美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる   作:Brahma

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白峰真白side
さて先週の日曜礼拝の前の教会学校高校生クラスのことだった。
ルカによる福音書19章のザアカイの話だった。
「取税人とは、ローマ帝国の手先として税金の取り立てをする役人です。ローマ帝国は、徴税は、相手国の住民を使っていました。取税人は、神の民へブル人からすれば異邦の民に仕える裏切り者ということになります。それでさえ憎しみを買うのにさらに、ローマの税金を一定の額以上をとりたてられれば、差額は本人の報酬にあてられるしくみになっていたため、反ローマにならないよう取税人たちに憎しみがいくようにしていました。
さてそんな取税人の一人ザアカイと言う人がいました。ザアカイは税の取り立てがうまく、かなりの財産を築いていました。ある日イエス様がザアカイの街エリコに来るということで、ぜひお会いしたいと考えて、いらっしゃる広場に行きましたが、不幸にもザアカイは背が低くイエス様の姿を見ることができません。しかたがないのでいちじくの木に登ることにしました。
「ザアカイ、ザアカイ降りてきなさい。」
ザアカイはドキッとしました。なぜ取税人の自分が呼ばれるのか
「今日はあなたの家で食事をすることにしているから。」
「イエス様、わたしのような者を覚えていただき感謝いたします。財産の半分を貧しい人々に分け与え、だまし取ったものは4倍にして返します。」
ザアカイは、財産はあっても非常に寂しかったのです。イエス様の愛に触れて変わったのです。」
しかしイエス様は、「あの方は取税人の客になられた」と陰口をたたかれました。

高校生クラスにはわたししかいないので自由に相談できる。
ほかの大きな教会では許されない贅沢だ。
「先生、わたしのクラスには、すべて一人で行動しようとするクラスメートがいます。彼は、孤独を好むのですが、その一方、ある女子生徒が、ライトノベルなどの趣味を嫌う女子生徒たちに、リュックからライトノベルが発見されて冷やかされているときに、自分が間違えてリュックに入れたと彼女をかばいました。彼はその悪評をかぶってますます嫌われています。でもわたしは彼を何とか助けてあげたい。」
「その兄弟は勇気ある人ですね。」
まだ信仰をもっていない名も知らない彼、七村のことを兄弟と呼んだ。
先生の彼、七村へのずっしりとした敬意を感じる。
「はい、私もそう思います。」
「白峰姉妹、その兄弟の味方であり続ける覚悟がありますか?」
「はい。」
「すばらしいことです。彼に寄り添って彼の気持ちを聞いてあげてください。
姉妹も無理をしてはいけないし、その兄弟にも無理をさせてはいけない。神様の時にその問題は不思議なように解決されます。祈りなさい。」
「遠足の班決めがあります。彼を入れてもいいですか?」
「状況から言って、姉妹以外彼を班に入れることはないでしょう。なのでそれはそうするしかないと思います。しかしもしかしたら彼に助られた彼女が動くこともありうる。よく祈って決めてください。それからその兄弟が孤独を好むのは自分にも他人にも負担をかけたくないと考えているからです。姉妹が無理をするとその兄弟は姉妹のために心を痛めるでしょう。だから姉妹自身も遠足を楽しむように。」
先生は微笑むと
「さあしっかり立って、今日あなたがたのためになされる主の救いを見なさい」(出エジプト14:13)とホワイトボードに書いた。それはモーセがイスラエルの民を励まし、紅海の海水を真っ二つにしたときのセリフだった。
わたしは決心して祈った。七村を遠足でひとりぼっちにさせない。



第15話  遠足の班決めとかぼっちにとっては拷問でしかないのだが?

七村穂高side

おおかた班決めが終わったところで、自分が残っていることを知った先生が「どこか七村くんを入れてくれる班はありませんか?」と呼びかけ、疑心暗鬼の押し付け合いがはじまるだろう。何年前かの中学であったことが、所変えて再現される、

 

星ヶ崎は柊たちのグループとイケメン男子たちのグループにしっかりおさまっている。目立たないように両手をあわせ、ゴメンと俺に対して合図を送ってくる。

俺は、気にしなくていいと合図する。

「はあ、やっぱりそうか、あきれたなぁ」

先生にしては若い女の子の声が背中のほうから聞こえる。気が付くと白峰が俺のそばに立っている。

「どうした委員長?」

「どうしたじゃないよ。見事なまでにわれ関せずか。」

「誰か俺を班に入れてくださいとか絶叫するなんてみじめすぎるし、みんな怖がるだろう。だからこれでいいんだよ。」

「そうかもしれないけど、一人でバーベキューするつもりか?それを見せられるこっちの身にもなってほしいな。」

「そうは言ってもなぁ...。」

白峰は、つかつかと俺に寄ってくる。

近い、近いぞ。お前みたいな美少女に近づかれたら勘違いしちゃうだろ。

その心情を察したように

(君の彼女だと誤解されてもいいくらいの覚悟はあるが、立場上公平に接しなければならないからな)

あらかじめ用意していたとしか思えないLEINメッセージが届く。

「確認するまでもないだろうけど七村くんは、どの班か決まっていないんだよね?」

「ああ、そうだが。」

「じゃあわたしの班だ。これで決まりだな。」

俺は戸惑って声が出ない。白峰の後ろには班員の男子と女子がいるが、その顔には、戸惑いの色が浮かんでいるものの、仕方ないといった感じで、それを立証するかのように白峰は続ける。

「もう班員は説得済みだ。」

白峰は退路は絶ったからと言わんばかりのドヤ顔で笑みすらうかべている。

「君がどこかの班に入るまで、わたしたちは、話し合いを進められない。だから公共の福祉のためにわたしが君を班に入れるんだ。頭のいい君ならこれで納得いくだろう。」

「わかった。よろしく。」

「よろしい。」

満足げに白峰がうなづく。

「あ...よろしく...七村です...。」

班員に自己紹介はするものの、会話が続かない。

「ああ...うん、よろしく...。」

相手も続ける気はないから気が引ける。

「それではみんな班ごとに机寄せて」

先生が指示するとガタガタと音を立てて机が寄せられる。

さすがに高校ともなると小学校のように妙な「隙間」が開くことはない。

小学校のときにその妙な「隙間」を見つけると先生が無理に机をくっつけようとして、女子が泣き出しそうになる。本当に泣きたいのはこっちだってのに。

バーベキュー後のスケジュールについて話し合う班員を横目に俺はあくびをした。

その日の放課後、星ヶ崎からLEINメッセージが入る。

女子からもらう珍しく「安全」なメッセージだ。ほかに「安全」なメッセージを送ってくるのは白峰だろう。この二人からなら「カツアゲ」か別の男に手紙渡してくれとかろくでもないメッセージではない確信がもてる。小学生の時に女子に呼び出された時は、ほかの男へチョコ渡すメッセンジャーだった。「ガチの告白はない」という妙な安心感から使い走りをさせられてみじめな想いをさせられたが、そもそも今はLEIN交換している人数が少ないから基本いやな思いをしなくて済む。

呼び出されたのは、学校の管理棟の後ろにある職員駐車場だった。

先生たちの車を眺めて時間をつぶす。高そうな車や意外性のある車があってなかなか楽しい。誰が乘っているんだろうと想像する。

数分後、小走りで金髪ツインテ少女が息を切らしながら走ってくる。

「おっす」

「ごめん。私が呼び出したのに遅れちゃって」

「いや、いい。陽キャの交友関係がいろいろ大変なのは、ぼっちの俺にもわかるしな。」

「いちいちぼっち、ぼっちって言わないほうがいいよ。うそでも口にしてると本当になっちゃうって聞いたことあるし。」

「それなら大丈夫だ。俺はすでにぼっちだからな。」

「それドヤ顔で言うことじゃないと思うよ。」

「まあいい。要件は何だ?ラノベの新作か?」

「ん~じゃなくてさ。さっきは力になれなくてごめん...。」

「もしかして遠足の班決めのことか?」

「そう...。」

しゅんとしてうつむいている。

「気にするな。あ~ラノベの新作じゃなきゃ、もしかして告白なのか期待していた。」

「あはは、それはごめん。」

元気をとりもどした星ヶ崎はにやにやと上目づかいで覗いてくる。あざといなこいつ。

「班決めは、白峰がどうにかしてくれたし。大丈夫だ。」

「うん...委員長凄いよね。わたし結局何もできなくて。」

「あれは白峰が凄いんであって、星ヶ崎が負い目に感じたり謝る必要はないぞ。てかあいつあらかじめそのつもりだったようだけどな。」

「でもこないだのわたしのラノベの件がなければすんなりきまったのかなって。」

「それはないな。あの件がなくてもぼっちには変わらかったからな。」

「なんでそんなに自信満々なの」

星ヶ崎は苦笑する。

「むしろあの件のおかげで白峰の決断が早まった可能性すらある。あいつは凄いよ。美人で勉強ができるだけでなく、クラスメートの現状も把握して的確に心配りをしている。だれにもできることじゃない。」

「そうだね。そういえば空ちゃんのF組も同じ離島に行くみたい。」

「へえそうなのか」

「空ちゃんたちと合流できるかもね。」

「勘弁してくれ。それにあいつにもF組の班員たちとの交友関係があるだろう。」

「そうかなあ、空ちゃんけっこう七村のこと気にしているように思えるけど。動物園にも、小説読みにもつきあってくれたし。」

「あの星ヶ崎。俺の問題をお前が背負わなくていいんだぞ。お前は自分が遠足を楽しむことだけ考えてろ。それが俺のためでもある。お前が楽しめないほうがつらい。」

「七村が遠足を楽しめと言っても説得力ないけど言ってることは正しいか。」

「そうそう、お前が遠足楽しんでいるなら、俺の気持が楽になる。」

「うん、わかった。ありがとう。それじゃまたね。」

星ヶ崎は完全には納得しがたい表情を浮かべながらも手を振ってくれたので、俺も手を振った。

 

 

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