艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
戦闘開始から数時間が経過し、辺り一帯の潜水艦を掃討し終えたクリスら対潜任務部隊。
「ソナー反応無し」
ヘリと自身のソナーに潜水艦らしき反応はなく、時雨達やヘリもソノブイとティッピングソナーを使って捜索範囲を広げ捜索しているが潜水艦発見の報は無かった。
「やっぱり向こうは全滅かな?」
「やったのは雑魚ばかりだ。本命の潜水悽姫を潰さない限りはな」
「でもアレって中々姿表さないから見つけるのは難しいんじゃないかな。もしかしたら此処にはもう居ないのかも」
今回の作戦は陽動であるため無理に潜水悽姫を見つける必要はない。だが時雨の言う通り潜水悽姫は此処から離れている可能性もある。見つからなければリスクを背負ってまで無理に探す必要はなかった。
「アリーからの報告もないし、ある程度時間も稼いだ。提督に報告するか」
クリスは作戦は成功と判断して佐世保に居る成田に報告のため無線を開こうとする。
その時…………
イタノネェ………エモノ………エモノ……
突然、声のような音が耳に入る。
「ん?誰か何か言ったか?」
「いや………でも確かに声が……」
エモノ……エモノ…………エモノ………
同じような単語を繰り返し発するその声に警鐘が鳴り響く。
「これは!?」
そう指示を出した直後、クリスのソナーが接近してくる音源を捉えた。
「ちぃっ!」
音源は明らかに魚雷そのものだった。クリス達はその場で回避行動に出たが、音源をから明らかに複数の魚雷が向かってきており、その数は優に10発20発を越えている。
「2時方向、雷跡視認!数30!」
涼月が指差した方向を見ると、30本近い魚雷が真っ直ぐ向かってきた。
「各艦回避行動!」
そう指示を出し全員が魚雷の射線から逃れ、魚雷を回避する。
「回避成功!」
「ASROCK stanby!」
クリスは魚雷が向かってきた方向に向けてピンガーを放つ。しかし敵は海底の複雑な地形をりよう何処かに身を潜めているのか、ピンガーの音波は海底で乱反射し捕捉出来なかった。
「間違いない。奴だ」
直感で魚雷を放ってきたのは潜水艦級の親玉である潜水悽姫であると判断した。
「流石は潜水艦共のボスだな……残り少ない部下を使って我々がそれらに対処している隙に……」
「じゃあ私達も敵の陽動に……」
「あぁ。向こうも陽動を仕掛けてきたという訳だ……」
「どうします?撤退しますか?」
「そうだな。奴の姿が見えない以上は無理に戦う必要は………」
その時、クリスのヘッドセットに再びソナーからの音源が響いてきた。
「向こうは逃がすつもりは無いみたいだな!」
再びやって来た魚雷群。
今度は先程の攻撃よりも魚雷の数は少なかったため回避は容易だった。
「もうこうなったら戦いましょう!」
「あぁ、弾薬が心配だが、何とか撤退する隙を伺うしかない!」
クリスは撤退する隙と時間を作るための再攻撃の実施を判断して、戦闘に移行する。
「ホワイトシャーク、聞こえるか?」
『感度良好!』
「現在位置から北東に哨戒範囲を絞って敵潜を捜索!」
『ホワイトシャーク了解!』
魚雷がやって来た方角から、現場より北東方向に敵が潜んでいると読んでヘリに哨戒エリアに絞るように指示を出し、クリスもアクティブソナーを放ちながら何時でもASROCKとMk46短魚雷を何時でも射撃できるようにセットする。
「何処だ?何処に居る?」
ヘリと自身のソナーを駆使して潜水悽姫を探すが、ソナーは複雑な地形を持つ海底に乱反射して捕捉できない。
「ん?」
その時、何処からか聞き覚えのある音が聞こえてきた。
「これは……」
音源を絞り耳を澄ませる。
「原子炉の音………アリーか!!」
近付いてくる音源は間違いなくS9G型加圧水型原子炉、アリゲーターガーの主機関が放つ独特な音だった。
こちらに近付いてきたタイミングで、海面に彼が浮上してきた。
「クリス、皆、大丈夫か!」
「問題ない!!だが敵の親玉に捕まったらしい!」
「分かった!相手が潜水艦なら俺が対処する!敵の位置は分かるか?」
「奴は2度魚雷を撃ってきた!その時の方向は此処から2時の方角、北東の海底の何処かに潜んでる!」
「分かった!後は俺に任せて此処から撤収しろ!」
「魚雷の数は足りそうか?」
「心配するな。こっちは最新鋭のバージニア級だ、奴に遅れはとらん!」
それだけ言い残すとアリゲーターガーは海中に身を潜めていった。
続く
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