艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
小笠原諸島奪還作戦『オ1号作戦』開始時期が国防省と政府間との協議により決定され、その通達が日本各地の軍施設、国連軍参加国にもたらされた。
「一週間後……」
横須賀鎮守府に送達された作戦計画書に記されている作戦開始時期に長門の表情は険しい。
「いくらなんでも早急じゃないかしら?今回の反抗作戦に小笠原諸島奪還も入っていたとはいえ、たったこれだけの期間で作戦開始だなんて」
陸奥もその開始時期に対して疑念を持っている。
「上も焦ってるんだろうな。反抗作戦にはこの日本も含めた国連常任理事国の利害も絡んでいるらしいから、それなりの成果を出さないと利害という結束の輪が崩れる。そうなれば反抗作戦そのものが瓦解、日本の力だけでは太平洋や東南アジア方面の敵は一掃しきれない」
「でも流石にこれは」
「上が決めた事に我々は口を挟める権利はない。上の決めた作戦に従って動くしかない」
長門はそう自分に言い聞かせる。だが内心は功を焦る上層部の意図に複雑な感情を抱いている。
「作戦にはクリスとアリゲーターガーも参加させるの?」
「無論だ。彼等の戦闘能力は我々には必要だからな」
「で、彼等には何の仕事を?」
「奪還には米海兵隊に国防陸軍が参加する。彼等を小笠原諸島まで確実に輸送する輸送艦は米海軍の仕事になるが、その護衛は5航戦を充てる。クリスとアリゲーターガーは5航戦の指揮下に入れるつもりだ」
「5航戦丸々投入なんて、中々の大盤振る舞いね」
「敵は未だに強大だ。むしろ足りないくらいだ。大淀、全員に直ちに通達だ」
「了解」
作戦は直ちに鎮守府内の全艦娘に通達された。5航戦の艦娘達には長門から直接、クリス、アリゲーターガーが指揮下に入る事が伝えられ、その日の昼には5航戦とクリス、アリゲーターガーが集まった。
「今回はよろしくお願いします」
「アンタ達とは初めての仕事ね」
「あぁ。よろしく」
「こちらこそ!私と翔鶴姉の事、ちゃんと守ってよね」
クリスとアリゲーターガーは瑞鶴と握手を交わし、話を続ける。
「守るのは海兵隊と陸軍だろ?」
「そうだけど、こう言うのは雰囲気よ雰囲気!今回はアンタ達はナイトみたいなものでしょ?」
「ナイトか………俺は柄じゃない」
「この場合はクリスはアーチャーかな?」
「いや、アーチャーは弓兵だろ?アーチャーは翔鶴と瑞鶴、俺はランサー、アリーはアサシンだな」
「て言う事は俺たちはさながら騎士団と言った感じだな」
そんな会話を部屋の墨で聞いている者達が居た。
「私達を無視しないでよ!」
「あ、ゴメン」
「せっかく私達、第6駆逐隊が輸送任務を早く終えてやって来てあげたのに」
「ゴメンて」
今回の作戦に5航戦の指揮下に入るのはクリスとアリゲーターに加えて、輸送任務中だった第6駆逐隊も指揮下に入っていたのであった。
彼女達が選ばれたのも、クリスとの作戦行動と戦闘経験があるとの事でコミュニケーションが取り易く、作戦行動がスムーズに行えると言った長門の配慮であった。
「謝るからさ、後で間宮さんのアイス奢ってあげるから許して」
「まぁ………今回だけよ」
話に参加できなかった事を拗ねていた暁を何とか宥める瑞鶴。
「でもこのメンツなら何とかなりそうね」
「えぇ。暁ちゃん達に加えてクリスさんとアリゲーターガーさんが加わってくれるんですもの」
翔鶴と瑞鶴に期待されている事に2人は少しだがプレッシャーを感じた。
「そうね。クリスに加えて、潜水凄姫を沈めたアリゲーターガーが加わればもう勝ったも同然よ!」
「そうそう。この前の輸送作戦で敵の潜水艦をバッタバッタと薙ぎ倒して………」
暁と雷が更に持ち上げるため2人はもう何も言えなかった。
「そこまでだよ2人とも」
「クリスさんとアリゲーターガーさんが困ってるのです」
状況を察してくれた雷と響が2人を止めた。
「まぁ兎に角、この作戦頑張りましょう!」
続く
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