艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第13話

強力な対潜哨戒網が敷かれ、潜水艦からの襲撃に備えるクリス達。最上を貨物船に見立てた船団護衛部隊は彼女を守るように4方に展開し、クリスは先行して対潜警戒を行っている。

 

 

「そろそろ接敵しても良い時間だが」

 

 

今の所、ヘリとソナーに反応は見られない。今回の訓練は実戦を想定しているため、待ち構えてる潜水艦の艦娘達の数、艦名、性能は何も分からない状況は非常に緊張が伴う。

 

 

 

その頃、ホワイトシャークは潜水艦が潜んでいると思われる海域を低空飛行を行っていた。

既に辺り一帯にはソノブイが等間隔で設置されており、後はアクティブソナーによる捜索を行う。

 

 

 

「よし。この辺で良い」

 

 

 

攻撃指揮を行う戦術士官の指示で、ホワイトシャークはその場でホバリング。そして機体に装備されている機上音響信号処理装置AN/UYS-2と連接している吊り下げ式ソナーがワイヤーを使って海面に下ろされる。

ワイヤーの先にあるソナーが海中に入ると、アクティブモードで音波が放たれる。

機内の音響信号処理装置が放たれた音波の反射波が捉えた情報を写し出す。

 

 

 

「もう少し出力を上げるか」

 

 

 

 

 

 

 

その頃……近くの海底では

 

 

 

「この音は」

 

 

 

海底の洞窟に潜んでいる、横須賀鎮守府第3潜水戦隊所属の潜水艦『伊168』『伊8』の2人が、何処からか聞こえてくるアクティブソナーの音に耳を塞ぐ。

 

 

「何の音かな」

 

 

伊8が動こうとするのを伊168が慌てて止めた。

 

 

「待って!これ探信音だよ」

 

「おっと……アクティブソナーか」

 

 

伊8は音を立てないようにする。

 

 

「意外と早かったね」

 

「なんせあの新顔のクリス・カイルってのが居るからね。どんな対潜装備を持ってるか分からないから、此処は慎重に行こう」

 

 

2人はアクティブソナーの音波に当たらないようその洞窟にじっと身を潜める。

 

 

 

 

 

 

 

「うーん……やっぱりアクティブだと警戒されるか」

 

「どうするんです?」

 

「ちょっと猫だましやってみるか」

 

 

ホワイトシャークの機内で戦術士官はソナーの出力調整を行い、音波の出力を少しずつ上げ、発信のタイミングの間隔を狭めていく。

 

 

「よし、ゆっくりソナーを回収してくれ」

 

 

ソナーから放たれる音波の音は徐々に高くなる。

伊168と伊8は徐々に迫ってくるように聞こえてくるソナー音から耳を守るため両耳を塞ぐ。

 

 

「何とかやり過ごさないと」

 

 

伊168はソナーに捕捉されないよう、洞窟の中で緊張しながらやり過ごす。

そして、ソナー音が徐々に遠ざかっていき、そして完全に聞こえなくなったタイミングで緊張を解く。

 

 

 

「聞こえなくなったね」

 

「うん」

 

「よし。じゃあ何時も通りやろう」

 

 

 

2人は攻撃に備えてモータを始動させ、静かに洞窟から出た。

 

 

 

 

 

その時

 

 

「目標捕捉!」

 

 

海上に浮いているソノブイのパッシブソナーが2人から放たれる僅かな推進音を探知した。

 

 

「目は1つより2つの方がいい」

 

 

ソノブイとティッピングソナーの両方の方式を活用し伊168と伊8を探知できたホワイトシャークの音響信号処理装置はデータリンクによりクリスのHUDに表示される。

 

 

「皆、哨戒機が敵潜を捕捉した」

 

「数は?」

 

「2隻だ。こちらの進路上で待ち構える様だ」

 

「よし。位置が分かったらこっちのものよ!クリス、攻撃よ」

 

 

白露がクリスにそう指示したが、クリスは首を横に振る。

 

 

「いやまだだ」

 

「どうして?」

 

「もしかしたら探知した2隻は囮の可能性がある。我々がそっちに攻撃している最中に別の艦がその隙を突いて攻撃してくる事もあり得る」

 

「じゃあこのまま泳がせるの?」

 

「あぁ。探知した2隻はヘリに任せる。もしかしたら別の艦が本命かもしれんな」

 

 

クリスは曳航式ソナーと艤装に装備されているAN/SQS-53C(V)1バウソナーの出力を上げ警戒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり警戒厳しいね」

 

 

クリス達が航行しているエリアのギリギリ外側の海海面、水温躍層と呼ばれる水温が急激に変化する位置に2隻の潜水艦が身を潜めていた。

 

 

「うん。でも此処に居れば聴音機に見つかりづらいから」

 

 

横須賀鎮守府第1潜水隊所属の『伊13』と『伊14』の姉妹が水温躍層に居るのも、水温の関係でソナーに捕捉されづらいエリアである事を知っていたからだ。

 

 

「どうする?」

 

「イムヤとハチ達が動くまで待って、このまま追尾しよう」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

続く




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