艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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※5/2 本話以降のエピソードについては、設定と内容を変更するため誠に勝手ながらを削除いたしました。

申し訳ありません。


第57話

父島の占領を終えてオ1号作戦。クリスが敵の親玉を撃破した事により、小笠原諸島一帯を支配していた敵は姿を消し、国連軍地上部隊は数日のうちに小笠原諸島全域を奪還した。

作戦は成功裏に終了、そして直ちに島全体の復旧に向けての作業が始まった。本土からは、作戦の成功に備えて輸送船と輸送機が多くの物資を追加の人員を運び込み、戦闘で破壊された島の復旧作業を開始した。

 

そして作業開始から一週間もしないうちに、事前の計画に従い、父島には戦闘機や輸送機の離発着が可能な航空基地、母島には艦娘や艦艇の運用が可能な前線基地が置かれた。

 

 

「一週間で見事に変わったな」

 

「こう言う時だけは作業早いのよねウチの施設隊って」

 

 

コンクリートとアスファルトで綺麗に舗装された父島の滑走路端から前線基地を眺めていたクリスと5航戦の面々。

 

 

「まぁ前線基地にしては上出来なんじゃないか?そう言えば此処のトップって誰なんだ?」

 

「そう言えば聞いてなかったな。翔鶴、そう言う話は聞いてないか?」

 

「さぁ?瑞鶴は何か知ってる?」

 

「私も知らない。6駆の皆は?」

 

 

第6駆逐隊は口を揃えて知らないと答える。

 

 

「もしかしたらだけど、アレに乗ってるのがそうじゃないかな?」

 

 

そう響が言うと北の空を指差す。

 

 

「?」

 

 

 

滑走路に向かって3機のC-130が降りてくる。

 

 

「あれは……」

 

「佐世保の時の」

 

 

その3機は佐世保での任務の時に初お目見えしたC-130の特殊改造機だった。

 

 

「となるとアレには明石が乗ってるな」

 

 

機体は完成したばかりのハンガーの前で停止し、ハッチが開かれると中から明石と2人の女性が降りてきた。

 

 

「え?」

 

「あの人って……」

 

「知ってるのか?」

 

「そう言えば初対面だっけ……あの2人は航空戦艦の『伊勢』と『日向』よ」

 

(イセとヒュウガ………そう言えば自衛隊にも同じ名の艦が居たな)

 

 

2人の艦娘達はこちらへ向けてやってきた。

 

 

(あれは…!?)

 

 

クリスは2人が腰に携えているある物を見て表情が変えた。

 

 

「やっほー。元気にしてた?」

 

「皆、暫くだな」

 

 

伊勢と日向は1人ずつと握手を交わす。クリスとアリゲーターガー以外の面々は2人とは顔馴染みのため互いに近況を話ながら久々の再開を喜ぶ。

 

 

「えぇと、そこの2人の外国人が噂の?」

 

「あぁ。ミサイル駆逐艦クリス・カイルだ」

 

「原子力潜水艦アリゲーターガーだ」

 

「本当に男の子なんだ……よろしく!」

 

 

伊勢は人懐っこい笑みで2人と握手を交わす。

 

 

「私は伊勢型2番艦の日向だ」

 

 

伊勢とは対照的に仏頂面の日向は2人の手を取って握手する。

 

 

「もぅ、日向ったら。そんな仏頂面しないの!」

 

「そうか?何時も通りだと思うが」

 

「何時も通りの平常運転ですね」

 

 

ポーカーフェイスを崩さない日向に伊勢と明石は呆れ顔になる。

 

 

「まぁ自己紹介はこれくらいにして。2人は何か私達に聞きたい事とかある?」

 

「ある!」

 

 

その言葉にクリスは今までに見せた事の無い表情で伊勢に迫った。

 

「おぉ…!?食い気味だね。何が聞きたいの?」

 

「その腰に提げてるのはサムライソードか?」

 

「え?コレ」

 

 

伊勢は日本刀を見せる。

 

 

「すまないが、それをよく見せてくれないか?」

 

「どうぞ」

 

 

刀を受け取ったクリスはじっくりと観察する。

 

 

「…………」

 

 

鞘から刀身を抜いて白い紋様が走り、細く、そして薄くもその耐久性と切れ味に優れるのが特徴の刀の刀身を眺める。

 

 

「噂通りだ。原材料から丹念に、時間を掛けて鍛え上げられたサムライソードの刃は薄いながらも耐久性に優れ、まるでバターのように物が切れる。素人目から見ても、この刀は中々の逸品に違いない」

 

「そうかな?よくある刀だと思うけど」

 

「因みにこれは戦いに使うのか?」

 

「いや。護身用と言った所だな」

 

「そうか。日本のサムライはこれで敵の首を切り落として武功を上げていると聞いたから、これで深海棲艦の首も切り落としてるのかと思ったが……」

 

 

少し残念そうな表情になるクリスに伊勢は慌てて否定する。

 

 

「ないない!確かに切れ味凄いし、それで深海棲艦と戦った事はあるけど、妖怪首おいてけとかみたいに敵の首を切るなんてしないから!」

 

 

場の空気が和んだ所で、いよいよ本題に入った。

 

 

「2人はどうして此処に?」

 

「あ、そうそう。ほら、此処に前線基地が出来たでしょ?それで私達が此処の責任者になれって命令が来たから東南アジアから佐世保で明石と合流して此処に。それと、此処に来る途中で長門からFAXもらって、私と日向の指揮下に皆は此処に配属だって命令貰ったの」

 

「そうなんだ。じゃあ此処に残って前線配備か」

 

「そう言う事。じゃあ改めて宜しくね!」

 

 

 

詳しい事は明日と言う事になり皆各々の部屋へと戻り、クリスとアリゲーターガーも自室へと戻った。

 

 

「今回は激戦だったな」

 

「あぁ。あんなのはもう御免だな」

 

「全くだ。それにしてもお前のイージスシステムが突破されるとはな」

 

「システムの想定を越えた量だったからな、システムを失わなかったのが不幸中の幸いだ。いい教訓になったな」

 

「だが、これで分かったな。俺ら2人だけじゃ戦況を打開できるのは難しいってな」

 

 

アリゲーターガーの言葉にクリスは考える。

 

 

「俺みたいに元の世界から他に仲間は来ないかな?」

 

「無理だろ。確か元の世界での俺とお前以外で任務に就いていた艦は居ないって」

 

「そうだけどよ………原子力空母1隻でも居てくれたらな」

 

「そんなのが来たら、此処の戦力バランスが崩れるぞ」

 

「むしろ数で勝る相手の事を考えたら妥当だと思うけどな」

 

「原子力空母は一つの国の空軍力に匹敵する戦力だ。もしこの世界の何処かに居て、尚且つ仲間になったところで相当量の資材をつかうだろう。今の状況を考えれば切り札としてしか使われないだろうさ」

 

 

クリスの言う通り、アメリカの原子力空母は1隻で相当な戦力になり得るがその分、運用には多大な経費が掛かり、特に原子力機関を搭載しているためメンテナンスだけでも4年の歳月に莫大なコストが掛かる大掛かりな代物である。

クリスがベトナムから運んできた資材があるとはいえ、戦況的に量が心許ないのは事実である。

 

 

「まぁ今は余計な事は考えない事に越した事はない」

 

「そうだな」

 

 

2人はその場で眠りに就いた。

 

 

 

 

続く




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