艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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今回で太平洋での戦いは一区切りです。


第117話

ハワイ本島の深海棲艦を無力化した国連軍は、念願のハワイ本島奪還の最終段階である上陸作戦を開始した。ハワイ本島を取り囲むように展開していた国連軍艦隊と米第3艦隊の護衛のもと、日米独英波の上陸部隊が大挙としてハワイ島に押し寄せ上陸していく。

 

 

「行け行け!」

 

「Go!Go!Go!」

 

水陸両用車や揚陸艇から戦車、装甲車、歩兵が次々と降り立ち、これまでの勢いに更に拍車を掛ける様に見える。

 

 

「敵襲!」

 

 

無論、ハワイ本島には深海棲艦の陸戦型が待ち構えており、最後の抵抗と言わんばかりに反撃を仕掛けてくる。

 

 

「何度も同じ手を喰うか!」

 

 

 

しかし、これまでの戦いで既に深海棲艦による抵抗を排除してきた日米独の部隊は反撃してくる敵陸戦型に対して冷静に対処していく。

沖合いの空母と揚陸艦からはアメリカ海兵隊航空部隊所属のF-4ファントム、A-4スカイホーク、AV-8Aハリアーが飛び立ち、その後方をAH-1コブラと武装型UH-1のヘリ部隊が続き、深海棲艦の陸戦型を次々と撃破していく。

 

 

 

「よし進め!ハワイを取り返すんだ!」

 

 

 

日米独の部隊は火力を生かした突撃戦術により敵をハワイ本島の奥へ奥へを押し上げ、作戦開始から僅か3日後には深海棲艦の地上部隊は島の中心部で完全に包囲された。

 

 

 

「fire!」

 

「撃て!」

 

 

 

此処で最後のダメ出しとして、第1・第2航空機動艦隊の戦艦全てによる艦砲射撃も加わった。国連軍地上部隊の砲兵隊の艦砲射撃による猛烈な砲撃を前に地上戦を得意としない深海棲艦の陸戦型は次々と撃破、最終的に敵は僅かな数のみがハワイ島から脱出し撤退、ハワイ島は完全に人類側によって奪還され戦闘は終結した。

 

 

 

 

 

「そうか……上手くいったか」

 

 

護衛艦しらねの艦内でクリスは作戦終了の報告を司令部から受けていた。

 

 

「あぁ。君たちのお陰だ。感謝してもしきれない」

 

 

長門はクリス、ジョン、バーク、アリゲーターガーの4人に向けて礼を述べ、クリスはそれ。少し気恥ずかしい様子で否定する。

 

 

「我々だけの力ではない。この世界の人々や君たちの力で成し遂げたんだ。余所者の私たちは少しだけ手を貸したに過ぎないさ」

 

「そうね。本来私たちはこの世界には存在しないんだから」

 

「そうそう。俺達は生き残るために戦っただけさ」

 

「この勝利は我々にではなくこの世界の人達に向けられるべきなんだ」

 

「しかし……結果的に敵泊地棲姫を倒したのは君たち4人のお陰、特にクリスはな。せめて礼だけでも」

 

 

長門のその言葉に4人は首を横に振った。

 

 

「そんなものは俺達には必要ない。我々は感謝されたり評価が欲しくてやってる訳じゃないんだ。俺達の世界の合衆国軍に身を置く者として当然の義務を果たしたに過ぎない」

 

 

固辞する姿勢を崩さないクリスらに長門はそれ以上の事はしなかった。

 

 

「………そうか。もう何も言うまい」

 

 

長門は一呼吸置いてかは別の話題に切り替えた。

 

 

「ところで深海棲艦との戦いには一区切りついた訳だが、君達はこれからどうするつもりだ?」

 

 

その問いに皆、頭を傾ける。

 

 

「そうだな…………こっちでの生活にも慣れてきたし、まだ我々の力が欲しいなら喜んで貸すつもりではいる」

 

「私もまだ正確な事は決めてないわ。でも私はこの中で一番年上だから、兄弟と仲間を見守る義務があると思うの。クリスとジョンとアリーの3人が決定に着いていくつもり」

 

「俺も姉貴とクリスに賛成だ。まだあんな化け物共が居るんなら、それを倒すために手を貸そう」

 

 

バークとジョンが自身の今後の話をする中、アリゲーターガーは3人とは違う意見を出した。

 

 

「俺はこの作戦が終わったらしばらく1人になりたいんだが」

 

「おいおいアリー、何言ってるんだよ?俺達は4人で合衆国海軍じゃないのか?」

 

「あぁ勿論そのつもりだ。だが俺には約束があるんだ」

 

 

そう言うとアリゲーターガーは一枚の写真を取り出す。そこにはこの世界に来た時に自分を拾ってくれた島の部族の人達と撮った写真だった。

 

 

「必ず帰ってくるって約束したんだ。得体の知れない俺を優しく迎え入れてくれたんだ」

 

「そう言えばそんな話をしてたな。良いんじゃないか?」

 

 

アリゲーターガーの話にクリスは賛成の意見を出した。

 

 

「おいクリス、良いのか?」

 

「彼自身が決めた事だ。俺達が口を出すべき事じゃない。別に海軍を辞める訳じゃないんだろ?」

 

「勿論、必ず戻ってくる。それまでは待って欲しいんだ」

 

「分かった。行ってこい」

 

 

クリスの言葉にアリゲーターガーは頭を下げた。

 

 

 

「そう言う事だ長門。また暫く厄介になる」

 

「分かった。ありがとう」

 

 

長門は頭を下げて礼を述べた。

 

 

 

「さて話は決まった!後は残党の掃討作戦が主になるが、実行にはまだ時間は掛かりそうだ。それまではゆっくりしていてくれ」

 

「あぁ。有り難く休ませてもらおう」

 

 

 

太平洋での深海棲艦との戦いに勝利を収めた人類は、まだ完全な平和を勝ち取るにはまだまだ沢山の壁がある。その中で4人だけの合衆国海軍はこの世界で何を見出だし、何を成し遂げるのかはまだ誰も知る由は無い。

 

 

だが、元の世界に戻るその時まで4人の戦いはまだまだ続くのであった。

 

 

 

 

 

第1部 完




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