艦隊これくしょん the last aegis 作:明日をユメミル
国連軍がメディニラ島で激戦を繰り広げている間、クリス達は既に掌握したマリアナ諸島北部一帯の残敵掃討を行っていた。
「右舷、敵PT!」
作戦序盤で北部の深海棲艦の部隊は軒並み壊滅したものの、撃ち漏らしもあり、特に多かったのは魚雷を装備したPT級やイ級等の小型な物が多く、神出鬼没に現れるそれらをしらみ潰しで捜索、破壊していくしかない。
「時雨、白露!」
「了解!」
新装備を整えた2人はクリスの前に立つと、敵PT級に向けて速射砲による精密砲撃を実行する。
「撃てぇ!」
127ミリ単装速射砲による連続砲撃で、敵PT級を1つずつ破壊していく。
火器管制装置による高精度な砲撃により、命中率90パーセント以上を叩き出していた。
「敵、魚雷発射!」
しかしPT級は数に物を言わせて仕掛けてくるため、全てを防ぎきる事は出来ず、魚雷の発射を許してしまったが、2人は慌てる事なく、ガスタービンエンジンの出力を上げて即座に回避行動を取る。
「よっ!」
白露は真正面からの雷撃を紙一重で交わし、時雨は向かってくる魚雷を速射砲で狙い撃ちながら自身に向かってくる魚雷の数を減らして寸手の処で回避していく。
「白露、一気に行くよ!」
「OK!」
2人は魚雷を撃ち尽くして逃げるPT級に弾幕攻撃を浴びせ、向かってきた全てのPT級を撃破した。
「やったよ時雨!あのPT級を全滅させたんだよ!」
「うん。今まで手を焼かされてきたきたからね」
襲撃してきたPT級を全滅させ、周囲の残敵掃討が完了する。
「後は国連軍に任せよう。皆、今のうちに補給済ませて!」
伊勢は艦隊を集合させ、メディニラ島周辺の国連軍部隊の支援に備えて弾薬と燃料の補給を指示し、東南アジア方面からやって来た給油艦『速吸』と『神威』の2人の艦娘から燃料と弾薬の洋上補給を受ける。
「えぇと、クリス・カイルさんと白露さんと時雨さんは私から補給を受けてください!」
そう呼び掛けてきた速吸は長門からの指示でクリス、白露、時雨は他の面々と違い燃料は軽油を満載しており、その他にはクリスが使用するミサイル等も搭載しているため、彼女は実質的に3人の専用補給艦としての任務を帯びている。
「では此処に繋ぎます」
速吸は背中に背負っている燃料タンクから伸びるケーブルをクリス、白露、時雨の燃料給油口に繋ぎ燃料を送り込んでいく。
その間に速吸の妖精はクリスにミサイルが詰まったコンテナを艤装内の倉庫から運び出し、クレーンを使いクリスの妖精達の指示に従いながらVLSにコンテナ毎ミサイルを装填していく。
「遠い処をご苦労だったな」
「いえ。皆さんの役に立てるなら何でも運びますよ」
「礼をしたい。手を出してくれ」
「え?はい」
速吸が両手を出すとクリスはポケットから数枚の万札を取り出して速吸の手に握らせた。
「そんな!戴けませんよこんなに!」
「いいんだ。チップとして取っておいてくれ」
「えぇ…でも」
速吸は初めて貰うチップにどう反応していいのか分からず、戸惑ってしまうが一度受け取ったものを返すのも気が引けた上にこれが外国の礼儀なんだと割り切り、有り難く受け取った。
1時間して補給作業を終えた艦隊は、メディニラ島の国連軍部隊の支援に向かうため、南下していく。
「どうやら激戦になってるみたいだね」
目の前に見えてきたメディニラ島からは黒煙があちこちから上がっており、空を見るとF-14とF-4J+が激しい空中戦を繰り広げている。
「伊勢、我々はどう動く?」
「取り敢えずグアム島とテニアン島からの攻撃に備えるわ。可能ならテニアン島の飛行場姫を叩く。翔鶴、偵察機を上げて」
「了解!」
翔鶴は2機の偵察機を発艦させグアム島とテニアン島へ向かわせた。
「クリスはトマホークを使えるように準備しておいて」
「了解」
「アメリカ2人組と白露、時雨はクリスの護衛に回って。後は私とテニアン島へ接近して、トマホーク攻撃が成功したら島へ艦砲射撃よ」
「「「「「了解!」」」」」
続く
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