艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第35話

爆撃隊がマニラの敵基地爆撃開始と同時刻、海中で待機していたアリゲーターガーは残り2つの敵基地への攻撃態勢へと入っていた。

海面から数メートル下にまで浮上し、背部に装備されているVLSの扉を開く。

 

 

「tomahawk ready………fire!salvo!!」

 

 

VLSから筒状の耐圧カプセルが飛び出し、海面に浮かびあがるの内部に格納されていたタクティカルトマホークが蓋を突き破りジェットエンジンを始動させ飛び出していく。

海面から次々と飛び出してくるトマホークはそれぞれ目標に設定されているセブとタヴァオに向けて飛び去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時間だ!全員、降下準備!」

 

 

現場海域に到達していた輸送機のサイドドアが開かれると開傘索が降ろされ、クリス達は背中に背負っているパラシュートパックから伸びるロープを開傘索へと接続し、サイドドアまで近付く。

 

 

 

『コンボイ1、コースよし!コースよし!用意、用意、用意!降下!降下!降下!』

 

「鳥になってこい!」

 

 

降下のタイミングを図るジャンプマスターと呼ばれる乗員が降下の合図を出すと、クリスはその場から走るように駆け出して機体から飛び降り、その後を時雨、秋月、照月、初月、涼月が続くように飛び降りる。

開傘索により全員のパラシュートが開き、クリスら対潜任務部隊は海域上空より降下していく。

 

 

 

「居るな……」

 

 

下を見ると、水上を敵の駆逐艦級や軽巡洋艦級で編成された水雷戦隊、その外周を守るように展開している水雷艇部隊の姿が見えた。

概算で3個から4個の水雷戦隊規模が展開している様子で、幸いにも航空機による援護は無く、相手側もクリス達にはまだ気付いていない様子であった。

 

 

「このままやり過ごして奴等の背後に回り込む」

 

 

背後から仕掛けようと、そのまま敵をやり過ごす。

海面が近付き、パラシュートパックに内蔵されている高度計が事前に設定されていた高度を指すと、パラシュートパックに備えられている固体燃料ロケットが点火し、降下速度を落とすと背中から切り離され、そのまま海上に着水した。

 

 

「行くぞ!」

 

 

全員が着水と同時に機関を始動させ、前方に見える敵水雷戦隊の背後へ忍び寄る。

 

 

「先ずは敵旗艦の軽巡悽鬼2隻を叩く!その後、水雷艇を叩け!駆逐艦は上のファントムが叩く!」

 

 

そう指示する同時にクリスは対水上レーダーを起動させ、その中から反射波が大きい軽巡悽鬼を補足、SM-6にデータを送ると同時に発射した。

駆逐艦より防御力と火力に優れる軽巡悽鬼を確実に無力化するため1隻の軽巡悽鬼つき6発を撃ち込むため、合計12発のSM-6を発射し、低空を音速で飛行しながら護衛のイ級、ロ級の間を一瞬ですり抜け、軽巡悽鬼の背後から直撃した。

 

 

『!?』

 

『ナニッ!』

 

 

短時間の間に次々と命中するSM-6に軽巡悽鬼は何が起こったのか分からないまま撃破される。

 

 

「やった!!敵旗艦を撃破!」

 

「よし!機関増速、突入!」

 

 

敵旗艦撃破を合図にクリス達は敵水雷艇戦隊へと仕掛ける。

 

 

「時雨、行くよ!」

 

 

時雨は秋月姉妹より先に敵に吶喊、背中にマウントされていた主砲を両手に装着し敵PT小鬼群に向けて主砲を放つ。放たれた砲弾はまだ高速航行に入っていなかったPT小鬼群に命中し纏めて3隻を沈める。

 

 

「fire!」

 

 

続いてクリスもMk45による精密射撃を実施し1体につき1発を確実に命中させていき、発射毎に空薬莢を排出、自動装填装着による再装填からの射撃と言うプロセス繰り返しながらPT小鬼群を確実に撃破していく。

 

 

「私達も負けてませんよ!」

 

 

秋月達も新型の長10サンチ砲の高い発射速度を生かした弾幕射撃を浴びせていく。

 

 

 

 

一方で敵水雷戦隊側も状況を理解して態勢を建て直そうと、イ級とロ級が反撃態勢に入る。

 

 

『そうはさせんぞ!喰らえ!!』

 

 

反撃に入ろうとしていたイ級とロ級が突然爆発していく。何事かと上を見ると、爆装した国防空軍のF-4EJが低空飛行をしながらイ級、ロ級に向けて翼下のロケット弾掃射によるロケット攻撃を行っていく。

戦車等の対地目標への攻撃が主体のロケット掃射は装甲が薄く車両よりも鈍足なイ級やロ級相手でも非常に有効であり、ロケット弾をまともに受けたイ級とロ級は次々と撃破される。

 

 

『やった!今の攻撃で7隻撃破だ!』

 

『良いぞ!今度はミサイルだ!』

 

 

ロケット弾攻撃を終えると、今度は別のファントム編隊が急降下しながら主翼下のパイロンに装備されていた細長い小型ミサイルを発射し、イ級とロ級へ次々と命中していく。

 

 

『命中!命中!命中!』

 

『急造品とは思えんな』

 

 

 

この時ファントムが使用した小型ミサイルは深海棲艦の中でも数が多い小型艦用に、AIM-9Lサイドワインダーのシーカーを深海棲艦の放つ温度を検知できるように再調整した急造のミサイルで、元々音速飛行する戦闘機を撃破するための空対空ミサイルとして開発されたサイドワインダー改造のそのミサイルは航空機以下の速度でしか動けないイ級とロ級に次々と命中、撃破していく。

 

 

「これで最後!」

 

 

最後のPT小鬼を時雨が撃破し、敵水雷艇部隊は全滅した。

 

 

「このまま押し込むぞ!」

 

 

クリス達は最後にファントムが撃ち漏らした残りの駆逐艦級に目標を変え、攻撃していく。

既に艦隊として瓦解していた敵水雷戦隊は効果的な反撃が出来ず各個撃破されていき、上空からの近接航空支援も加わっているため、壊滅は既に時間の問題だった。

 

 

「fire!」

 

 

クリスは敵からの反撃を華麗に避けつつ敵に接近は離脱を繰り返し、一撃離脱攻撃で敵を撃破していく。

 

 

「よし!これで良い!」

 

 

クリスは残っていた駆逐艦級数隻を逃すため、攻撃中止を指示する。

逃された駆逐艦級は逃げるように全速力で現場海域から離れていった。

 

 

「やりましたね……」

 

「だがまだ前哨戦だ。我々の相手は潜水艦だ」

 

 

この作戦は陽動であり太平洋で行われている反抗作戦に潜水艦戦力を送らせないようにするのと、敵の注意を逸らせるのが今回の作戦目標である。

敵潜水艦を引っ張り出すには見逃した駆逐艦級が敵の指揮系統に報告をさせる必要がある。クリスか敵を敢えて逃がしたのはそのためであった。

 

 

 

「敵は引っ掛かかるだろうか?」

 

「必ず引っ掛かかる。これだけ大騒ぎしたんだからな……それに今回の作戦は敵の殲滅が目的じゃないから無理をする必要はない」

 

 

 

逃げていく敵を見送りながら、クリス達は相手が潜水艦戦力を押し出してくるのを待ち続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから半日が経過し、夕日が西の空に沈み、辺り一帯が暗闇に包まれる。

フィリピン東部沖一帯を国防海軍のP-2J、P-3Cの対潜哨戒機が低空飛行し厳重な対潜哨戒網を敷いていた。

 

 

「ん?」

 

 

 

上空を飛行していたP-3Cの磁器探知装置が反応した。

 

 

 

「来た!報告だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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