艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
MH-60R コールサイン『ホワイトシャーク』
クリスから飛び立ったホワイトシャークの機内では4人の乗員のうちレーダー員と呼ばれる4人目の乗員が、機体に装備されているAN/APS-147レーダーと各種センサーを使いながら、目的地の偵察を行う。
機体の各種センサー類はクリスのAN/SRQ-4戦術情報処理装置とリンクしており、ほぼリアルタイムでクリスにも届いている。
「こちらホワイトシャーク、間も無く現場海域到達」
『了解』
機体は戦闘中の海域ギリギリで停止すると、その場でホバリングしながら辺りを探る。
「ん?」
そこへレーダーが反応を捉えた。
「レーダーコンタクト。前方向に多数の水上目標を捕捉」
『確認した』
AN/APS-147レーダーが水上を激しく移動する目標を捉えた。機内のディスプレイに表示されているのは4つの人間サイズ程の小型目標に群がる10個以上の中型目標が写し出されている。
『ホワイトシャーク、接近しカメラで目標を確認せよ』
「了解」
指示を受けたパイロットは機体を徐々に目標に向けて近付けさせる。
「間も無くカメラの捕捉距離だ」
「了解」
機体はその場で再びホバリングに入った。
機首に装着されているAN/ASS-44FLIR・レーザー目標指示装置のカメラが目標を捉えた。
「こりゃあ………」
ディスプレイにはモノクロ画面に熱を放つ目標が白く写し出され、4つの人間のシルエットが多数の豆粒サイズの超小型目標囲まれ砲雷撃されている様子で、すこし離れた位置から4つの丸いシルエットを持つ中型目標が向かってくる。
「不味いな、囲まれている方は不利だ」
「取り敢えず艦長に指示を仰ごう」
ホワイトシャークからの連絡を受けたクリスはHUDに表示されるFLIR映像を見ながら、どうすべきか判断を下さなければならないが、クリスにとってはその判断を下すまでの時間は短かった。
「攻撃を行う!TAO(戦術士官)、あの小型目標と中型目標に対して攻撃!」
「了解!小型目標をアルファ、中型目標をデルタとします!アルファはホワイトシャークが対処、デルタは本艦が対処!」
TAO(戦術士官)の指示に従い、ヘリは小型目標デルタ、クリスは中型目標アルファの対処のため必要な火器の選択を行う。
「SM-6発射用意!目標群アルファ!」
「了解!SM-6、kill track2420、2421、2422、2423、2424!」
「SM-6fire!salvo!」
ミサイル担当の小人が発射ボタンを押すと、クリスの艤装に備えられたMk45VLSから4発のSM-6が発射された。
「ホワイトシャーク、
攻撃を開始したホワイトシャークは、目標群デルタに向けて低空飛行で接近する。
「ターゲット、レーザーロック」
機首のレーザー目標指示装置から目標指示レーザー光線が照射され、目標をロックオンする。
「ミサイル攻撃、fire!」
ホワイトシャークの左右スタブウイングに装備されている2連ランチャーからAGM-114ヘルファイアミサイルが発射され、セミアクティブレーザー誘導によりレーザー照射を受けた目標群デルタに次々と命中していく。
「hit!目標群デルタ4の撃破確認!これより残敵掃討に入る!」
機体はそのまま高度を上げる。射撃手がドアを開けると、Mk25mod0ミニガンを残りの目標に向ける。
「fire!」
射撃手がミニガンのボタンを押すと、毎分3000発の発射速度で7・62ミリNATO弾が放たれる。大雨のような勢いで降り注ぐミニガンの攻撃により、両脇に魚雷のような物を抱えた小人のようなシルエットの目標は次々と穴だらけにされていく。
吐き出される大量の薬莢も当然ながら下からホワイトシャークを見上げているセーラー服を着た少女達にも降り注ぎ、高熱の薬莢を手で払っているのが見える。
『目標群デルタを撃破!』
「了解」
ホワイトシャークからのカメラ映像で戦闘の一部始終を見ていたクリスはホワイトシャークにその場から退避を指示する。
「もうそろそろか」
腕時計で時間を確認する。
発射したSM-6が間も無く命中する時間である。
HUDにはミサイルの光点が目標群アルファを示す光点との距離が縮まる。
「インターセプター5秒前……stanby、markintersept!」
秒読みの後、SM-6と目標群デルタの光点が重なった。そしてレーダーから反応が消失した。
「target Kill」
「了解。ホワイトシャーク、戦果確認」
『了解』
退避していたホワイトシャークが戦果確認のため目標に接近する。
海面には目標と思われる残骸が浮かんでおり、黒煙も確認出来たが、目標そのものは既に海上から姿を消している様子だった。
「目標撃破を確認。艦長」
「了解。戦闘配置解除、警戒配置」
戦闘態勢が解かれ、警戒配置になる。
「さて、彼女達に挨拶するか」
再び無線を開くと再び相手に呼び掛けた。
「こちら合衆国海軍駆逐艦、艦番号DDG-145、クリス・カイル」
『こちら国防海軍横須賀鎮守府所属第6駆逐隊、貴艦の支援に感謝する』
「こちらこそ。ところでこれから貴官達と接触し、それから上官と話がしたい」
『了解。待ってるよ』
続く
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