美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる   作:Brahma

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第11話 不登校の原因を話してたつもりが化石と地震の話になったのだが?

「わたしたちとはいってたけど、白峰まで残っていいのか?」

「愚問だな。わたしもクラス委員長として事情聞いておきたいし、二人にしたらほんの二言三言で終わらせるだろう。君自身がそういっていたじゃないか。」

「それにしても君は人にかかわりたくない、ぼっちでいたいと言ってたくせに、やさしいんだな。」

「どうしたんだ。白峰、まさか財布忘れた?」

「そんなわけないだろう。そうかそういえばわたしも君に助けられたんだな。」白峰は少し考えこんでいるようだったが

「そうだ、一つ聞いておきたいんだが?」

と訊いてきた。

「なんだ?」

「今回は坂戸さんが星ヶ崎さんを追い詰める図式だったんだな。」

「そうだな。」

俺は鳥のからあげをつつきながら返事をする。

「坂戸さんまでどうして不登校になったんだろう。」

「坂戸も根っからの悪人じゃないってことかもな。」

「どういうことだ?」

「今回の件で星ヶ崎が不登校になったとする、坂戸はどう感じるのかな?」

「なるほど、さすがに不登校になったらやりすぎたと思うかもな。確かにあくまでも本人の趣味の問題でなにかやらかしたわけじゃないからな。」

 

「七村くん」

「これがゴキブリの化石、これがカブトガニの化石だ。ほとんど変わっていないだろう。」

白峰は考えるのをやめて、なにかからコピーしてきた二枚の写真を取り出して突然話題を変えてきた。

「ああ、そうだな。」

「それから、いわゆる化石人類の化石だ。たしかに猿人、原人、ネアンデルタール人は存在する。しかし先行現生人類なる化石も発見されている。こういった化石人類の中間のような化石はない。だからわたしは本気で進化論を疑っている。種類に従ってその時代に創られたのではないか、と考えている。」

「空飛ぶスパゲッティモンスター説かよ。」

「考えてもみろ、RNAウィルスが最も変化するが、クラウンウィルスは、変異しても強毒化、弱毒化はあってもクラウンウィルスの種類の範囲で変化していてエイズウィルスにはならない。ほかのウィルスも同じだ。これをセントラルドグマというんだが...。」

「難しい話だな。」

「よく言う話だがシェークスピアの最初の10文字が偶然にそろう確率は0.1%ですらない。ほんのわずかだ。しかも次の瞬間には崩れてしまう。ウィルスのRNA塩基配列は二万以上、人間は30億対のDNA塩基配列だ。そうなると偶然のはずがないし、限りなくゼロに近い。」

「それはわかるが、生き物の親だよな。」

「生き物は試験管でも細胞があればつくれるよな。」

「確かに。」

そんなことを話していると揺れが起こった。地震だ。

「地震だ、地震だ。」という声が周囲から聞こえる。

震度2~3くらいの軽い揺れだ。

白峰はスマホで調べる。

「震源地は宮城県沖M5か。プレート境界型といったところか。それにしても日本は地震が多いよな。」

「そうだな。」

「知ってるか?」

白峰は、ナプキンに四重の円を描く。

一つ内側の円は点線になっている。

「これが地球の断面。地殻は薄いからこの線の太さで十分ってことで、これがマントル。ああ、海溝がわかるように描いておくか。」

地殻の線から内部に食い込ませる線を内側に描く。

「これが外核。このふきだしというか木のようなものがマントルプリューム。ホットプリュームとももいう。」

白峰は内側から二番目の円から樹木かキノコかカリフラワーのようなものを描く。そのカリフラワーは、円の内側の点線を気持ちはみ出すように描かれる。それから「地殻」の内側にどらやき状というか円盤状のものを描く。

「この円盤と言うかどらやき状のものがスラブ。海洋地殻が大陸地殻の下に沈み込んでたまっているんだ。」

「ふふん。」

 

【挿絵表示】

 

「ん、なんで茶色に塗るんだ?」

「これぼっとんって落っこちるんだろ。」

俺はスラブを延長させて内側の円におそなえ状というか排泄物状のものを描きこむ。

「そのとおりだ。ってかここファミレスだぞ。まあいい、トイレに落ちるものとは違ってこれは海水によって冷やされているから冷たい。これはコールドプリュームという。」

海溝の部分で起こる地震はプレート型地震といわれて、東日本大震災やいまのような地震が典型と言われる、しかし四川地震のようにそれでは説明が付きにくい地震がある。たとえばこのホットプリュームが勢いをましたり、大陸直下の熱い部分が動いたらどうだろう。」

「地震や噴火が起こるな。」

「だからマントル内部の熱の移動で地震が起こるのではという研究者もいる。それからタヒチやハワイは、こういったホットプリュームの先端が噴出したホットスポットというやつなんだ。このプリュームの動きが気象衛星の写真の雲の動きのように正確に分かれば地震が予測できるかも知れないな。」

「でもなんで、こんなに地球の内部がわかるようになったんだ?」

「地震波トモグラフィー、あるいは地震波CTという技術だ。実はスラブのコールドプリューム部分は地震波の伝わり方が速く、ホットプリューム部分は遅いんだ。それを図化したらこうなる。プリュームテクトニクスの有力な根拠のひとつになっている。」

そういったことをグダグダ午後7時まで話している。

そうこうしているうちに星ヶ崎が制服を着て現れる。

「ごめん、遅くなっちゃった。」

「いやまだ10分たってないぞ。問題ないだろ。」

「席移動するか?」

「わたしはここでいいよ、七村と委員長が良ければ。」

「ああ問題ない。」

「何話してたの?」

「勉強の話。化石だの地震だの。」

「七村くんとの共通の話題は勉強なら無難だからな。」

「へええ、さすが優等生同士。」

「この席使うならまずオーダーだな。」

「そうだね。」

チャイムを鳴らし、星ヶ崎は店員にドリンクバーを頼む。

「で星ヶ崎さんの先日の話を聞かせてくれ。」

星ヶ崎と俺は克明に白峰に話す。

「まあ星ヶ崎さんのラノベ好きの話は内緒にはする。ただ自分を偽り続けるのは苦しいと思うぞ。七村くんは星ヶ崎さんをささえてやってくれ。ぼっち脱却の第一歩だな。ああ、つきあいはじめるならそれもいいかもしれないな。わたしはちょっと寂しいが。」

「何言ってるの?それから委員長、ちょっと寂しいって何?」

星ヶ崎がちょっとにやけて白峰を見る。白峰はかすかに顔を赤らめる。

「あ、用事思い出した。私は帰る。二人とも月曜日に。」

白峰は席を立ち手を振って出ていった。

 

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