艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第81話

マリアナ攻略作戦の本命であるグアム島奪還作戦開始まで数時間を切り、国連軍は作戦開始に向けて動き始めていた。

しらねの艦内では、父島鎮守府の面々が出撃に向けて準備を開始しており、工廠では明石が妖精達と協力して全員分の艤装の最終点検と弾薬・燃料の補給作業を行っており、父島分遣隊と第2艦隊のメンバーは格納庫内に集合していた。

 

 

「皆さん、グアム島の偵察結果が出ました!!」

 

 

大淀からの報告を受け、早朝にグアム島を偵察した海兵隊のRF-4Bからの偵察結果に皆が目を通す。

 

 

「これが中枢棲姫か」

 

 

モノクロではあるが、低空飛行で撮影されたと思われる中枢棲姫の姿が写っていた。

 

 

「似てるな」

 

「誰に?」

 

「小笠原で戦った泊地棲姫に似てるから」

 

「深海棲艦は見た目が似たようなのが結構居ますからね。時々ややこしくなる時もあるんですよ」

 

 

写真越しに睨み付けるような表情の中枢棲姫は泊地棲姫と顔つきが似ているが、身に纏っている艤装らしき構造物は生き物の首に歯のような物を生やした構造物が自身を覆い尽くしているかのような見た目で、頭の上からは3本の砲身が生えていて、目も不気味に光っているのが分かる。

 

 

「コイツには生半可な攻撃は通じそうにないな。それにコイツにたどり着くには障害も多い」

 

 

 

他の偵察写真には深海棲艦の上位個体達も捉えられており、グアム島を中心にサイパン島、テニアン島、ロタ島、アキガン島に多数の戦力が集中しているのが分かる。

 

 

 

「戦力を分散させましょう。テニアン島とアキガン島には国連艦隊、サイパン島には父島分遣隊。本命のグアム島には大和さんを中心とした第2艦隊を突入させます」

 

「了解」

 

「分かりました、この大和、全力を尽くします」

 

 

戦力配置が決まると、直ぐ様出撃準備が整えて、父島分遣隊と第2艦隊はしらねから出撃し、国連軍艦隊も後に続いた。

 

 

 

 

 

クリスと白露、時雨は父島分遣隊の前衛に立ち、対潜・対空警戒を行いつつ艦隊を先導する。

 

 

「静かだな」

 

 

 

メディニラ島を越えてサイパン島に差し掛かり、敵の勢力圏内に入ったが、今の所敵からのアプローチは無い。哨戒結果は逐一、後続の第2艦隊と国連艦隊に届けられており、サイパン島の西に差し掛かると国連艦隊は予定通りサイパン島とアキガン島の制圧のため航空部隊による爆撃と艦艇からの艦砲射撃、そしてメディニラ島の砲兵部隊からの遠距離射撃場が始まった。

既にテニアン島は昨日の作戦でトマホークと艦砲射撃で無力化されており、隣に接するアキガン島も駆逐艦級やPT級しか居らず、航空部隊の爆撃によって出撃する間も無く撃破されていく。

 

 

「第1関門は突破。難しいのは此処からだな」

 

 

アキガン島を通過したと同時に、父島分遣隊はサイパン島制圧、第2艦隊はグアム島制圧のため此処で分かれる。

 

 

 

此処でクリスと5航戦が早くも行動に出た。

 

 

「攻撃隊、発艦!」

 

 

翔鶴と瑞鶴は攻撃隊を次々と発艦させていく。

攻撃隊を放ち終えると、今度はクリスが動き出す。

 

 

「tomahawk stand by!」

 

 

クリスは手持ちのトマホーク全弾による攻撃態勢に入る。

 

 

「target rock!stand by………fire!fire!fire!」

 

 

艦隊による攻撃態勢が整う前にトマホークによる全力攻撃を開始したのには理由がある。

これは5航戦との共同作戦であり、5航戦は敵の空母を優先的に叩く様に指示されており、クリスはトマホークの射程距離と速度を生かして、空母を守る敵巡洋艦級と駆逐艦級にトマホークが到達したと同時に5航戦の航空部隊が空母に攻撃を行う同時攻撃を行うためである。

 

現状でサイパン島を守る敵戦力は装甲空母鬼3隻と高速軽空母水鬼2隻、戦艦水鬼2隻、巡洋艦級15、駆逐艦級10の艦隊。父島分遣隊は空母級への攻撃は5航戦が担当、伊勢・日向・アイオワは戦艦水鬼への攻撃が割り振られ、クリスは時雨と白露、第6駆逐隊とサイパン島に突入して残敵掃討を行う。

 

 

 

攻撃隊の後を追うように40発のタクティカルトマホークは敵に察知されないように何時も通り、超低空飛行でサイパン島に接近していく。

一方の敵側は、クリスがトマホーク攻撃を行う数分前に父島分遣隊が迫ってきているとの報告を受けて直ちに迎撃態勢を取っていたが、その数分の差が彼らの運命を分けた。

 

 

「!?」

 

 

彼らがトマホークの存在に気がついた時には、まだ迎撃態勢を整えきれておらず発見が遅れてしまい、迎撃を行おうとした時には既に時既に遅く、トマホークはホップアップで頭上から雨のように降り注ぎ、それぞれに割り当てられた目標に対して突入。そして弾頭の炸薬が命中と同時に爆発し、戦艦程の防御力を持たない巡洋艦級と駆逐艦級は瞬く間に破壊されていく。

 

 

 

『やった!こちらも行くぞ!』

 

 

 

攻撃隊の彗星が敵空母に向けて急降下爆撃を実行し、迎撃機を放とうとしていた装甲空母鬼と高速軽空母水鬼に向けて500キロ爆弾と250キロ爆弾を投下し、完全に不意を突かれた艦載機が出てくる射出口を開けていた高速軽空母水鬼に多数の250キロ爆弾が突っ込み内部から爆発、装甲空母鬼も500キロ爆弾の集中爆撃を受けて艦載機を飛び立たせる事が出来ず大破・航行不能に陥った。

 

 

「やったわ!!攻撃成功よ!」

 

「よし!」

 

 

攻撃成功を受け、敵艦載機からの攻撃を封じ込めに成功と判断され、戦艦組はサイパン島へと突入し、まだ無傷であった戦艦水鬼に向けて攻撃を開始する。

 

 

「主砲、撃てぇ!」

 

「航空戦艦と言えど侮るな!」

 

 

伊勢と日向が戦艦水鬼に向けて砲撃を行う。

16門の36センチ砲の攻撃は大和の46センチ砲には及ばないが、2人合わせて16門の砲による攻撃は戦艦水鬼にとってはかなりの痛手となり、戦艦水鬼に多数の命中弾を与える。

 

 

「オノレェ……負ケルカ!」

 

 

戦艦水鬼は果敢に反撃しようと、雑魚以上の火力を誇る2艦の主砲が伊勢と日向に向けられる。

 

 

 

「撃テェ……」

 

「させると思う?」

 

「何っ!?」

 

 

そこへ、伊勢と日向の背後に居たアイオワが9門の16インチ砲を戦艦水鬼に向けていた。

 

 

「main gun salvo!」

 

 

アイオワは主砲斉射を意味する英語を大声で掛け、9門の16インチ砲を撃った。

アイオワ自慢のMk7主砲は長砲身で初速が早く射程距離と破壊力が高いのが特徴で、36センチ砲よりも強烈なパンチを受けた戦艦水鬼は後ろに向けて吹き飛ばされた。

 

 

「まだまだ行くわよ!!」

 

 

続けてMk12 5インチ砲が弾幕砲撃を開始し、ダメージを受けていた戦艦水鬼に更にダメージを蓄積させていす。

 

 

「此処でFinal atack!Fire!!」

 

 

装填を終えて再び放たれた9発の16インチ砲弾は戦艦水鬼に直撃、これがトドメとなり戦艦水鬼は身体中から爆発を起こし、最終的には弾薬に引火して爆散した。

 

 

「流石はアメリカ戦艦だね」

 

「あぁ。私と伊勢ならこうはいかんだろうな」

 

 

アイオワの能力に伊勢と日向は素直に感嘆する。

 

 

「でもまだ足りないわ。もっと強い敵と戦ってこそ戦艦冥利に尽きるじゃない」

 

「確かにな。さて、後は掃除だな」

 

 

 

最後はクリスら駆逐艦による掃討作戦である。

伊勢から攻撃成功の報告を受け、クリスを筆頭に駆逐艦部隊はサイパン島に突入、まだ行動可能であった敵PT級や既に行動不能となっている駆逐艦級に攻撃を開始する。

 

 

「暁達は敵駆逐艦を!俺と白露、時雨はPT級だ!」

 

 

クリスの指示で第6駆逐隊は駆逐艦級へトドメを刺すべく魚雷攻撃を行う。

 

 

「暁の本気、見せてあげるわ!」

 

「雷も!」

 

「電も頑張るのです!」

 

「ウラァァ!!」

 

 

4人とも魚雷を放ち、駆逐艦級にトドメを刺していく。

 

 

 

「俺達も行くぞ!」

 

 

クリス達は魚雷を抱えたPT級が動き出す前に仕留めるため、速射砲による精密砲撃を加える。

 

 

「行くよ!主砲射撃開始!」

 

「撃てぇ!」

 

 

雨のように降り注ぐ砲弾にPT級は成す術なく破壊されていくが、やはり数が多いだけはあり、砲撃を逃れた何隻かが向かってきた。

 

 

「させるか!」

 

 

クリスはMk45を向けて砲撃し、精密砲撃により1隻ずつ確実に仕留めていく。

 

 

「これで最後!!」

 

 

残り1隻に命中弾を与え、敵PT級を全て撃破に成功した。

 

 

「敵PT級全滅!周囲に敵影なし!」

 

「やった!」

 

 

この時点でサイパンは完全に敵手中から取り戻し、島の確保に成功した。

 

 

 

「第2艦隊の方はどうなってるかな?」

 

 

 

続く




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