艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
戦闘を終えて帰路に就いた対潜任務部隊は、空軍の回収部隊との会合地点に到着していた。
「そろそろ来る時間だな」
予定時間となり、迎えの国防空軍のS-62J救難ヘリコプターが到着、クリス達の目の前で海上に着水した。
「迎えに上がりました!乗ってください!」
パイロットに促され1人ずつ機体に乗り込んでいく。
全員を回収し終えると機体は浮上し、佐世保へ向かった。
1時間後、佐世保鎮守府のヘリポートにクリス達を載せたS-62が着陸、ヘリポートに来ていた成田が機体から降りてきたクリス達を出迎えた。
「クリス・カイル以下対潜任務部隊、全艦帰還しました!」
「ご苦労!帰還早々だが報告を頼む!」
「了解!」
部隊の指揮官であるクリスはこれまでの戦闘詳報を成田に報告した。そしてアリゲーターガーが潜水悽姫を撃破した事も伝える。
「そうか!それは大戦果だな。アレには散々苦しめられてきたから、軍の士気もあがるだろうし、他の部隊の作戦行動や哨戒任務がやり易くなる。本来なら勲章ものだが……」
「分かっています。今の私とアリーは……」
「そうだったな………まぁ適当に上には伝えるから心配しなくてもいい。だが、上は良くても私の気が済まない、そこで君たち2人と部隊全員には一週間の半舷上陸を与える。横須賀に帰る前に土産の一つや二つくらい買う時間もあっていいだろう」
「配慮、感謝します。それと提督、横須賀の方の状況はどうなってますか?」
「W島攻略は損害を負いながらも成功したらしい。次の作戦第2段階の準備に入ってるらしい」
「分かりました。」
潜水悽姫撃破により陽動作戦は当初の予定よりも早く終了する事となり、反抗作戦での太平洋方面の敵戦力増加阻止と敵戦力分散は達成できたため作戦は大成功裏に幕を閉じた。
本命の反抗作戦第1段階のW島攻略も成田からの説明では上手くいっている事が語られるとクリスと時雨は安心する。
「横須賀から我々に何か言ってきてますか?」
「W島攻略でそれなりの損害を受けたから、部隊の再編を急ぐらしいとの事で明後日には戻るように指示が入ってる」
「明後日か。じゃあのんびりはしてられないね」
「今日の昼にでも輸送機を使って戻るしかないな」
「輸送機はこちらで手配しよう」
作戦が終わっても慌ただしくクリスと時雨、そしてアリゲーターガーは横須賀へ戻る事となった。それを聞いた秋月達は少し寂しそうな表情となる。
「もう帰られるんですね」
「寂しくなるな」
「一週間だけでしたけど、ご一緒できて光栄でした」
秋月達とクリスらは握手を交わす。
「また何処かで会えるよ。そう遠くない日にね」
「俺は途中参加だったが、お前らと出会えて良かったと思ってるぜ」
「俺もだ。また一緒に戦おう」
足早に荷物を纏めるとクリス、アリゲーターガー、時雨は佐世保の面々と別れを告げ、佐世保鎮守府を後にした。
そしてその日の正午、佐世保鎮守府の支援のため残る明石を除いた3人は手配された輸送機に乗り込むと、そのまま横須賀への帰路に就き、疲れからか機内で眠ってしまった。
それから数時間が経過し、輸送機は海軍横須賀航空基地へと到着、クリス達はその足で横須賀鎮守府へと戻った。
「そうか。皆、ご苦労だった」
作戦室で戦闘報告を受ける長門は、先日の報告にあったクリスと同郷のアリゲーターガーに目を向ける。
「君が礼の……」
「バージニア級攻撃型原子力潜水艦SSN-812 アリゲーターガーだ」
「私は連合艦隊旗艦兼当鎮守府提督代行の長門だ。よろしくたのむ」
2人の初顔合わせは滞りなく進む。
「しかし、クリスに続いて…………強大な戦力だな」
長門はクリスが持つ高い戦闘能力に加えて、世界最強クラスの性能を持つ原子力潜水艦であるアリゲーターガーの性能、クリスとの組み合わせれば非常に強大な戦力になり得ると考える。
「そりゃ私は世界最強のシーウルフ級がベースですからね」
「だが、これだけの戦力を遊ばせておく余裕はない。今は人類にとって大きな転機を向かえようとしてる。言いたい事は分かるか?」
「あぁ、微力かもしれんが俺も力になろう。クリスと俺の2人だけだが合衆国海軍には間違いない。共戦おう」
「ありがとう」
こうしてアリゲーターガーもこの世界での戦いに身を投じていく事となった。
続く
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