艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第115話

マウイ島奪還作戦が終了しハワイ諸島の半分以上を手中に収めた国連軍は、間を置かずして作戦の最終段階であるハワイ本島奪還作戦に突入した。

 

既にハワイ諸島の深海棲艦は国連軍による作戦で疲弊しており、ハワイ本島の守りを固めているものの敵が迎撃態勢を取る前にハワイ本島に仕掛けるため、アメリカ本土から進出してきた米第3艦隊を加えた国連軍はマウイ島に集結していた。

 

 

「いよいよ最後か」

 

 

ハワイ本島を目前に、海上に展開する国連軍艦隊の国防海軍の護衛艦しらねの艦内で整備と補給を受ける第1、第2航空機動艦隊の面々は自身の艤装と装備の整備に余念は無かった。

特にクリス達は最後の作戦とあって、自身の艤装の整備が入念に行われており、それと平行して弾薬補給も行われていた。

 

 

「ジョン姉さん、エンジンはどうだい?」

 

「あぁ。短時間とはいえ無茶したからな」

 

 

ジョンは先の戦闘でエンジンの出力をレッドゾーンにまで回し続けたため、エンジンそのものに負担が掛かり、本来の出力を発揮出来ない可能性が出ていた。おまけに砲撃による直撃は受けなかったとはいえ、衝撃を受け続けたせいか一部の機器に作動不良も起きている。

 

 

「今は時間が無いから問題ないレベルには応急処置はするつもりだ。足手まといになるつもりはないさ」

 

 

そんな会話をしつつクリス、バーク、アリゲーターガーも自身の艤装の整備に追われる。

 

 

 

「どうする?SM-3とアスロックを降ろしてその分をトマホークと他のミサイルにでも回す?」

 

「それが良いかも。前の戦闘では弾薬を使いすぎたし」

 

「俺は良いところ無かっからな、次の作戦じゃ大暴れしてやるさ」

 

 

 

VLSと弾薬庫にミサイルと砲弾がありったけ積み込まれ、妖精達も各武器の点検を進めていく。

 

 

 

「作戦開始まであと3時間」

 

「次は敵も必至に抵抗してくるから激戦になるな」

 

「あぁ。お互いに生きて帰れる事を願おう」

 

 

 

その間にも時刻は進んでいき、作戦開始時刻が迫ってくる。

 

 

 

「そろそろ時間か」

 

 

 

腕時計の針が午後11時59分を指す。

各機動艦隊が配置に就き、作戦開始時刻を待っている。

 

 

「時間だ」

 

 

秒針が0を刺し時刻は午前0時となった。

 

 

 

『艦隊並びに国連軍全将兵に告げる。ハワイ諸島奪還作戦の最終段階であるハワイ本島奪還作戦を開始する。各員は人類の未来を切り開くため奮励努力せよ!』

 

 

作戦開始が告げられると同時に各機動艦隊の艦娘達は行動を開始する。

既にハワイ本島の偵察は事前にU-2偵察機や人工衛星、そして超音速偵察機SR-71ブラックバードによりリアルタイムで行われており、各艦隊はハワイ本島を囲むように展開する。

 

 

「トマホーク、攻撃開始!」

 

 

先ずは海中に潜伏していたアリゲーターガーによるトマホーク攻撃が開始された。放たれた全トマホークはハワイ本島のコナの飛行場に居る飛行場姫に向かっていく。

 

 

「キタ…………」

 

 

2人の飛行場姫は迎撃機を上げて迫ってくるトマホークを仕留めようとする。

 

 

「出てきたか」

 

 

ブラックバードからの中継映像にも飛行場姫が迎撃機を上げたのが分かった。

 

 

「トマホークという最高級の囮だ。敵だって馬鹿じゃない、トマホークの脅威はしっかりと認識している。それを利用したんだ」

 

 

飛行場姫が迫ってくるトマホークに気を向いている隙を突き、次なる一手が打たれた。

 

 

『敵は油断してる!全機突撃!』

 

 

ハワイ本島上空で待機していた1航戦と2航戦の爆撃隊が急降下で仕掛けてきた。

艦爆による急降下爆撃に飛行場姫は気が付き、直ぐ様迎撃が行われる。

 

 

『お出ましだ!行くぞ!』

 

 

爆撃隊の護衛である零戦と紫電改が迎撃機との空中戦に突入した。爆撃隊は飛行場姫の護衛である戦艦級と巡洋艦級からの対空攻撃に晒されながらも飛行場姫に向けて降下を続ける。

 

 

『もうちょっと……もう少し……もう少し……用意、投下!』

 

 

艦爆機から大小様々な爆弾が投下され、飛行場姫に襲い掛かる。

 

 

「邪魔ダ………」

 

 

 

飛行場姫の護衛である防空棲姫が対空迎撃を行い落下してきた爆弾を撃ち落とし、直撃コースだった個体に対しては障壁を張って防御した。

 

 

「厄介なのが居るな。あれも深海棲艦の上位個体か?」

 

「あぁ。防空棲姫と言う奴だ」

 

 

深海棲艦の新たなる上位個体の出現は司令部を驚かせたが、長門は冷静であった。

 

 

「クリスからの偵察結果から既に手は打ってる」

 

 

長門の防空棲姫に対する次の手が打たれた。

 

 

「ようやく出番ね!」

 

 

第1航空機動艦隊に所属している扶桑型の2人が砲撃準備に入る。

 

 

「こちらは何時でも撃てます」

 

「撃て!」

 

 

扶桑と山城の36センチ砲24門の一斉砲撃に海面が揺れ、24発の砲弾がハワイ本島へむけて飛翔し防空棲姫に砲弾が迫る。

 

 

『甘イ!』

 

 

防空棲姫は24発の砲弾に向けて対空攻撃を行い、24発中、15発は落としたが残りの砲弾が殺到し防空棲姫に直撃した。

 

 

「マダ!」

 

 

しかしその直後、トマホークが防空棲姫をすり抜けて飛行場姫に迫る。

 

 

「シマッタ!」

 

 

防空棲姫の叫びも虚しく、飛行場姫は迎撃機を展開して気付いていないのか避ける素振りを見せず、トマホーク全弾が直撃する。

 

 

「!?」

 

 

戦艦の砲弾程では無いにしろトマホーク直撃のダメージは凄まじく、飛行場姫は自身の艤装に損害を受けた。

 

 

「マダ……」

 

 

飛行場姫は損害を受けて尚も立ち上がり、更に多くの航空機を展開して国連軍を迎え撃とうとする。

 

 

『させるか!!』

 

 

今度は、5航戦の爆撃隊が現れて飛行場姫に攻撃を仕掛ける。防空棲姫は迎撃を行うが、既に懐に入られており迎撃は効果を見せる事は無かった。

 

 

『投下!』

 

 

 

次々と投下される爆弾は飛行場姫に襲い掛かり、次の瞬間には飛行場姫は爆炎に飲み込まれ姿を消した。

 

 

 

 

「よし!飛行場姫を無力化したぞ!」

 

「まだ安心するのは早い。まだ敵には複数の上位個体が居る。それを仕留めなければ」

 

 

そう、深海棲艦側にまはまだ戦艦級や巡洋艦級、そしてハワイ諸島を手中に収めている本命の泊地棲姫が居る。泊地棲姫は前の戦闘時にも存在したが、ハワイ本島の泊地棲姫は上位個体の中でも戦域を任されている存在のためこれまでの泊地棲姫とは一線を画している。

 

 

 

「機動艦隊に託すしかない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛行場姫を早急に無力化できた事により、各機動艦隊と国連軍艦隊は当初の予定よりも早く行動を開始した。

 

 

『take off!』

 

 

国連軍艦隊のキティホーク級とエンタープライズ級からF-4とF-14の飛行隊が次々と発艦していく。彼らは航空機動艦隊の空母達に代わり上空援護と制空権確保のため、既に飛行場姫と外の空母級が放った航空部隊の迎撃する。

 

 

『来たぞ!』

 

 

先ず航空隊の攻撃に先駆けてバージニア級原子力ミサイル巡洋艦と原子力ミサイル巡洋艦ロングビーチから対空ミサイル攻撃が放たれた。タロス・テリア・SM-1艦対空ミサイルが敵航空部隊に向けて放たれた。

その他のミサイル艦からも対空ミサイル攻撃が行われ、大量のミサイルが空を飛び、艦隊に迫ってくる脅威を次々と排除していく。

 

 

『次は俺達だ!』

 

 

待機していたF-14とF-4がスパローミサイルを放ち撃ち漏らした敵機を撃ち落とし、今度は有視界によるドッグファイトが始まった。

 

 

『もうかつての俺達じゃねぇんだよ!』

 

『掛かってこい!相手してやるぜ!』

 

 

パイロット達は各々の機体を操り、敵の航空機を次々と排除していく。流石に数は多いものの、サイドワインダーの最新型が項を奏したのか、これまでなあまりにも小振りで中々捕捉できなかった深海棲艦の航空機を効率よく撃墜していく。

 

 

「流石に派手だな」

 

 

クリスはSPYレーダーで上空の様子を観察する。

 

 

「この世界もだが合衆国にとってはハワイは大事な領土だ。必至にもなるさ」

 

「俺達の出番はあるのかね?」

 

「あるさ。敵の親玉を仕留めるのが俺達の役割だからな」

 

 

そうこうしているうちに制空権は国連軍の手に落ち、今度は敵の水上部隊が迫ってきた。

 

 

「全艦対水上戦闘用意!」

 

 

空母が下がり、戦艦、巡洋艦、駆逐艦の艦娘達が前に出る。クリスとジョンとバークは後退した空母の護衛と後方から味方の攻撃支援のため空母達と共に後退する。

 

 

「いよいよか」

 

 

 

 

 

 

 

続く




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