艦隊これくしょん the last aegis   作:明日をユメミル

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第99話

ミッドウェー基地全体に全将兵集合の放送が掛かり、航空基地の滑走路に艦娘や国連軍兵士と基地要員が大勢集合し、そんな彼らの前に国連軍司令部の面々が立った。

 

 

司令部を代表して長門が壇上の上に立った。

 

 

「諸君、本日午前1000に日本政府並びに合衆国政府より通達があった。今回のハワイ諸島奪還作戦について、作戦開始日が決定された」

 

 

その言葉に辺りの空気が張り詰めた。

 

 

「作戦開始は明後日の6月5日と決定された!」

 

 

作戦開始日がこの瞬間、作戦に参加する全将兵に伝えられた。艦娘や将兵達はいよいよかと緊張感を持った。

 

 

 

「皆も知っているが、本作戦の成否により太平洋一帯の航路の安全確保並びに太平洋に面する国の命運が掛かっている。これまで我々が積み上げてきた成果を当作戦にて発揮し作戦成功に尽力して欲しい!」

 

 

 

この瞬間、ミッドウェー基地全体が大きく動き出した。

その日の午後夕方より、アメリカ本土の空軍基地から物資を乗せた『C-5 ギャラクシー』戦略輸送機、戦略爆撃機『B-52 ストラトフォートレス』が次々と降り立ち、アメリカ東海岸から大西洋とインド洋と大回りして太平洋にやって来た合衆国海軍の新戦力であるニミッツ級原子力空母『ニミッツ』以下の増援も到着、更には日本本土から国防空軍のF-4ファントムとF-104スターファイターの部隊も増援として到着し、作戦開始に向けて充分な準備が進められる。

 

 

一方で艦娘達も作戦開始に向けて動き出していた。

 

 

「我々は第1航空戦隊を第1航空機動艦隊、第5航空戦隊を第2航空機動艦隊として編成する。両艦隊とも国防海軍と米海軍の護衛を受けつつ、アメリカ本土からやって来る第3艦隊と共にハワイ諸島を挟撃し制海権制空権を確保、地上部隊上陸を支援する」

 

 

長門は第1、第2航空機動艦隊へ戦力の振り分けを行い、最後にクリス、バーク、アリゲーターガーの所属について述べる。

 

 

「クリスは第1航空機動艦隊、アーレイ・バークは第2航空機動艦隊へ配属とする」

 

「了解」

 

「任せて」

 

 

「それとアリゲーターガーは他の潜水艦と共に艦隊の先鋒にたって敵潜水艦を警戒してくれ」

 

「分かった」

 

「では部隊編成通達は以上だ。各自は作戦開始までに必要な準備は整えておくように」

 

 

 

部隊編成の通達が完了し両艦隊は武器の整備や弾薬の補給を開始した。

工廠では明石と夕張らが慌ただしく、艦娘達の艤装の整備や調整を急ピッチで行っており、それと並行してクリスらが使用するミサイルや砲弾の製造も行われていた。今回は作戦に向けて資材や物資が豊富に用意されているため、普段よりも多くのミサイルと砲弾が製造され、クリスとアリゲーターガー、アーレイ・バークの艤装に積み込まれていく。

 

 

「艦長、トマホークの積み込みは後30分で完了します」

 

「慌てなくてもいい。安全第1で作業を続けてくれ」

 

「了解」

 

「Captain、SM-3は全て降ろして、そのリソースをトマホークとESSMに割きますか?」

 

「そうね。どうせ使わないからVLAも5発くらいは残して後は全部降ろしちゃって」

 

「了解」

 

 

クリスとアーレイ・バークはミサイルの搭載数を調整しながら自信のイージスシステムや対潜システム、データ・通信システムのチェックを入念に行っている。

複雑なコンピューターや電子機器を満載したイージス艦にとってはこう言った調整は入念に行わなければならず、万が一の時にバグやシステム不良を起こさないためにはその労力は惜しんではならなかった。

 

 

「いよいよか」

 

 

クリスは端末を操作しながら、小笠原以来の大規模な実戦に震えていた。

 

 

「もうあの時の失敗は2度と」

 

 

あの作戦では自身が至らなかった損傷を負ってしまった事は彼にとってはイージス艦としてのプライドに傷が入り未だに悔しさとして残っている。

今回の作戦は彼にとって、イージス艦のプライドを掛けたリベンジも兼ねており、身体の震えは緊張から来るものだった。

 

 

クリスは再び調整に集中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2日後、入念な準備の元、6月5日の作戦開始日直前の6月4日の午後11時、ミッドウェー基地からは国防海軍、米海軍の艦隊が暗闇の中、次々と出撃していく。

 

 

長門を指揮官とする艦娘達で編制された第1、第2航空機動艦隊は、マリアナでの作戦以来となる移動鎮守府の機能を持つしらね型護衛艦『しらね』と『くらま』に乗り込み、出撃地点まで両艦の艦内で休息に入っている。

 

 

「そろそろか」

 

 

居住区のベッドで横になっていたクリスは腕時計で時刻を確認する。

短針と長針が作戦開始時刻となる6月5日の午前0時となった。

 

 

「作戦開始か」

 

 

 

 

 

 

 

続く




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