潜入部隊が持ち帰った情報が大いに活用され、アメリカ空軍のU2偵察機や人工衛星による偵察結果から、オアフ島の現状は敵泊地棲姫が陣取っており、その下に姫級や鬼級などの上位個体が守っている事が分かった。

クリスが潜入したハワイ島はそれ以上の戦力が待ち構えている状態で、その他の島も鬼級を中心とした大規模な戦力が居る。

 

そのため、作戦としてはオアフ、モロカイ、マウイの3島へは国連軍の主力を担う日米英独波の連合軍の地上部隊が、ほぼ同時に島へ上陸し陸戦を展開して、3島を奪還しハワイ島奪還のための橋頭堡として確保するのが大まかな作戦内容である。

カウアイ島上陸の時と同じように、海上部隊は上陸部隊を載せた揚陸艦の護衛と上陸援護、火力支援を担うが、今回は3つの島への上陸のため海上部隊は更に3つに分けられた。

 

 

まず第1航空機動艦隊はオアフ島へ上陸する米軍、第2航空機動艦隊はモロカイ島へ上陸する英独の欧州連合軍の護衛と支援を行う。

 

そしてハワイ島に最も近いマウイ島へ上陸する日本国防軍とは新たに編成された海上部隊『第3機動艦隊』がその任務に当たる。

第3機動艦隊はクリスとバークとジョンとアリゲーターガーの4人を中心とした艦隊で、第1と第2航空機動艦隊から抽出された戦力で構成されており、アメリカ本土から進出してきたアメリカ海軍第3艦隊とともにマウイ島を包囲し、それと同時にハワイ島からの敵戦力を食い止める防護壁としての役割もあるため、能力の高い艦が選抜されている。

 

 

 

 

その第3機動艦隊旗艦を勤めるのは……

 

 

 

「まさか私が艦隊旗艦とはね」

 

 

 

これまでに例が無かった駆逐艦であるバークが旗艦を勤める事になったのである。

 

 

「しかし、長門さんもよく許可したよね」

 

 

 

第2航空機動艦隊から第3機動艦隊となった瑞鶴がそう漏らす。彼女からしても駆逐艦が艦隊旗艦と言うのは異例なのである。

 

 

「でもクリスさんのお姉さんなら安心できるわね」

 

「はい!よろしくお願いするのです」

 

「私達の命運、預けたわよ!しっかりやってね!」

 

「同じ駆逐艦として期待しています!」

 

 

第1航空機動艦隊から転属してきた第6駆逐隊と第7駆逐隊、第61駆逐隊やその他の隊の面々もバークを励ます。

 

 

「ところでジョン、本当に大丈夫なの?」

 

 

 

バークがジョンに心配そうに声を掛ける。

 

 

 

「心配ないぜ姉貴。エイリアンと戦った時に比べれば心の準備が出来る時間があったからな」

 

「なら良いけど」

 

 

自信ありげなジョンの意気込みにバークは一先ず安心する。

 

 

「無理はしないでくれよジョン姉さん。ところでバーク姉さん」

 

 

クリスがバークに声を掛ける。

 

 

「せっかく旗艦になったんだ。何か訓示をしてくれないか?」

 

 

その提案にバークは回りを見渡し皆に視線を向ける。

 

 

「そうね………あんまり長ったらしいのは好きじゃないから一言だけ言わせてちょうだい。早くて恐れられる様になりなさい!以上よ」

 

 

その言葉を聞いたクリスとジョンは納得した表情となる。

 

 

「これは私のモットーよ。早くすばしっこく動いていれば敵の弾も当たらないわ」

 

「それ……島風にしか通じないんじゃない?」

 

 

第7駆逐隊の曙からそう指摘を受けるがバークは何処吹く風だ。

 

 

「こう言う時はノリよノリ!それくらいの勢いで行きなさいって事よ!」

 

「あなたらしいわねバーク」

 

 

バークの言葉に呆れながらも彼女らしさを感じるホーネットがそう言い放つ。

 

 

「流石31ノットバークが由来なだけあるわね」

 

 

アイオワも彼女の名前の由来に違いはないと笑う。

 

 

「さて、そろそろ時間よ」

 

 

作戦開始時刻となり、第3機動艦隊はC-130H+に乗り込んでいく。皆、機内へ乗り込むと各々の艤装をチェックしたてから装着、宛がわれた座席へと座る。

 

 

「しかし、低空での艦娘による空挺降下は上手く行くのでしょうか?」

 

 

照月が疑問をが疑問を投げ掛ける。

 

 

「それを試すのが今回の作戦よ。何回もシュミレーションしたんだから自信を持ちなさい」

 

「はい。全力を尽くします」

 

『離陸用意よし!』

 

 

 

C-130H+は滑走路の端で停止すると同時に、エンジンの出力を上げる。

 

 

 

「各員、本機はまもなく離陸する。衝撃に備え!」

 

 

 

国防空軍の搭乗員が全員にそう指示すると自身も座席へ座りベルトを締める。

 

 

 

『離陸10秒前』

 

 

 

機内アナウンスで秒読みが始まった。

 

 

 

『5、4、3、2、1、0、点火!』

 

 

 

その瞬間、機体の後部に取り付けられた複数のロケットが爆音と共に炎を吹き出し、回りの砂利を巻き上げながら、機体が信じられない速度で加速し戦闘機のような勢いで滑走していく。

 

 

「ぐぅッ!!」

 

 

身体に掛かるGに耐えるクリス達。

機体はそのまま戦闘機のような勢いで離陸していき、基地から飛び去っていく。

 

 

「Jatoでの離陸なんて初めてだな」

 

 

Jatoとは大型輸送機が短い距離で離陸できるように開発された補助ロケットブースターであり、C-130H+には国防軍がJatoを実験用装備として導入し、試験搭載していたのであった。

お陰で短期間・短時間で離陸できたC-130H+は時間の大幅を短縮し作戦行動に入ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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