艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第56話

泊地凄姫と対峙するクリス。余裕そうな表情を見せる泊地凄姫に対して、初めて見る深海棲艦の上位個体にクリスは強い興味を持った。

 

 

「お前が敵のBossか………成る程、ピッタリな見た目だな」

 

 

HK416のAN/PEQ-15レーザーサイトから放たれるレーザー光線を泊地凄姫の額に当てる。

 

 

「降伏しろ。もう逃げられないでありますよ!」

 

 

あきつ丸が警告を放つが泊地凄姫は表情を変える事なくじっと見つめてくる。

 

 

「警告無視………当然と言えば当然か」

 

 

すると、泊地凄姫はゆっくりと立ち上がる。

 

 

「ヨク此処マデ来タナ。誰ニモ悟ラレズ、忍ビコンデ来ルトハ予想シナカッタガ」

 

「本心には聞こえないな。元から俺たちが此処まで来るのは想定していたんだろう?」

 

「エェ。デモ脆弱ナル人間ガ此処マデ来ル勇気ガアルマデハ予想シナカッタガ」

 

「人間を甘く見るなよ」

 

 

泊地凄姫の言葉が本心なのかは分からないが、クリスには彼女がはっきりと敵意を持っているのだけは理解する。

一呼吸置いて、泊地凄姫は視線をクリスに集中させる。

 

 

「ソコノオ前、男カ?」

 

「あぁ」

 

「名前ハ?」

 

「クリス・カイルだ」

 

「クリス・カイル。艦娘ハ女バカリカト思ッタガ」

 

「生憎、男の艦娘は俺を含めてあと1人しかいないがな。話は変わるが、降伏してくれ」

 

「断ル」

 

「もう一度だけ言う、降伏しろ」

 

「シツコイ。断ル」

 

「そうか、なら排除するまでだ」

 

 

クリスは泊地凄姫の額に向けて1発を放った。

HK416の銃口から飛び出した5・56ミリ弾は真っ直ぐ泊地凄姫に向かって突き進む。しかし、額に命中するかと思われた弾丸は命中直前に何かにぶつかり弾かれてしまった。

 

 

「弾かれた……?」

 

 

クリス再び発射したが、全て弾かれる。

 

 

 

「やはり上位個体、結界を貼っているであります」

 

「この銃じゃ効かないか」

 

 

クリスは銃を床に置き、ナイフを1本取り出す。

 

 

「直接仕掛けるしか効果はなさそうだな」

 

「来イ、愚カナル艦娘メ!」

 

 

クリスはその場から一気に泊地凄姫に向かって駆け出し、泊地凄姫は自身の艤装を動かす。

しかしクリスは身を低くしながら突貫、先ずは泊地凄姫の戦術的優位である主砲の砲身を片手で掴んで動きを抑えて、泊地凄姫の腹部に蹴りを入れた。

 

 

「グゥ!」

 

「成る程。格闘戦の方が通じるみたいだ」

 

「舐メルナ!」

 

 

泊地凄姫も片足でクリスの腹部に蹴りを入れ突き放す。

 

 

「喰ラエ!」

 

 

泊地凄姫は長い砲身をクリスに向けるが、素早く態勢を立て直したクリスは射線から逃れて、再び向かって突進しfastヘルメットを被った頭を泊地凄姫の腹に叩き込むと同時にそのままの勢いで泊地凄姫を地面に押し倒す。

 

 

「ガハッ!!」

 

 

 

腹部からの衝撃に動けなくなった彼女の首を片手で抑えてクリスはナイフを脇腹に突き刺すが、彼女の艤装の一部と思われるコルセット状の鉄板に阻まれる。

 

 

「チィッ!」

 

 

しかしクリスは力一杯にナイフを何度も叩き付け、ようやくナイフの刃先が鉄板を突き破り、遂に泊地凄姫の身体にナイフを突き刺す。

 

 

 

「ガァァ!!」

 

 

息の根を確実に止めるため何度も突き刺し続け、泊地凄姫は身体の力が抜けて動けなくなった。

 

 

「ヤルナ………」

 

「……………」

 

「フッ…………ダガ私ヲ倒シタダケデ思イ上ガルナ。コレカラオ前達ニハ苦難ガヤッテ来ル」

 

「苦難?」

 

「ソウダ……………サラバダ」

 

 

 

そう言い残すと泊地凄姫は事切れた。

 

 

「倒したでありますか?」

 

「あぁ」

 

「凄い!深海棲艦の上位個体を格闘戦で仕留めるなんて初めてだぞ!」

 

 

あきつ丸と神州丸は驚きの声をあげる。

 

 

「さて、敵の親玉は倒した。手筈通り合図だ」

 

「はい!」

 

 

それから数分後、味方への合図のため信号弾が打ち上げられた。

 

 

「信号弾上がりました!」

 

「よし!前進!」

 

 

日米連合部隊は前進を開始し、要塞回りの敵の抵抗にあいながらも部隊は前進を続け、その日の夕方には父島要塞は陥落、夜明山の山頂に国連軍の旗が立てられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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