美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる   作:Brahma

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第10話 クラスメートの金髪ツインテ女子が不登校になる原因の現場に出くわしたのだが?

七村穂高side

星ヶ崎が近づくと、坂戸は、やにわに例のラノベを高く掲げる。

「あ...。」

坂戸たちのグループの女子たちが嘲笑しはやし立てる。

「それは...違うから...」

星ヶ崎の視線は泳ぎ、その声はよわよわしくたどたどしい。

俺はむかむかしてきた。料理屋でバイトを怒鳴っていたらその料理の味がしないように落ち着いて読書できない。

「じゃあさあ、これ音読してみなよ。」

「え...」

「そうそう、音読、音読、お~んどく、お~んどく」

「立派な声優じゃん、あこがれてるんでしょ?ちょうどいいじゃん」

「動画とって流そうよ」

「いいねえ」

俺の頭の中でつながった。そうか、これが星ヶ崎が不登校になった事件だ。俺はそのただなかにいるんだ。どうする?

ふと自分のリュックが目に入った。これだ!星ヶ崎と俺のリュックはラノベ積み込み仕様でそっくりだったのだ。幸いにも実は裏地に...というアニメグッズですらない。

俺は立ち上がる。後ろへ下がった椅子の音でガタッというひときわ大きな音が教室に響く。

「あ~それなんだけどさ、俺のラノベなんじゃないかな?」

教室が静まり返る。

「は?」

坂戸のあきれたような声。星ヶ崎がぽかんとしている。

「そのラノベ俺のなんだよ。ほらこのリュックそっくりだろう。」

自分のリュックを持ち上げてみせる。色合いから何からそっくりだ。

「実はさ、最近ラノベがなくなっていて困ってたんだ。リュックがそっくりだったからそうじの前に間違えてつっこんじゃったらしい。それが星ヶ崎のだったことが今わかったってわけだ。」

「こないだ、星ヶ崎に「きも」っていわれたこともあって、ラノベのよさをわかれよって思ったけど。まあ、星ヶ崎にしたら間違って入ってたらさすがにどうしたらいいかわからないよなあ。すまん」

「えっと、なな??お前マジでいってんの?」

坂戸は複雑そうだ。どうやらふだんのうっぷんを晴らすチャンスをつぶされた感があるんだろう。

「ああ、もちろんマジだぞ。ネタバレしていいなら内容を教えてやってもいい。」

「えっと、星ヶ崎さん、あいつの言ってること本当なの?」

「星ヶ崎よ、お前はリア充だからラノベをバカにするんだろうが、ちょうどいい機会だ。しばらく貸したままにしておいてやるからそれを読んでラノベの素晴らしさを思い知るがいい。」

星ヶ崎は泣きそうな顔をしているが泣きたいのは俺のほうだ。

しかしもう引けない。目線で話し合わせろと星ヶ崎に訴える。

「もう、わたしが迷惑するんだからね。ここに名前書いてあるでしょ。」

「掃除の直前だぞ。そんなとこまで目がいくかよ。それから坂戸お前何か勘違いしてないか?」

「何を?」

「お前さ、つまずいて星ヶ崎のリュックバラまいたんだぞ。ラノベどうこうより謝るのが先だろ」

「えっと、星ヶ崎さん、マジでごめん、それにばらまいちゃったこともごめん。」

「わかってくれたならいいけど...。」

「よく考えたら、星ヶ崎さんがこんなの読むわけないよね。ちょっと言い過ぎちゃったようでごめん。もっと早く言ってよ、かんちがいしちゃったじゃーん」

坂戸の口調はなんとなく、ぎこちない感じで星ヶ崎に謝っていたが、

「それにしてもお前、自分の本間違えて突っ込んだくせにえらそうだな。」

そのストレスの矛先が俺のほうへ向いてきて低い声でののしってくる。

星ヶ崎と坂戸のグループにこそこそぼそぼそ言われる。

坂戸はラノベを無言で俺のほうへなげつけてきた。

露骨にかかわりたくないという態度だ。俺はそれを拾った。いつ星ヶ崎に返そうか。難題だ。

予鈴がなって生徒たちは席に着く。

星ヶ崎はグループの女子たちに囲まれていて、本当に一部の隙もない。

ほんとうにいつ返そうか。あいつの住所分からないし、電話番号もしらない。

本当に難題だ。

 

さて、翌日白峰からLEINがあった。

(なんか君が星ヶ崎さんのリュックに間違えてラノベをつっこんだのが、坂戸さんがつまずいて中身がでて大騒ぎになったらしいが。)

(ああ、その話か。3年前星ヶ崎と坂戸が不登校になったろ。その原因のできごとに出くわしたらしい。)

(わかった。詳しい話を聞かせてくれ。じゃあ例のごとくジョナサンだな)

(りょ)

俺は、白峰に一部始終を話した。

「なるほど...わたしはクラス委員の仕事で戻れなかった。そうか3年前そういうことで二人は不登校になったんだな。七村くん、本当にありがとう。しかしそのラノベの件でそんなことになるとはな...。」

「いや俺もおどろいたよ。」

「ちょっと重い話で疲れたな。甘いものでも食べようか。」

「そうだな。」

ピンポーンとチャイムが鳴る。

おいおい白峰おれはまだきめてないぞ。

店員が近づいてくる。その女子店員は、

「え、まじ...。」

とぼそっとつぶやく。

「七村、それに委員長?なんでここに?」

「それは俺のセリフだ。なんでお前がここにいるんだ?」

「ここわたしのバイト先で今はシフトなんだけど」

「あの...委員長と七村って付き合ってるの?」

「そうだな、七村くん、どうする?」

白峰は笑みを浮かべる。

「おいおい、品行方正な委員長がそれでいいのかよ。」

白峰に返事をして、星ヶ崎のほうを向く。

「それよりも星ヶ崎に謝らなければならないことがある。」

「何?」

「白峰だけには、お前がラノベ好きなことを話してある。それから例のラノベだ。

お前のグループの女子のガードかたくてな。しかも住所も電話番号もしらないから困ってたんだ。返せてよかった。」

「ん。気にしなくていいよ。それに委員長にもその場に居なくて申し訳ないと言われちゃったし。それよりもわたしのせいで七村が...わたしこそごめん。」

「自己満だ。気にするな。あのままほうっておくと寝覚め悪いからな。」

「それでもありがとう。本当に助かったかも。」

「星ヶ崎さんは、バイトは何時までなんだ?」

「えっと、午後7時かな」

「じゃあ、それまでわたしたちは待つことにする。あがったらいろいろ話そう。」

「あ、うん、ありがとう。バイト終ったらすぐ着替えるから。」

「まあ、まず、オーダーだな。」

「俺も白峰と同じものにする。」

「もものミニパルフェ2つ、鳥のからあげ2つ、ドリンクバー2つ」

「繰り返します。もものミニパルフェ2つ、鳥のからあげ2つ、ドリンクバー2つですね。」

星ヶ崎はラノベを受け取るとオーダーを入力してパントリーへ戻っていった。

 

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