艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第61話

プラント脱出に向けて動き出したクリスと時雨。昨夜に白露に渡した封筒には伊勢に向けて、プラントの現状と救援要請だった。

クリスの作戦では午前9時前に部屋から脱出し、時雨と艤装を奪還後、プラントの最上階にあるヘリポートに行き、午前9時ジャストに到着予定の救援ヘリコプターに乗り込んで脱出すると言う算段だった。

 

 

「行くぞ!このまま屋上に向けて走るぞ!」

 

「じゃあ我々が先導します!」

 

 

クリスと時雨と合流したSealsチームはプラントの屋上に向けて走る。

無論、騒ぎに気がついた敵と鉢合わせになるが、Sealsチームが素早く制圧していき、走る足を止めなかった。

 

 

「しかし、これだけ騒いでるのに敵に動きが無いな」

 

「うん。不気味だね」

 

 

そんな不安を抱きつつも皆、階段と通路を走り、特に邪魔も入らず屋上への出口前に到達した。先頭のチームの一人がドアノブに手を掛ける。

 

 

「下がれ!」

 

 

Sealsチームの隊長がそう叫んだ瞬間、銃声が響き渡りドアに穴が次々と空いていく。チームは後退しながら手にしていたHK416で応射する。

 

 

「頭下げて!」

 

 

飛び込んでくる銃弾から身を守るため頭を下げて身を低くする。

 

 

「下からも来たぞ!」

 

 

下を見るとAKを手にした敵が走って階段を昇ってくる。

 

 

「足止めしろ!」

 

「了解!」

 

 

2人の隊員が階段の隙間から真下に向かって発砲し敵を足止めする。

 

 

「挟まれたみたいだね」

 

「のようだ。敵の動きが妙だったのは俺達を此処で押し止めるのが目的だったんだな」

 

 

 

此処に来て敵の策略に気がつくが、対してクリスの表情には余裕があった。

 

 

「だが常に相手の2手3手先を読んで行くものだ」

 

 

とある大佐の名言を口にするとクリスは無線を開き、自分達の現在位置を無線の相手に知らせていた。

 

 

「皆、あと5分耐えろ!5分で状況が動く!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 

Sealsチームはクリスの考えてる事を一瞬のうちに理解し、時雨はクリスが何を考えてるのか分からなかったがその声と表情から何かしらのアクションを起こすのか起きるのかだけは理解したため、黙って彼の言う事に従った。

 

 

 

 

そしてクリスが宣言した通り5分が経過した瞬間、プラント全体に大きな爆音と共に揺れが起きた。

 

 

「時間通りだな。屋上の敵は?」

 

「プラントが揺れたお陰で油断しています!」

 

「よし!強行突破だ!行くぞ!」

 

「了解!」

 

 

クリスの合図と共にSealsチームは出口から飛び出すと同時に敵に猛烈な銃撃を浴びせていく。

 

 

「今です!」

 

 

その合図でクリスと時雨も飛び出した。

Sealsチームが銃撃しながら前身し、敵を倒しながらヘリポートへと向かっていく。

 

 

「アレです!」

 

 

ヘリポートにたどり着き、辺り一帯を確保する。

 

 

「午前9時、そろそろだな」

 

 

救援ヘリが到着予定時刻に達した。

クリスはヘリに位置を示すため、カラースモークをヘリポートを放り投げる。

 

 

『こちら鷹-1、着陸地点を確認した!』

 

 

無線から救援ヘリのパイロットの声が聞こえてきた。後はヘリがやって来るのを待つだけであった。

 

 

 

「随分派手にやってくれたわね」

 

 

そこへボスがやって来た。

 

 

「すまないな、ご覧の通りだ。取り引きは生憎白紙に戻させてもらう」

 

「残念ね、でも今からでも遅くはない。取り引きに関してはまだ諦めてないわ。此処にある海底資源は全て、アナタ達に売ってあげるわ。勿論そっちの言い値で構わない」

 

 

彼女の言葉と表情から明らかに焦りが見えていた。どうやら今此処で帰られたら自分達の存在を露呈する事になる。そうなれば商売や富は全て失うだけではなく、自分達の身も危機に晒される事になる。

 

 

 

だが此処で折れる程、クリスは甘くなかった。

 

 

 

「ボス、合衆国海軍には昔から変わらない事実がある。俺達はお前達のような法を犯す犯罪者とは………交渉しない」

 

 

その言葉と共にプラントのクレーンが吹き飛ばした。

 

 

『こちら鷹-2、援護する!』

 

 

姿を表した2機の救援ヘリのうちの武装した機体はロケットと機銃を放ちながらプラントのクレーンや作業用機械を破壊しながら敵を牽制する。

その間に別の1機がヘリポートに着陸、サイドドアが開かれると同時にクリスと時雨、Sealsチームが乗り込んでいく。

 

 

「出してくれ!」

 

「了解!」

 

 

クリス達を乗せたヘリはプラントから離れていく。

 

 

 

 

 

無事に父島鎮守府へと帰還した、クリス達。

 

 

「まさか海底資源を違法に売り買いしてたなんてね」

 

 

伊勢はクリスからの報告に、事の重大さから頭を抱えた。

 

 

「でも良かったわ2人が無事で」

 

「生きた心地がしなかったけどね」

 

「で、どうするんだ伊勢?」

 

「そりゃ見過ごすなんて出来ないわ。プラントは奪還するわよ」

 

「だが相手はアサルトライフルで武装している上に、RPGやロケットも持っている可能性がある。それに敵の数も多い。奪還するとなればそれなりの戦力が必要になる。もし奪還するとなればヘリボーンが中心となるな」

 

 

 

相手が海上プラントと言う場所に立て籠っているため、奪還するとなればそれなりの戦術を立てて、必須となる戦力を用意しなければならない。しかしヘリボーンとなれば専門の訓練を受けた者でないと実行は出来ない。

ヘリボーンはアメリカ海兵隊が得意とする戦術であり、オ1号作戦後の今でも母島に駐留しており戦力に関しては問題はない。

 

 

「戦力は問題ない。だが海兵隊はあのプラントの事を知らない筈だから、そうなれば俺がもう一回出向く事になるな」

 

 

クリスはまたあのボスを相手にしなければならない事に頭を痛める。

 

 

「兎に角、相手がプラントを捨てて逃げる前に何とかしよう」

 

 

 

続く




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