美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる   作:Brahma

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第13話 自作小説を美少女連に読んでもらうことになったのだが?(前編)

まあ遠足の班決めも二週間後、ゆううつなことを気にしてもしょうがない。

俺は、借りた本を読み終わったので学校図書館へ行った。図書委員に本を返すと、本棚の物色。なにか見落としていた掘り出し物があるかもしれない。こういう時間が大好きだ。

この学校の図書館は本来開架でないはずの書庫も開放していて、古い本がおかれている。照明も最低限の古い設備で薄暗い。

天井まで届きそうな移動式書架にはぎっしり本が詰まっていて本好きにはたまらない空間だ。

踏み台や梯子が随所に置かれている。しばらく気になったタイトルの本を手に取ってめくってみる。

「すみません。」

と声がかかり、ふとみると見慣れた金髪ツインテのかわいらしい顔がある。星ヶ崎だ。

「やっほー。」

と笑顔で声をかけられ、

「おいここ学校だぞ、だいじょうぶか?」

「声かけるまえに周囲を確認したよ。七村しかいないと思ったから声かけた。」

「しかし、この書庫から考えて若者の本離れは深刻だなとつくづく思うな。」

「なに難しそうなこと言ってるの。へえ、七村こんな本も読むんだ。」

「ラノベばっか読んでるわけじゃないぞ。こういうのも含めいろいろ読むぞ。」

「七村ってラノベ書いてるんだから、それこそラノベばっかじゃなくていろんな本を読んだほうがいいって何かのあとがきだっけに、書いてあったな。」

「まあラノベ以外も普通に好きだし、いわゆる学術書とかも嫌いじゃない。岩波講座世界歴史とか現代地球科学入門シリーズとか普通に好きだぞ」

「こないだ委員長と楽しそうに話してたもんね。それに小説読むだけじゃなくて書いてるのは凄いな。それってもっと自信もっていいことだと思うよ。」

「そうなのか?」

「今書いてるの完結なり、ひと段落したら読ませてもらえるかな、七村がどんな小説書いてるのか普通に興味あるし。」

「そうか…こないだ花見辻に会った時に読ませろ言われて反射的にいやだと返事はしたが、まあ確かに読んだ人の感想がもらえるなら助かるな。わかった。仕上がったら伝える。」

「やった!ってか空ちゃんといつ動物園行ったの?」

「白峰と花見辻と動物園行った話はしたろ?」

「うん、たしかに。じゃあ楽しみにしてるね。」

「ああ」

「さてバイト、バイト」

星ヶ崎は、手をふってそそくさと図書館から出て行った。

「星ヶ崎さ…」

書架の裏からストレートの黒髪のクールビューティな少女がそこにいた、星ヶ崎に声かけるつもりだったようだ。

「やあ七村くん」

「白峰…なんでここに?」

「いたらおかしいか?星ヶ崎さんでなくてがっかりしたかい?」

「がっかりするわけないだろう。白峰はむしろ周囲と合いすぎるくらいだ」

「ほめられているのかどうかよくわからない表現だな。」

俺の目の前の、黒髪ロングの清楚な美少女は、あごに手を当てて考えごとをするポーズをとる。

「知的な女だといっているつもりだが。足りないなら才色兼備だといおうか」

白峰はその美しい顔に笑みを浮かべる。

「そうか、ありがとう。お褒めいただいて光栄だ。」

「事実だからな。星ヶ崎にしろ白峰にしろ、自称美少女でもだれも否定しない。」

「そんなにほめても何もでないぞ。財布忘れたか?」

「そんな期待していない。それよりもどうしたんだ。」

「きみがいいやつだということはよくわかった。しかし、悪役をかぶって割を喰いすぎだとわたしはおもう。女子は悪いほうに誤解しているし、男子もあまりいい感情は持っていない。」

「仕方ねーと思ってるよ。そういう解決しかできなかったからな。」

「そんな割り切り方、悲しすぎるな。高校生活がはじまったばかりなのに。どうだ?私はクラス委員長としてみんなの誤解を解くために協力したいと思っているが。」

「遠慮しとく。親から貸し借りはやめろと言われているし。」

「それはお金の話だろう。それにこないだいったように勝ち負けだの、貸し借りなどのない人間関係をつくれたらと思っている。」

「俺のことを考えてくれるなら、星ヶ崎の件をだまっていてほしい。」

「そういうだろうと思ったから黙ってはいるがこのままではいいとは思っていない。君だけでなく彼女自身のためにもね。」

白峰は肩をすくめる。そしてため息をつく。

「まあ現時点での君の意思はわかった。だがわたしは、君がどういう人間か知っているつもりだ。だから困ったことがあったら言ってほしい。クラス委員長だしね。」

「わかったよ、委員長」

「よろしい。そういえば七村くんはクラスのグループLEINに入っていなかったね。」

「へえ。そんなものあったんだ。俺には関係ないな。」

「仕方ないか。ほんとうはわたしがすぐにでも君をグループに追加したいところだが、さすがに今の状況はまずいかもしれないな。」

「じゃあ今日はこれで。」

「お...おう...。」

「じゃあ明日。」

黒髪ロングの清楚な少女の微笑む顔が、薄暗い書庫の中でも浮かび上がるように見えた。

 

さて一週間後、なんとか小説を完成した俺は、星ヶ崎に

(小説書きあがったが、読むか?)

とLEINを送った。

(ありがとう。今日は非番なんだ。ジョナサンで。)

すこし逡巡してから白峰にも同じ内容のLEINを送る。

(わたしも行っていいのか?)

という返事が来た。「も」という助詞をつけるあたり相変わらず鋭い。

(黙っていても仕方ないからな。)

ファミレス金かかるなあとおもいながらドアをあけると

呼んでもいない美少女が一人加わっている。

 

「なんでお前がいるんだ。」

「なんか文句あるの?」

と件の美少女F組の花見辻は言い返してくる。Tシャツにキャミワンピース。かわいいのは確かだがお前は呼んでいないはずだ。

「星ヶ崎と白峰には読んでもらう約束はしているが、お前は呼んでないぞ。」

「七村くんは、頭にバンダナ、手に指ぬきグローブでもしてくるかと思ったけど意外だったわ。」

「どんだけステロタイプの秋葉原のオタクだよ。そこまでやるとコスプレキャラだぞ。話をそらすな。もう一度聞くぞ。どうして花見辻がここにいるんだよ。」

「星ヶ崎さんからLEINもらったのよ。ちなみに真白からももらった。おもしろいものが読めるって。」

「おもしろいもの扱いかよ。」

「それで来てみたらあなたの書いた小説を読ませるとかいうんだもの。もしつまらなかったら慰謝料とるから。」

「そんな約束できないもの払えるか!」

「だってかわいそうだから星ヶ崎さんからとれないじゃない。」

「いや俺からとるのはいいとか、謎基準、いいかげんにしてくれ。」

「それよりさ、知らない誰かじゃなくて同級生が書いた小説だよ。気になるじゃん。読んでみようよ」

と星ヶ崎が言う。俺は、ダブルクリップでとめた三つの紙束を取りだした。

 

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