艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第96話

ハワイ諸島奪還作戦の下準備と言える、敵潜水艦に対する対潜作戦『オペレーション:トライデント』は80年も先を行く能力を持つバーク、クリス、アリゲーターガーが中心となり、各鎮守府で対潜戦闘実績のある駆逐艦と潜水艦を指揮下に入れ、3つの部隊を編成し、ハワイへの進撃コースとして囮を含めて設定されている3つのルートを敵潜水艦を掃討するのが大まかな内容である。

 

 

 

3人の中で最も年長であるバークは自身を旗艦として第7駆逐隊を指揮下に入れてバトルグループα。

 

 

クリスは第6駆逐隊と共にバトルグループβ。

 

 

アリゲーターガーは『伊13』『伊14』『伊58』『伊201』と共にバトルグループδ。

 

 

 

以上の編成を以てオペレーション:トライデントは実行に移された。

 

 

 

 

 

 

 

「全艦対潜警戒を厳重に!艦隊輪形陣」

 

 

バーク率いるバトルグループαはハワイ諸島の北回りを担当、早速対潜警戒厳を指示し、αは潜水艦を捜索するハンターとして動き始めた。

ソナーの能力を最大限に生かせる様、全艦は航走雑音をなるべく立てないよう、速度を落とし機関の出力を落とす。

 

 

 

「曳航式ソナー投下」

 

 

AN/SQR-19曳航ソナーが降ろされ、海中の目を更に増やす。

バークはソナーはアクティブモード状態で待機させ、曳航ソナーのパッシブソナーが敵潜水艦の音を拾えば直ちに攻撃できるように備える。

 

 

「私たちも行くわよ!」

 

 

第7駆逐隊もソナーをフル活用し、海中の敵潜水艦に備える。彼女の艤装には通常よりも大量の爆雷や、対潜魚雷が備えられており完全に対潜戦闘を重視した備えがある。

 

 

 

 

「………………………」

 

 

バークの対潜担当妖精達はヘッドセットから聞こえてくるソナーが拾う音声に集中し、全ての音を聞き分けていく。

 

 

「…………………?」

 

 

すると1人の妖精が何かの音を拾った様だ。

コンソールのカーソルを操作し、その音源に絞ってボリュームを上げていく。

 

 

「これは………機関音か?」

 

 

直ぐ様、コンピューターによる解析が行われ、音声データと照合すると、その音は敵潜水艦独特の機関音とスクリュー音だ。

 

 

「コンタクト。敵潜捕捉」

 

 

妖精からの報告を受けるバーク。

 

 

「距離と方位は?」

 

「方位337、距離30。数2」

 

「Asrock stand by」

 

 

バークは直ぐにアスロックにデータを送ると同時に、第7駆逐隊の面々に敵潜発見の発光信号を送る。

第7駆逐隊は直ぐに警戒態勢レベルを上げて、他に敵潜水艦が居ないかソナーを使って捜索する。

 

 

「date input、allgreen。stanby…」

 

 

第7駆逐隊が近くに異常が無いと報告、バークは数秒の秒読みの後アスロックを発射する。

 

 

「fire!」

 

 

Mk41VLSから2発のアスロックが放たれると敵潜が居る方向に向けて飛翔、ロケットが切り離され弾頭部のMk54短魚雷のパラシュートが開き海面に着水と同時にパラシュートが切り離され、魚雷は主機関が始動して敵潜が居る方向へ向けて走り出した。

Mk54は事前にセットされていた敵潜の位置に達すると、内蔵されているアクティブソナーが音を放ちながら目標を捜索する。

 

 

「!?」

 

「ナンダ!」

 

 

アクティブソナーの音に感付いた敵ヨ級とソ級は急いで深海に向けて潜行するが、既にMk54は2艦をアクティブソナーで捕捉しており、進路を変えながら追尾してくる。

 

 

「魚雷ガ追イ掛ケテ来ル!」

 

「マサカ………アノ悪魔ガ此処ニ居ルト言ウノカ!」

 

 

深海棲艦の潜水艦達の間では既にクリスとアリゲーターガーの事は噂になっており、何処に逃げようが隠れようが必ず見つけ出され引き摺り出され深海に送られる。

そんな話が噂として出回り、一種の恐怖の対象になっている。

 

 

「早ク逃ゲロ!早ク!」

 

 

そんな恐怖の様な存在に眼を付けられたこのヨ級とソ級はアクティブソナーの音が近付いてくる度に恐怖心が掻き立てられ、後ろを振り向いた瞬間………

 

 

「!?」

 

 

2発のMk54はヨ級とソ級に直撃、原子力潜水艦の耐圧船殻に穴を開ける成形炸薬弾頭の直撃を受けた2艦は一瞬のうちに破壊され、黒いオイルが混ざった水柱が海上に上がった。

 

 

 

「Hit!」

 

「やるじゃない!」

 

 

第7駆逐隊の曙はクリスがいきなり潜水艦を2隻も仕留めた事に感嘆する。

 

 

「私たちも負けてられないわよ!」

 

「燃えてるねボノ」

 

「あんまし張り切り過ぎない様にね」

 

 

漣と潮の言葉に曙は笑みを浮かべる。

 

 

 

「言われなくても!」

 

 

 

その直後、朧が声を上げた。

 

 

「敵魚雷視認!左から来るよ!」

 

「来たわね。回避!」

 

 

第7駆逐隊は直ぐに回避行動を取り、魚雷は彼女達の後ろを掠めていった。

 

 

「朧、魚雷が来た方向は?」

 

「方位270度!」

 

「270度ね!爆雷用意!」

 

 

爆雷担当の妖精達が爆雷投射機に爆雷をセットし、魚雷がやって来た方向に角度を調整する。

 

 

「爆雷投射!」

 

 

各艦から2発ずつの爆雷が勢い良く放たれる。打ち上げられた爆雷は敵潜が居ると思われる位置に着水と同時に水没していく。

その直後、それぞれの深度で爆発するように設定されていた爆雷が続け様に爆発していき、海中がかき回されていく。

 

 

「続けて投射!」

 

 

更に爆雷が放たれる。

放たれる度に爆発深度設定が深くなっていき、やがて放たれた爆雷のうちの1発が敵潜が直撃したのか、水柱と共にヨ級が打ち上げられた。

 

 

「敵が吊り上がったわ!撃て!撃て!」

 

 

既に満身創痍だったヨ級に向けて集中砲撃が加えられ、ヨ級はあっけなく破壊、爆散した。

 

 

「さあ!まだまだ行くわよ!見つけたら片っ端よ!」

 

「皆、あまり調子に乗らないでね!目的は敵潜水艦の掃討だけど、揚げ足を取られないように!」

 

 

曙にバークが注意を飛ばす。

 

 

「分かってるわよ!言われなくても私は冷静よ!」

 

 

曙の態度を潮が宥める。

 

 

「曙ちゃん……ゴメンなさいバークさん」

 

「良いのよ。それくらいの跳ねっ返りじゃなきゃね」

 

 

 

αは再び敵潜水艦の捜索に入った。

 

 

 

続く




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