艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第80話

マリアナ攻略作戦の第1段階と第2段階が完了し、国連軍はマリアナ諸島の北部全域とテニアン島の無力化に成功した。

国連軍部隊は南部の敵主力からの反撃に警戒しつつ、次の作戦に備えて休息をとっていた。

伊勢以下の父島鎮守府の面々はアグリハン島沖で停泊している国防海軍のしらね型護衛艦『しらね』に居た。

 

 

「此処が噂の移動鎮守府って奴ね」

 

「えぇ。噂では聞いてたけど本当に鎮守府が海に浮かんでるみたいですね」

 

 

 

伊勢が言った『移動鎮守府』。

 

 

それは艦娘を前線で統括するための前線司令部機能を持つ司令艦を指す単語で、指揮通信用の高度な通信機器が備えられ、また活動のために必要な機材や装備を修復する工廠、更には艦娘の宿泊機能が一通り揃っている特務艦の事を指している。

国防海軍では艦隊旗艦能力を持つはるな型護衛艦の3番艦・4番艦として計画していた2艦を急遽司令艦として完成させ『しらね』型として就役させている。

 

はるな型と殆ど同じ外観を持つしらね型は艦娘運用に特化しており、艦内には作戦を指揮するための司令室と通信室、乗員用とは別に艦娘用に用意された居住区画、はるな型ではヘリ格納庫である処にはブリーフィングルームと工廠が置かれている。

今、伊勢達が居るのは格納庫に置かれているブリーフィングルームで、長門から前線司令官の任を受けた大淀からの説明を待っている処だった。

 

 

「こんな専用艦、何処を探してもウチだけじゃない?よく整備したもんだね」

 

「アメリカとかにはそう言うのは無いの」

 

 

 

暁からの質問にアイオワが答える。

 

 

「言われてみれば専用の艦は無いわね。強襲揚陸艦に通信機やら機材やら載せてから無理やり乗り込むのが精々ね」

 

「乗り込んだら乗り込んだでその艦の乗員から余所者扱いされるから辛いのよ。私たちに第1に考えてくれてるこう言う艦は有り難いわね」

 

「帰ったらペンタゴンに進言しようかしら?そうなるとあちこちに根回ししなきゃ…………」

 

 

 

しらねはアメリカ組から見ても得る物が大きい様で、アイオワに至っては議会に司令艦建造に関する計画書の作成と様々な所への根回しなどを考えている。

 

 

 

「すいません、お待たせしました」

 

 

そこへ大淀がやって来た。

 

 

「えぇ、今後の作戦について説明させて頂きます」

 

 

大淀はホワイトボードにマジックを使い、今までの流れと今後の作戦行動について細かく説明していく。

やはりと言うべきか、敵に迎撃態勢を取らせないため明日には最終目標であるグアム島占領による作戦終了が告げられる。

 

 

「以上が今後の作戦行動についての提督と長門さんからの指示です」

 

「内容は分かったわ。私たちと第2艦隊なら何とか作戦の遂行は可能だし、クリスって心強い味方が居るから何とかなりそうね」

 

「今回の作戦で敵の地上戦力は壊滅、テニアン島の飛行場姫を無力化できたのは大きいです。しかし厄介なのは敵海上戦力です。航空戦力が殆ど機能していないとは言え油断は出来ません。特に中枢棲姫には……」

 

 

 

中枢棲姫は深海棲艦の上位個体の中でも、今までの上位個体以上の強さを誇り、唯一の欠点である制空権に関しても装甲空母姫が5隻と高速軽空母水鬼が5隻もおり、制空権確保はより難しいと言える。更には戦艦級が6、巡洋艦級が30、駆逐艦級は今回の戦闘でかなり減っており20隻しか居ないが、未だに多くの戦力が向こうにはある。

 

 

「明日は一筋縄には行かんな」

 

「戦力だけなら向こうとの差は殆ど無いが………まぁ今さら何を言っても変わらんか」

 

「兎に角明日は油断しない事だな」

 

 

クリスは中枢棲姫の写真を見て、その見た目から今までの敵とは一線を画す相手であると認識する。

明日の作戦に備えて、その日は皆居住区へと戻り眠りに就いた。

 

 

 

 

 

 

 

続く




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