艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第71話

アイオワとホーネットの2人が父島に訪れる日がやって来た。

父島鎮守府では大物の来訪と言う事で様々な準備が進められていた。歓迎会に使用する会場の手配から食事の手配等だが、クリスとアリゲーターガーは皆とは別に自身の情報漏洩に繋がるような物品の隠匿、可能な物は処分する等、大忙しの様子であった。

 

 

「これで良いな」

 

 

寮の裏庭では処分する必要がある書類や物品を焼却炉へと放り込んで焼却処分を行っている。

 

 

「すまんな時雨に白露、俺たちの面倒事に付き合わせて」

 

「良いよ。僕達は仲間だからね」

 

 

 

時雨と白露は処分しても問題ない書類を段ボール毎、焼却炉へと放り込む。

 

 

「しかし、お前達まで良かったのか?歓迎会」

 

「うん。僕は騒がしいの苦手だし、2人の秘密を抱えたままじゃ楽しめないよ」

 

「それに私、こう言う感じとか雰囲気好きだからね」

 

「本当にすまん」

 

 

一応、クリスとアリゲーターガーと時雨と白露(偶然2人の事を知ってしまった)の4人はアイオワとホーネットのエスコートに行かなければならないが、その後の歓迎会には参加しない事になっている。なるべく2人との接触を避けるためである。

そして2人が居る間も最低限の接触にだけ止めるように、伊勢に頼んで4人は遠征任務や哨戒任務を増やしてもらっている程であった。

 

 

 

「さてそろそろだな」

 

 

 

時間となり、4人は装備を整えて鎮守府を出発した。

しかしクリスとアリゲーターガーの足取りは重かった。

 

 

「2人ともさぁ、そろそろ観念したら?逆に怪しまれるよ」

 

「だがな………」

 

 

2人の態度に白露はそう指摘するが、やはり事情を考えるとそう言う訳にもいかなかった。

 

 

「ん?」

 

 

その時、クリスの通信システムが信号をキャッチした。

 

 

「どうしたの?」

 

「これは………まさか………」

 

「だからどうしたのって!?」

 

「無線の周波数をキャッチしたんだが、俺の世界の軍用無線に使われてる周波数なんだ」

 

「まさか……有り得ない」

 

 

通信システムが捉えたのは、この世界のアメリカ軍では使用されていない、クリスとアリゲーターガーが居た世界のアメリカ軍が使用している無線通信用バンドでの呼び掛けだった。

 

 

「発信元は?」

 

「方位280、丁度針路上だ」

 

「しかし誰がこのバンドを……て言うか、どうする?」

 

「答えない訳にはいかんだろう。もしかしたら俺たちみたいに此の世界に飛ばされてきた仲間かもしれん」

 

 

クリスは不審に思いつつもチャンネルを開いて、発信相手に呼び掛ける。

 

 

「こちらjapan navy」

 

『こちらUS navy、iowa 。アナタはクリス・カイルかしら?』

 

「あぁ」

 

『やっぱり。バミューダトライアングル………って言えばこっちの話を聞いてくれる?』

 

 

その単語を聞いて、クリスとアリゲーターガーは驚いた。バミューダトライアングルとは2人はこの世界に来る切っ掛けとなったフロリダ・バミューダ諸島・プエルトリコを結ぶ海域『バミューダトライアングル』の事で、2人に対してその単語を話す事は少なくとも自分達の秘密を知っていると言う事である。

 

 

(成る程、逃げ道を塞いだ訳か……相当なやり手だ)

 

『今のアナタの考えを当ててあげる。逃げ道を塞がれいる、相当なやり手って考えてる?』

 

「驚いた。人の考えまで読めるのか?」

 

『自慢じゃないけど人脈は広い方だからね。そうなると人の考えはある程度は分かるわ』

 

「成る程。俺たちの秘密を知っている処を見ると、情報の出所はラングレー辺りか?」

 

『いいえ、ラングレーは関係ないわ。無論DIAやNSAも無関係』

 

「何故俺たちの事を?」

 

『まぁそれについてはそっちに到着した時にでも話すわ』

 

「了解、今から迎えに上がる」

 

 

 

無線を閉じるとため息を吐く。

 

 

「予想外だ……まさか向こうからこっちの秘密を」

 

「一杯喰わされた気分だ。だが俺たちの秘密に関してラングレーやDIAにNSAが関わっていないとなると…………」

 

「ブラフかもしれん……取り敢えず向こうの出方を見るしかない」

 

 

4人は緊張感を保ったまま、合流地点に向かう。

 

 

 

 

そして合流地点にたどり着くと、そこにはアイオワとホーネットの2人が居た。

 

 

「hey、you達がクリス・カイルとアリゲーターガーね」

 

「あぁ」

 

「よろしく、私はiowa。こっちは補佐のhornetよ」

 

「ヨークタウン級3番艦のホーネットよ。よろしく」

 

 

2人と握手を交わすクリスとアリゲーターガー。

 

 

「それで、さっきの無線での続きを聞きたいんだが」

 

「OK 。じゃあ話すわ………実はね、私はyou達とは違うけど、アナタ達と同じ世界から来たのよ」

 

 

アイオワの言葉に2人は更に驚く。

 

 

「まぁ同じ世界から来たって言っても2人のように此処に直接飛ばされた訳じゃないけど」

 

「どういう言う事だ?」

 

「日本の言葉で言う処の輪廻転生とでも言うのかしら?つまり早い話が、ロサンゼルスで自由気ままにしてたらこの世界のこの体に乗り移ってたわけ」

 

「と言う事は俺たちが行方不明になった後の事も」

 

「知ってるわ……聞く?」

 

「いや、今はまだ良い。元の世界に戻れるその時までにその話は聞かないようにする」

 

「OK。まぁ兎に角、同郷に会えて素直に嬉しいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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