艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
反抗作戦の前哨戦であるマリアナ攻略作戦が始動し、小笠原諸島から出撃したマリアナ攻略部隊は、目的地であるマリアナ諸島へ向けて南下していた。
途中でフィリピン方面からやって来た、戦艦『大和』を中心とした第2艦隊と合流し、マリアナ攻略部隊は南下を続けていた。
「驚いたな………まさかあの伝説の戦艦と相見えるとはな」
クリスの後ろを航行している背が高く、巨大な3連装砲を3基9門を備えた巨大な艤装を身に纏った艦娘『大和』の姿にクリスは体が震えていた。
「あぁ。世界最大の名は伊達じゃないみたいだ……46センチ砲を9門も備える戦艦なんて後にも先にも大和クラスしか無いからな。そんな戦艦と肩を並べれるとは光栄だ」
「ありがとうございます。アメリカの方にそう仰って戴けてうれしいです」
クリスの言葉にそう素直にそう述べる大和。世界最大と言える大和を前に興奮が止まらないクリスは何とかそれを隠しつつ自分の仕事に専念する。
『こちらホワイトシャーク、敵潜を捕捉!』
「了解、攻撃する」
前衛を勤めるクリス、白露、時雨、ホーネットの前衛艦隊は、本隊の針路上に待ち構えている敵潜水艦の捜索と掃討、加えて周辺の航空偵察を行う。
「fire!」
クリスのVLSからASROCが放たれる。当初の予想通り針路上には哨戒中の敵潜水艦が群雄割拠しており、マリアナに近づく度に敵潜水艦との接触の機会が増えていた。その度にクリスは自身の対潜システムやヘリを使い、敵潜水艦を発見次第撃破していく。
すでにクリスは20隻近くを撃沈しており、作戦に備えてASROCや短魚雷の予備を多めに搭載して来ているため一切の手加減無しで次々と敵を葬っていく。
「お見事です」
「こんなの朝飯前だ」
事前に長門からクリスの事を聞かされていた大和はクリスの手際に素直な感想を送る。
「さて、敵もそろそろ勘づいている頃だろうな。hornet、偵察機からの報告は?」
「まだよ。何せ敵の防空網に捕まらないように飛ばしてるから時間が掛かるわ」
この作戦の第1段階は敵の警戒基地が置かれているファラリョン島、マウヴ島、アスシオン島、アグリハン島を抑える事である。このうち正規空母であるヨークタウン級3番艦ホーネットと絶大な火力と射程距離を誇る砲を持つ大和はそれらの島の中で警戒基地として規模が大きいアグリハン島を叩く予定となっている。ファラリョン、マウヴ、アスシオンはクリスのタクティカルトマホークによる波状攻撃で叩く事となっている。
これらは奇襲作戦のため敵に察知されないようするのが前提のため、ホーネットの偵察機は敵の防空網に引っ掛かるのを避けるため、大回りしながら時間を掛けて偵察している。
「噂をすれば何とやらよ」
ホーネットの通信機が反応した。飛ばした偵察機からの報告の様だった。
「どうだ?」
「目標に目立った動きは無いみたい。今がチャンスね」
「よし、少し早いが作戦を始めよう」
作戦開始の合図が伝達されると同時に、前衛部隊は動き出した。
「tomahawk、fire!」
「hornet攻撃隊、出撃よ!」
クリスがトマホークを発射している間にホーネットは左肩から提げていたガンケースの様な形状の飛行甲板を左腕に装着、腕を水平にあげると、格納されていたF4Uコルセアがエレベーターにより甲板上に上げられると、次々と発艦していく。
攻撃隊は高度を維持したま編隊を組み3個の小隊に分かれると攻撃目標であるアグリハン島へと向けて飛び立っていった。
『よしお前ら、久々の出撃だ!しっかりやれよ!』
『まぁ見ててください!』
妖精達は無線でそんか会話を交わしつつ、作戦に従いクリスのECMによる電子妨害支援を受けながら島へと向かっていく。目標の手前にあるファラリョン島、マウヴ島、アスシオン島を避けるルートを辿り、西の方角からアグリハン島の上空に差し掛かる。
『第1小隊、突入!!』
主翼にロケット弾が装填されたポッドを装備した第1小隊のF4Uコルセアが強力な2800馬力の空冷エンジンを轟かせながら、頑丈に作られている機体剛性に物を言わせ島の直上から急降下を仕掛ける。
先頭の機体に乗り込む新人の妖精は照準器越の十字線を、敵警戒基地に合わせると同時に操縦桿のトリガーを押し込みロケット弾を一斉発射、同時に後続のコルセアからもロケット弾の一斉発射が行われ、雨のように降り注ぐロケット弾は島に設置されたレーダー、弾薬庫を破壊していく。
『やった!』
ロケット弾を使い果たした第1小隊に変わり、第2小隊のコルセアが急降下から水平飛行に入り、基地の施設や構造物を徹底的に破壊していく。
そして第3小隊が突入態勢に入り、基地に停泊している敵の駆逐艦、巡洋艦、そして3隻の戦艦へ向けて攻撃を仕掛ける。
しかし、そこへ巧妙に隠されていたと思われる敵対空砲が突如として姿を表した。
『全機、反転上方へ!!』
第3小隊が上に向けて退避した瞬間、対空砲による猛烈な射撃が始まり、瞬く間に2機が撃墜された。
『oh my god………どうする?』
小隊長は島を見回して突入できそうなルートが無いかを探る。
すると、1つだけ突入できそうなルートを見つけた。
『あそこしか突入口は無い、再突入する!全機続け!』
第3小隊は再び再突入に向けて降下を開始した。小隊長は弾幕の薄い箇所を見つけ、そこからしか敵へ向けて突入出来ないと判断、第3小隊は弾幕を掻い潜りながら再突入を仕掛ける。
運悪く3機が撃墜されたが、小隊は再突入に成功し停泊している敵艦へ襲い掛かり、ロケット弾を次々と撃ち込んで無力化していく。ロケット弾を使い果たした第3小隊は低空飛行で弾幕を掻い潜りながら島から離れていく。
「やったわ!攻撃成功よ!基地の敵艦が動き出したわ!」
「こっちもトマホーク攻撃は成功だ!大和、舞台は整ったぞ!」
「はい!大和、行きます!」
お膳立てが終わり、控えていた大和は自身の46センチ砲をアグリハン島へ向ける。ホーネットの攻撃隊に追従する形で発艦させていた観測機からの諸元に従い大和は砲撃準備を整える。
「主砲全門斉射、撃てぇ!」
9門の砲身から9発の砲弾が次々と轟音を轟かせながら放たれた。
その直後、アグリハン島の敵艦隊は46センチ砲弾の攻撃に晒され、直撃と衝撃波により撃破されていく。
「続けて敵基地、主砲斉射!」
今度はアグリハン島の敵基地へ向けて砲撃が行われ、砲弾は残っていた地上施設と共に、地下の弾薬庫や武器庫にも到達し基地は一瞬のうちに炎に包まれて機能を失った。
作戦開始から僅かに1時間で第1段階が終了し前衛部隊は次の第2段階へ駒を進めていく。
続く
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