艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第114話

第3機動艦隊による挟撃作戦が功を奏し、マウイ島から出張ってきた敵のマウイ島防衛艦隊の動きが制限され、その隙に国防軍海軍艦艇に護衛された揚陸艦6隻からは国防陸軍の上陸部隊がビッグビーチへの上陸のため揚陸艇や戦車揚陸艇が揚陸艦のウェルドックから次々と出撃していく。

 

 

「ようやく始まったか」

 

 

クリス達は上陸作戦を国防軍へ引き継いだ後は、敵のマウイ島防衛艦隊の残敵掃討を行っていた。

 

 

「shit!本当に数だけは多い!」

 

「流石にミサイルの残りも怪しいぜ!」

 

 

 

クリスとジョンは次々と向かってくる敵機へ向けてミサイルや5インチ砲を放つが、やはり精鋭なだけはあり、敵の空母棲姫から放たれる航空機の数は半端ではない。他の空母級はバークや他の艦娘達が粗方仕留めてはいたが、やはり数は多い。

 

 

「やっぱり奴を叩かない事にはどうしようもないわ!」

 

「しかしトマホークは数発しかない!どうする?」

 

「こうなったら使える物は全て使うまでだ!」

 

 

そう言うとジョンはMk46・Mk54短魚雷が装填された3連装魚雷発射管Mk32を展開する。

 

 

「それは対潜魚雷だ!」

 

「これだけの数ならダメージにはなるさ!クリス、姉さん!」

 

「何?」

 

「奴に魚雷を撃ち込む!援護してくれ!」

 

「無茶だ!袋叩きにされるぞ!」

 

「ならありったけのミサイルをくれてやる!奴等にはもうあのお化け空母しかいないんだ!姉貴のトマホークは残ってるか?」

 

「6発だけよ!」

 

「充分だ!2人の持ってる魚雷を全部こっちにくれ!」

 

 

ジョンは2人に両手を出す。

 

 

「……………分かった。全部持っていって!」

 

 

バークは自身の手持ちの短魚雷を全て渡す。クリスもジョンを止めるのは不可能だと判断して、同じく短魚雷を渡す。

 

 

「ありがとう!よし、行くぞ!」

 

 

そう言うとジョンは敵に向かって真っ直ぐ走り出した。

 

 

「機関全開!リミッターも切るぞ!」

 

 

直後、ジョンの両足に装着されている海上航行装着内のガスタービンエンジンが唸りを上げ、スクリューが海水を巻き上げる。出力計の数値がみるみる上昇し、危険を示すレッドゾーンに入る。速度もそれに合わせて上がり、31ノットにまで上がった。

 

 

「攻撃用意!」

 

 

妖精達が魚雷を発射管に装填、5インチ砲とCIWSとMk38機関砲が空母棲姫に向けられる。

 

 

「!?」

 

 

直後、空母棲姫はジョンの突撃に気付いて航空機をジョンに差し向ける。

 

 

「気づいたか!なら相手してやるぜ!」

 

 

ジョンは残りのESSMとSM-2を使って迎撃する。ミサイルは正確に敵機を打ち払うが、数が多いだけに撃ち漏らしもあり、爆装した艦爆が急降下で仕掛けてくる。

 

 

「させるか!!」

 

 

CIWSが作動し降下してくる敵機を迎撃する。完全自動照準のCIWSは正確に敵機を破壊していくが、弾の消費が激しく10秒で弾切れとなった。

 

 

「shit!」

 

 

投下された爆弾がジョンに襲い掛かる。海面に着水した爆弾は爆発による衝撃波を生んで、巻き上げられた海水が降り注ぐ。

 

 

「簡単に沈むか!」

 

 

ジョンは巻き上げられた海水の柱の中をひたすらに突き進む。すでに空母棲姫を守っている敵護衛艦も砲撃を仕掛けてきており、ジョンは瞬く間に砲撃に呑まれる。

 

 

「ツイてる!」

 

 

だが爆弾も砲弾は1発も当たる事なく、ジョンは戦闘力を維持し続ける。

 

 

 

 

「そろそろ魚雷の射程距離か………」

 

 

そうしているうちに短魚雷の有効射程圏内に入ったジョン。彼女のスボンのポケットから1人の妖精が這い出してきた。彼の迷彩作業服には合衆国海軍大尉の階級章があり、片手にはバレットM82を持っている。

 

 

 

「頼んだぜ大尉、合図は任せる」

 

「分かった、任せろ」

 

 

その妖精はジョンの言葉に頷くと、激しく揺れる中を器用に駆けていき、彼女のヘルメットの真上に上がった。そしてその場で伏せるとバレットのバイポットを広げて、マガジンを装着してボルトを引き初弾を装填する。スコープを覗き込み十字線を空母棲姫の眼球に捉える。

 

 

「あの時と同じだな」

 

 

大尉はそう呟く。

 

 

 

「そろそろだな」

 

 

クリスとバークは敵に向けて突入するジョンを後方から支援するため空母棲姫を守っている巡洋艦級と駆逐艦級に向けて一斉攻撃の準備をする。

 

 

「行くぞ!」

 

 

続けてバレットを構えていた大尉がカウントダウンを開始する。

 

 

「5」

 

「4」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「0!」

 

 

 

カウントダウンと同時に引き金を引くと銃声が響き渡り、大尉のバレットから12・7ミリ弾が放たれた。

超音速で飛翔する弾丸は空母棲姫の眼球に直撃し、大尉はありったけの弾丸を空母棲姫の目に撃ち込む。

 

 

「ガァァァァァァァ!!!アァァァ!!」

 

 

両目を押さえて踞る空母棲姫。

 

 

「一斉撃ち方!」

 

 

大尉がその合図をしたと同時にジョンは全ての短魚雷を発射、クリスとバークも一斉攻撃を開始する。魚雷、砲弾、ミサイル、機関砲の一斉攻撃を受けた敵護衛艦艇は瞬く間に撃破され、空母棲姫にも短魚雷が多数襲い掛かる。

 

 

「Booom……」

 

 

目が見えていない空母棲姫は魚雷の攻撃に気付く筈もなく、足元から突き上げられる様な衝撃音と共に空母棲姫は吹き飛ばされた。

 

 

「やった!!」

 

 

海面に叩きつけられる様に数回バウンドした空母棲姫は大爆発を起こし破片を撒き散らす。

 

 

「Fooooo!!やったわ!!」

 

「まさか、成功するなんて!?」

 

 

クリスとバークも賭けの様な作戦が上手くいき、敵の上位個体を破壊出来た事に驚きを隠せない。

 

 

「見たか化け物!!エイリアンに比べたら大したことないんだよ!!」

 

「やったやった!!」

 

 

大尉もジョンのヘルメットの上で両手を挙げて喜んでいる。

 

 

「皆、此処が正念場だ!敵を押し込め!」

 

 

敵空母棲姫を撃破した事で厄介者が居なくなった第3艦隊は勢い付いて敵を押し返していく。

 

 

「そろそろ時間だな」

 

 

クリスが腕時計を確認する。国防軍の上陸部隊が既にマウイ島に上陸し、島の北側からもアメリカ本土から進出してきた第3艦隊に護衛された海兵隊が上陸を果たしている。オアフ島もモロカイ島も陥落するのは時間の問題であった。

 

 

「よし!敵は粗方倒したわ。弾薬を使い果たした娘から下がって!アイオワさん、後は任せたわ!」

 

「OK!ゆっくり休んでて!」

 

 

バークはアイオワに後を任せると、ジョンとクリス、そして弾薬を使い果たした艦娘達と共に後方に下がった。

 

 

 

 

 

 

そしてその日の夕方にはハワイ本島を除くオアフ島、モロカイ島は国連軍上陸部隊が占領、ハワイ奪還は目前となった。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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